僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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私ときどきレッサーパンダ

私ときどきレッサーパンダ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

原題:TURNING RED
監督・脚本:ドミー・シー
アメリカ映画 2022年
☆☆☆☆★

 

<ストーリー>
いつも“マジメで頑張り屋”のメイは、ある出来事をきっかけに本当の自分を見失い、感情をコントロールできなくなってしまう。悩み込んだまま眠りについたメイが翌朝に目を覚ますと…なんと、レッサーパンダになってしまった!一体どうすれば、メイは元の人間の姿に戻ることができるのか?この突然の変身にはメイも知らない驚きの<秘密>が隠されていた…。そして、様々な人との関係を通してメイが見つけた、本当の自分とは――? 

 


ピクサー長編映画。ディズニープラスでの配信スルーの形になりました。ディズニーアニメ、ピクサーアニメはコロナ禍後は配信に回される事が多くなっちゃいましたね。マーベルとかはちゃんと映画館で上映された後での配信になってるけど、子供向けの奴は本国ではあんまり映画館では期待されて無いのかな?

そこは日本とは逆ですよね。日本の映画館だと子供向けの物ばかりがランキングの上位を独占がちですし、そういう作品で映画館はかろうじて踏みとどまってる現状なのですが、そこら辺の差は結構面白い部分かもしれない。

 

さて今回の「私ときどきレッサーパンダ」ポリコレ度180%の意識高い系人向け作品。ディズニーもピクサーもマーベルも、どんどんこっちに振ってきてますよね。

 

そこはやっぱりディズニープリンセスの変化っていうのがきっと大きいのでしょう。女の子はお姫様で、男の一歩後ろを歩いて王子様に幸せにしてもらうのが女の子の夢、的な古い価値観を押し付けてきたのがディズニーアニメですから、いやもうその考え方は古いしむしろ害悪な考え方だよね、と路線変更してから再度ディズニーブランドも復権できたし、今もそういった流れを引き継いでいるというのが現状。

 

作品の解説はもう山田玲司先生の奴が短くまとめられてて120点の解説なので気になった方はそちらを見てもらった方が早いです。

www.youtube.com


ちなみに私は何故これ見たかと言うと、ツイッターで誰かがこれの事を「実質X-MENの新作だった」みたいな事を言ってて、あらすじを読んで見たらああなるほど、思春期の変化の話なのねこれって、という感じで納得でした。

 

チャイニーズアメリカン、いや舞台はカナダなのでチャイニーズカナディアンっていうのかな?友達もヒスパニックっぽい子も居るし、(設定的には、ユダヤ系、インド系、コリアン系だそうです)まさしくポリコレ作品だなぁと。

 

ネット上だとポリコレを嫌う声が大きく見えて、私はああいう人達苦手なんですけど、何がまずいんでしょう?もし自分が少数派とかだったら、そこをフォローしてくれる作品とかあったら、それって普通に嬉しい事なんじゃないんですかね?何でそういう作品を否定したがるのか私にはさっぱりわからん。

 

そして、こういう作品こそが当たり前のものだとして、メジャーな制作会社が堂々とやってくれるというのは本当に凄い事だと思うし、物凄く価値を感じる。勿論、日本にもプリキュアとか意識高い系がちゃんとあるのが同じく素晴らしい所。

 

子供・・・というと曖昧すぎるかな?ディズニーとかピクサー好きなのって未就学時から小学校でも低学年とかですよね?違うかな?高学年とか中学くらいになるとやっぱり作中と同じくアイドルとかドラマでももう少し恋愛物だとか大人っぽい方向に行くと思う。

 

未就学児がさ、この作品を見てテーマとか理解出来るとは私は思えません。じゃあそれは作り手がおかしな事をやってるのかといえばそんな事はなくて、単純にビジュアルだけで巨大なレッサーパンダに変化した!とか、コロコロ変わる表情だけで十分に楽しめると思う。ただそうやって楽しんで行く中で、自分とは肌の色や文化・家族の形が違う人も居るんだな程度になんとなく思えればさ、それで十分なんじゃないかと思う。そこはきっとプリキュアだって同じです。

 

こういうものが自然に受け入れられていく土台を作っている。しかもそれをね、個人の漫画とか小説とかじゃなく、何百人も関わる大きなプロジェクト、何十億もの予算をかけてやてるんですから、そこはやっぱり十分な評価に値するものだと思う。

 

プライベートな作品もそれはそれで価値はあるし、それ言ってしまえば今回の作品だって監督が実際に中国系の女性監督で、個人の体験を生かしてこういう作品が生まれてるわけで、それをみんなで共有してね、こういう話必要だよね、是非やろうってなってるわけだからそこもまた面白い。そこはやっぱね、ピクサーのトップであったジョン・ラセターのセクハラ想像の末の退社から、更に風通しが良くなったというのもあるのでしょう。

 

BTSみたいなアイドルに心酔する、みたいな気持ちはさっぱりわかりませんし、女性の精神と肉体の変化とかもね、わかるかといえばわかんないですよ。昔、ちょっとだけお付き合いした女性が、私は生理の時は人が変わったようになるからそこだけわかって、みたいな事を言われた事はありましたが。でもねぇ、この映画は価値のある映画だってわかるだけでも面白いし嬉しい。

 

ピクサーらしく、ただの毒親批判じゃなく、これいつもの如く、協議の末に重ねたツイストの一つだろうなとか思える辺りも面白いですし、アジア人をアジア人の顔としてバリエーションを持たせてあるのは単純に凄いですよね。日本アニメ風のディフォルメとかもあるし、単純に主人公の人種だけでなく、色々なルーツが見えると言うのが面白い。

 

「シャン・チー」とかもねぇ、最後ドラゴンとかいらなくね?カンフー映画程度で終わらせておけばよかったのでは?という批判は凄く多かった印象ですけど、いやいやそうじゃなく、あれはルーツについての話なんだから、そこに踏み込む面白さでしょ?なんて私は思ったし、そういう所まで考える面白さというのもあるんじゃなかろうかと。

 


何度も言うけど、こういう世界最高峰のエンタメがあって、ちゃんとそこに並べられるくらいの意識の高さを持ってる「プリキュア」って実は相当に凄い事をやってると思うんだけど、それは私がプリオタだからひいき目に見てるっていう事なんでしょうか?何でそこについて誰も語らないんだろう?不思議です。

 

まあそれはともかく、ピクサーのレベルの高さはやっぱり半端無いぞ!って事で。

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