僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上)READING CD

Universal Century 0105 GH
小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(上巻)朗読CD
著者:富野由悠季
朗読:佐々木 望
Blu-ray機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ [劇場限定版]」同梱特典CD
2021年(原作:1989年)
☆☆☆☆★

 

限定版BDについてた朗読CD。何とCD6枚での収録で、総計407分。
確保はだいぶ前にしていたものの、未開封のまま放置(当時の新品とかじゃなく中古の安井やつです)してたのですが、先日ちょっとまた岩手へ遠征に行った時のお供に一気に聴きました。片道3時間ちょっとくらいの距離まで行ったので。

 

しかし全部で7時間弱くらいですよ?相当なボリューム。
朗読CD・オーディオブックってジャンル自体はおそらくCDの黎明期からあるはずですが、CDショップで一つコーナーが設置されるとかはなく、そこまでメジャーにはならずに終わったのは、CD1枚に収録できる時間の関係なのかなと。

同じく普段から愛聴しているラジオCDなんかはMP3フォーマットで7時間とか普通に1枚のCDに収録されてるけど、音楽CDみたいに普通のCDプレイヤーで再生できるの規格は確か60分70分くらいが最長のはず。

 

閃光のハサウェイ上巻は約300ページ。今だとガンダムと言うタイトルだけでラノベ枠に入れられてしまうけど、当時はラノベなんて言葉がまだ生まれる前でしたし(ただしティーン向けブランドの角川スニーカー文庫の枠は設立済み)文字量的には一般向け小説と大差は無いはず。バウストンウェル系は新書枠で展開してたりもしましたしね。単行本1冊分のボリュームでCD6枚。

普通は商品として出すならCD1枚か2枚。多くても既存のケースで対応できる4枚組がせいぜいのはず。オーディオブックがメジャーになれなかったのは、そういう事情もあったのかなと勝手に想像してしまいますね。

 

因みにドラマCDと何が違うのかと言えば、セリフ以外の所も当然全部読む。キャストは1人。キャラによって声色やニュアンスなんかも変えてますが、男だろうが女だろうが全て佐々木望さん。

 

音楽、BGMも一切入らない。効果音もゼロ。文章中の擬音も普通に音読。これがドン!とかバキッ!とかわかりやすいものはまだ良いんですよ。フヒュゥーン!とかバフォー!とか、音読するとシュールこの上ない文字もあったりして、そこは流石に首をかしげるレベル。

 

でも、そこ以外はメチャメチャ良い感じです。アナウンサーとかでなく、プロのベテラン声優なので、セリフとキャラの声の使い分けがビックリするレベル。
ハサウェイの声が過去作と違って映画では小野賢章に変更になっちゃったからせめてこっちで佐々木さん版のハサウェイの声が聴けるから嬉しい、とかいうレベルじゃないのです。全部のキャラが佐々木望版。マジでこれは凄い。

 

作品の内容に関しての感想は、劇場公開の時と、TVエディションの時で2回も書いてるので、今回はそこまで掘り下げて書きませんが、数ある富野小説の中でもトップクラスの面白さなんじゃないかなと思う。

 

でも多分、たまたまそうなっただけなんですよね。同時期に書いてた「ガイア・ギア」とテーマとかは近いものですし、昔小説を読んだ時はそっちのガイアギアの方が面白かったんですけど、戦闘シーンが少ないが故に、2つの戦闘シーンがより引き立ったり(だからこそ興味が基本MSだけだった中学生の時の私には決して響きませんでしたが。ガンダム出てこねぇし)そこに至るまでのかけひきやサスペンス。

 

そしてやっぱり富野の思想ですよね。コロナで多くの人が亡くなったけど、地球全体の間引きとしてはむしろ良かったんじゃないかと思う、とか、普通の人や社会的地位のある人がそれ言ったら間違いなく炎上案件なのに、あの人昔からそういう主張でそういう作品作ってきたような人だからなと思われてスルーされたのか、一歩間違えば社員では無いけど一応仕事の深い付き合いでもあるサンライズなりバンダイナムコ全体が火消ししなきゃいけないレベル(先日の古谷さんは炎上したし)なのに、誰も気にしなかった富野という面白人間の思想。(逆に富野信者は一歩引いて判断できないからこの面白さにすら気付いて無いであろう辺りも私的には面白ポイント)

 

映画版「閃光のハサウェイ」は富野本人じゃないからこそ俯瞰して見えてくるその作品の持ってる本来のポテンシャルの引き立たせ具合こそが真髄。朗読CDという形ながら、久々に原作小説にこうして触れる事になって、そこが新たに見えてきてホントに楽しい。

 

原作小説だけでも面白い。映画だけでも面白い。比較する事で両方が面白い。

 

逆シャアの時の「世直しの事を知らないんだな」みたいな部分から派生して、シャアと同じくハサウェイもテロ行為を肯定しつつ、市民の声で、あいつら暇だからそんな事考えるんだよ。こっちは毎日の生活に終われてそれどころじゃねぇっつうの、と堂々と作品内で語らせる面白さ。やっぱこれですよね。

 

そこからのガイアギアが組織論みたいなのを軸にしてましたし、その前の段階のそこに至るまでの思考実験が「戦ハサ」の本質だと私は思う。

 

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