僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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Gセイバー

G-SAVIOUR-フルバーション- [DVD]

原題:G-SAVIOUR
監督:グレーム・キャンベル
TV映画 2000年
☆★

 

ガンダム20周年記念作品として作られた、実写版ガンダム
映画では無くTVスペシャルとして作られたものです。
20年ぶりくらいに見返しました。

 

TV放送された時も観ましたし、その後DVDも確保して数回は見てました、当時もそんなには高い評価は得られませんでしたけど、個人的にはこれはこれでそんなに嫌いでは無いかもくらいの感覚でいたかなぁ?

 

今見ると、結構酷いもんです。人間ドラマの部分が基本室内の絵しかないので、スケール感に乏しく、いかにも低予算。ビジュアル的な問題だけでなく、宇宙、しかもガンダム宇宙世紀という世界観の広がりを全く感じさせてくれない作りなのは結構致命的だなぁと思います。

 

食糧危機が背景にあったり、生物発光でその問題の解決をはかる等、結構面白い事はやってるのですが、ドラマ本編だけだと非常にわかりにくい。ただ今回、私はドラマCDの流れがあってこれに入ったので、そこはちょっと面白かった。本編では言葉でしか出てこないリバ博士暗殺の話とかがドラマCD3話で描かれたりしてましたので、思ってた以上に前日譚として機能してるのか。イルミナティ接触する場面のバーとかもドラマCD2話で出てますし、そういったリンクを含めた部分で楽しむのは悪くないかもしれない。

 

話の筋立てとか、結構ハリウッドっぽいなと思えますし(日本のアニメ的では無い)ヒロインのシンシアが黒人女性ですし、助手のコウビィとかアジア人も居る。そこは20年前からしっかりコンプラしてたりもしたんだなと今見ると改めて感じたりもしました。

 

CGで描かれるMSってのもね、当時はまだ新鮮だった時代のはず。PSやSS、DCやPS2くらいまでもう出てたくらいか。私、OPとかムービー部分とかビデオに録画して繋げて見てた記憶がある。当時はそれだけでも十分に新鮮でした。

 

でも当時出たGセイバーのムック本(ニュータイプ100%コレクションだったかな?)でCGでのアクションは予想以上に苦労した的な事が書いてあったのが記憶に残ってます。実は動きはわざと遅くしてあって、アニメと同じテンポで動かすと、あまりに軽い動きになってしまって、巨大兵器の重量感が全く無く、凄く嘘っぽい画になってしまって非常に困った的な事を言ってたはず。

 

ロボコップ」的なギュイーンギュイーンギュイーンって動作を一つづつやる事であえてロボットとしての動きを作ってる感じなんだろうなと。(ロボコップもパントマイムの動きを参考にしてわざとああいう動きを作ったんですよね)

 

そこで私は昔から思ってる部分が一つあるんですけど、それはガンダムじゃ無く、「機動警察パトレイバー」の話。ライバルメカのグリフォンっていう機体が、既存のOSとは違う独自のものを使っていて、他のレイバーと違って、ほぼ人間と同じような動き方が出来るという話が漫画版にありました。でも動いてるアニメだと実はイングラムと大して変わんないんですよ。だからおそらく漫画版を担当しているゆうきまさみの頭の中のレイバーの動きはまさしくロボコップみたいな動きをしてるのが普通であって、そんな中でグリフォンだけがまるで人間、あるいわロボットアニメ的な普通の動き方が出来るという感じになってるんだろうけど、アニメのスタッフ的にはその辺が上手く伝わって無いというか、描きわけとかまでは出来なかったんだろうなとか、昔から勝手に思ってました。

 

今はそういうCGの動かし方とか20年前よりノウハウが出来てるでしょうし、ゲームや実写でのCGだけでなく、アニメのMSも場合によってはCGで動かす時代ですのでそこら辺は上手く解決出来てるんですかね?ハリウッド版ガンダムなんかもその辺は気になる所です。
「MSイグルー」なんかは、MSよりも人間をCGでやってる方がむしろ気になった作品でしたけども。

 

で、そんな見た目の話はね、時代の変化ですから逆に面白味の部分と思えたりもするんですけど、今回見返して、話の方がちょっと酷いなと感じてしまった。主人公マーク・カランって作中の冒頭ではちゃんとミミ・デビアっていう恋人が居るんですね。マークが反逆者に仕立て上げられ危機に陥った時も、彼女に助けてもらって、ましてやセツルメント(コロニー)への脱出まで彼女はついてきてくれる。なのにさぁ、その後急にマークはヒロインのシンシアとイチャコラはじめんの。
え?こんな話だっけ?結構この主人公クズ度高くね?
しかもお話的にもミミの方は酷い扱いされてる。まるで一人のキャラクターをコマのように扱う浅はかさ。そして何食わぬ顔で最後はまたイチャコラ始める主人公とヒロイン。

 

う~ん、当時はお話をそんなに読み込めて無かったのか、こんな高感度の低い話だったっけか?と思ってしまった。

 

当時は、実験的なこの作品を新鮮味でカバーしてたものを、今見るとむしろCGの古さ以外の部分の方に雑さを感じで、結構残念な印象の方が強かった。

 

マニアには有名ですが、この作品におけるジムの位置が「フリーダム」でザクの位置が「ブグ」なんですよね。フリーダムつったら誰がどう考えても今は種のあれですし、「ブグ」もね、オリジンで旧ザクの前のMSがブグって名前にされてしまった。
オリジンは宇宙世紀の最初でGセイバーが最後尾。100年以上離れてますので、Gセイバーのブグは最初期のMSの名前をあえて復刻させてつけたとか後付け設定も使えるかもしれませんが(実際に自動車だとそういう例はいくつもある)単純に「Gセイバー」という作品が黒歴史に埋められてしまって、そういう雑な扱いを受けてしまっているという感じがして、そこもまた微妙。

 

むしろガンダムなんてマイナーな設定を拾ってきて、そこをこじつけて遊ぶ的な方がスタンダードな気がするので、なんかそこもね、Gセイバーがいつかまた日の目を見る事はあるのでしょうか。マイナーな作品という立ち位置自体は嫌いじゃ無いので何か色々と複雑な気持ちにさせてくれました。

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