演出:渡辺一貴 脚本:小林靖子
原作:荒木飛呂彦
日本 TVドラマ 2022年 全2話(7・8話)
☆☆★
なんで、なんで2話だけなのよぉぉ~っ!
というわけで、2020年2021年と年末にNHKで放送された「岸辺露伴は動かない」実写ドラマは好評なようで、2022年年末も同じスタッフ・キャストで放送されました。ただ今回は3話じゃなく2話。何で???
3という数字は最も安定した数字じゃあなかったのか?ラストで示唆されたように、「岸辺露伴ルーブルへ行く」の布石???
実写映画版「ジョジョ4部」無駄に海外ロケとかしてて興醒めでしたが(いやあのね、日本離れしてるのは確かかもしれないけれど、杜王町=仙台っていう身近な所が良いんじゃあないか)実際パリにでも行っちゃう?ドラマ1本でそれやるの難しいだろうし、映画?にしては短編オムニバスだからこその魅力であって、映画化する程じゃないよねこれ。「懺悔室」とかも抱き合わせで作っちゃうとか?まあ何にせよ、次もあってくれたらそれはそれで嬉しい。
つっても私、そこまでこの作品のファンというほどじゃないんですけども。世間では大絶賛されてますが、正直まあ悪くは無いんじゃないの?映画版よりはずっといいよね程度。
今回は
7話「ホットサマー・マーサ」
8話「ジャンケン小憎」の2本。
ホットサマー・マーサは聞いた事無いタイトルでしたので、また小説版なのかな?と思ったら「ジョジョマガジン」に掲載された最近の話っぽいですね。ドラマに合わせてか、泉京香が再登場してるんだとか?私まだ読んで無いです。
予告のビジュアルとタイトルから「ミッドサマー」に影響を受けて書いたのかなと予想してましたが、あんまり関係は無さそう。荒木の好きそうな映画ではあるのですが。
藪箱法師とか和風路線。知らない内に3カ月経っていたとか、普通の生活でもめちゃめちゃあるあるですよね?まあ、その間にもう一人の自分がっていうのが凄く恐ろしい部分ではありますけど、例えば新年早々ですけど、去年「一年間何してた?」って言われると、え?何だろうあっというまに過ぎちゃってよくわからない、みたいな人も多いはず。何か人生にとって転機になる事とかがあればまた別なんでしょうけども。
ちょっと今回の話からはズレちゃうかもしれませんが、ループ物の映画の解説なんかで、人間ってのは春夏秋冬繰り返して、去年出来なかった事を今年は変えてみようとか、実際に歳はとるけど、構造としてはループ物と同じだよね、って言ってる人を見て、ああそれは確かにそうだなぁと目から鱗でした。
人生長く生きても80年とか90年。毎年違う生き方をしてる人なんて稀で、大半の人はループしてるというのは面白い視点だなと思いました。
コロナ禍で停滞感の蔓延るここ3年とか、よりそこが強調された感もありますし、露伴がマスクしてるビジュアルも含めて、今の作品だなぁという感じでした。最後にオチがつくのもね、SBR以降の荒木だよなと。昔からあるにはあったけど、ズッコケー!みたいなベタなの多くなったのってSBR辺りからじゃなかたですか?
そして8話のジャンケン小僧。
前回の「背中の正面」と同じく元はジョジョ4部の本編ですが、そこをどうアレンジしてくるか。
お話の面白さ的には「カイジ」というか福元漫画路線。カイジも私は割と好きです「2連敗しているって事は、あんたは下り坂に居るって事ですよ」とかそういうこじつけが面白いんですよね。
「ガラスのシャワーだっ!」とかも、よくよく考えると武田鉄也がトラックの前に飛び出して「僕は死にません!あなたが好きだから」とかと同じ事やってるわけですよね。
確かこれ、最後は原作だと「透明な赤ちゃん」使ってた気がするんですけど、今回はどうだろうと思ったら、ホットサマー・マーサから繋げて来ました。大人だからちょっとズルイ手も使うというより、相手の癖を読んでそれを利用するとか、より運命は自分の手で掴みとる感が出ていて、そこは面白い部分だと感じました。ここは流石脚本が小林靖子にゃんと褒めたい所。
さて残るは・・・って、やっぱり3話3話と来て今回は2話だけなのちょっと残念。
毎年ですが、超面白かった!って程では無いにせよ、無料で見れるTVドラマとしては十分に楽しませてはいただきました。
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