www.youtube.com原題:Deadpool & Wolverine
監督:ショーン・レヴィ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2024年
☆☆☆★
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
おれはあのデッドプールが遂にMCUの世界に合流する映画を観に行ったと思ったら、すでに終わった気になっていたXメンシリーズの14作目だったぜ。
な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…
綺麗に終わった「ローガン」の感動を壊したりしないと公開前のインタビューで言ってたけど、ブチ壊すとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ…もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
と言うことでマーベル映画最新作「デッドプール&ウルヴァリン」観て来ました。
「デッドプール」のシリーズとしては3作目。
「ウルヴァリン」単体でのシリーズは「ローガン」に続く4作目。
全部含めた「X-MEN」の映画シリーズとしては14作目。
マーベルシネマティックユニバースの映画のみのカウントとしては34作目。
ああ、因みに私がタイトルでその○○とか書いてるのはドラマとか映画も含めたマーベルスタジオ制作としてのカウントなんだけど、ディフェンダーズサーガもタイムラインに組み込まれてたり、過去スパイダーマンやヴェノム系のソニーユニバースも実質繋がったりしてるので正直もうよくわからんしカウントもその人の定義による感じになっちゃってるので、もうわかんねぇなこれ、という感じです。
そして、そのもうわからん感を更に加速させてきたのが今回の「デッドプール&ウルヴァリン」でした。下火になってるマーベルのブランドを立て直すマーベルジーザス(救世主)だ!とか騒がれてますが、う~ん、ゴメンなさい。正直、この複雑さが客離れの原因なのでは?という悪い流れを露骨に受け継いでる作品だと思いました。
私はこれで客が戻ってくるとは思いません。逆に、デッドプールとウルヴァリンの競演だから、最近はしばらくマーベル映画見て無かったけど久々に見てみるか!とせっかく足を運んでくれたお客さんに対して、過去の映画全部見て無いとわからないとかこういうマニアックさが嫌でマーベル見なくなったのに、またそういうのかよ。やっぱりマーベル映画とかもう卒業でいいや。久々にと思って金出したのに、無駄金払って損した、と思う人が大半なんじゃないでしょうか。
このマニアックさがデッドプールっぽいよなとファンは思う人も居るでしょうけど、少なくとも前2作とかは、原作なり沢山あるマーベル映画を知らなくても全然楽しめたものでしたし、そういう感覚で見るには結構ツライんじゃないかと。ヒーロー映画離れに更に拍車をかける、いやむしろトドメをさす作品になったと思います。
以降はネタバレありきで感想書くので、まだ見て無い人はご注意を。
予告編とかには出て無いサプライズみたいなのが割とある作品でしたので、迷ってるけど見るつもりでは居るみたいな方には、先にネタバレはしない方がいくらかは楽しめる要素はあるかと思いますので。
監督は前作からまた変わって(シリーズ毎回違います)今回はショーン・レヴィ。
ライアン・レイノルズとは「フリー・ガイ」、ヒュー・ジャックマンとは「リアル・スティール」とかで組んだ経験のある監督で、その辺りの作品との共通のテーマも凄く感じられる。
「フリー・ガイ」はゲームのモブキャラの話で、決して主人公=ヒーローにはなれないはずの存在が、自身のアイデンティティを確保しようとする話ですし、「リアル・スティール」は年をとってロートルになった元ボクサーが、ロボットボクシングで再起をかける、みたいな話でした。(だいぶザックリした説明)
今回も、世間からはじかれてしまった存在が、自分達はここに居るんだぞ!と頑張る話と考えれば、ショー・レヴィ監督の作風が上手く生かせた感じなのでしょう。テーマとかは凄く良い所を突いてくると私も思うんだけど、ただまとめ方が正直凄く下手で勿体無く感じる。
最初にデッドプールがTVA(パラドックス)にスカウトされて、君の世界は消滅するから、こっちで手伝ってくれるなら君だけでも生き残れるよ、と言われる。
ここはもうディズニーが20世紀FOXを買収したから、これまでのX-MENシリーズは終了。だってほら「ローガン」でシリーズの最終回っぽいものも出来たし十分じゃ無い?デッドプール君だけMCU世界に来てまた稼いでくれればいいから、って話ですよね。
私も今後はそうなるんだと思ってたし、今回の映画も遂にマーベルスタジオ制作で、MCUに合流するデッドプールが描かれるものだとばかり思ってました。落ち目のMCUに人気キャラのデッドプールを投入して、ここから再起をかけるんだと。
が!デッドプールが・・・というより、多分ライアン・レイノルズ本人の気持ちなのかな?ただの主演俳優だけじゃ無く企画も彼ですし、自分だけ?自分だけ過去を捨てて、自分一人で新天地でまた人気者になろうっていうの?
それは倫理観としてどうなんだろう?デッドプールに倫理観なんて無いけれど、自分はどうなんだライアン?それで良いんだろうか?とか悩んだんじゃないかと勝手に想像。
スコセッシとかマーベル批判派の監督は言う、キャプテンアメリカとかソーっていうキャラクターが人気なのであって、中の俳優なんか誰がやったって同じだし、あれをやってる俳優に価値なんか無いとか言ってましたよね。要はただのキャラクタービジネスでしょ?それに出てる俳優なんて使い捨てじゃん、っていう。
けれど、いや、だからこそなのかな?彼はMCUの新しい世界で生き残る道を選ばす、元居た自分の世界を何とか消滅から救済しようとする。
自分一人だけでは心もとない、だから親友のヒュー・ジャックマンに助けを求めた。確かに「ローガン」で綺麗に終わった。本人も上手く締めくくりが出来たのでこれ以上はもうやる必要が無いと当時は言ってた。でも、デッドプールは世界を救うヒーローにはなれないかもしれないけど、ウルヴァリンなら何とかなるんじゃ?彼こそがX-MENの中心で、まさしくアンカーだったし、真のヒーローなんだからと。
コミック映画の俳優なんて使い捨て?でも実際に出てる側にとってはそんな風に思ってないよ、と虚無空間と言う名のゴミ捨て場で、まさしく捨てられたヒーローが集合するという、ある種メタネタを使えるデッドプールだからこその今回のアッセンブル。
クリス・エヴァンス演じるキャプテ・・・と見せかけてからのヒューマントーチ。
ジェニファー・ガーナー演じるエレクトラ。
ウェズリー・スナイプス演じるブレイド。
チャニング・ティタム演じるガンビット。
ダフネ・キーン演じるX23。
これからのヒーローでは無く、終わったヒーロー達をアッセンブルさせてくる捻り具合。いや作品のテーマに沿ったと言うべきか。
まさしく20世紀FOXユニバースと言うべき・・・って、実はブレイドはFOXじゃないです。ニューラインシネマ制作でDCの親会社のワーナー系。
因みに武器だけ譲り受けたと言われてたパニッシャーはライオンズゲート。今回出て無いエリック・バナ版ハルクがユニバーサルピクチャーズで、ニコラス・ケイジ版ゴーストライダーがコロンビアピクチャーズでソニー系。
勿論、この辺もキャラクターの使用権は全部もう戻ってるんだけど(だからドラマとかでは復帰済み)じゃあ何で今回はFOXじゃないブレイドだけ混ざってるの?という気はしたけど、そういえば3作目にライアン・レイノルズ本人出てたわな。その縁で声をかけたのかもしれない。
X-MEN系が13作、ファンタスティックフォーが3作、デアデビル(エレクトラ)が2作。FOXで作ってたのは18作品。何気に凄い本数。関わった人数、そして作品を見た客も無視できないくらいは居るわけで、じゃあそこ向けに焦点を当てても良いのでは?という発想はわからなくもない半面、MCUが取り込んだ層がそこまで見てるか?という部分に関しては疑問も残る。作品前の予習作品数が多くてメンドくさいっていう声は沢山聞こえてきますし。
ただ面白いのは、世の中の9割がた(個人の感覚です)はアベンジャーズ以前のアメコミ知識なんて、スパイダーマンの映画やってたな、バットマンとかはあれはまたちょっと違うの?ぐらいしか無いと思うんですけど、何で映画の権利うんぬんがバラバラなのか?何でアベンジャーズだけ自分のとこで作れたのか?っていう部分ですよね。
アベンジャーズとかアイアンマンは人気が無いから映画化の権利が売れずに、要は売れ残りヒーローだったわけですよ。先に映画化してた奴は、映画会社がこれなら商売になるって思ったから原作のマーベルから映画化の権利を取得して先に映画になってる。
スパイダーマンやX-MENの映画がヒットした、でも映画会社は儲かってもマーベルは言うほど利益は出ない。じゃあ映画の利益が直接入るように、自社で映画を作ろうか、というのがMCU。でも稼ぎ頭のスパイダーマンとX-MEN(ウルヴァリン)はもう権利売ってしまってるし、売れ残ったヒーローでやるしかないね、というのがアベンジャーズなわけです。当時はアベンジャーズこそがむしろ捨てられた側の存在でした。
それが成功も成功、倒産しかけたコミック会社が映画界でトップに上り詰めてしまった。今度はMCUがスパイダーマンなり自社制作の前に成功していた作品群を吸収して行くというパワーバランスの変化。
元はマーベルと言う会社の持ち物なんだし、返すのは仕方ないよねと思いつつ、ヒットした物してない物様々あるけど、それでもそこに関わったスタッフや役者はその時々で頑張ってきた、それを無かった事にはしてほしくない、という情が入る。
「デッドプール2」ラストで、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」の初登場時のデッドプールを無かった事にしてました。勿論それはコメディー要素としてなのはわかるけど、今回改めて、無かった事にしてしまうのは違うよね、評判は良くなかった作品だけど、あの作品で自分(ライアン・レイノルズ)はヒュー・ジャックマンと出会って友達になれたし、あれがあったからこそ自分の手でデッドプールをきちんと映画化したいと思ってその後に繋がったんだから、ただの黒歴史として消してしまって良いものじゃないよなと。そんな感じに考えを改めたんじゃないかと思う。
エレクトラ演じる、ジェニファー・ガーナーだって「デアデビル」でベン・アフレックと出会って結婚した。残念ながら今はもう離婚してしまったけれど、授かった子供だって居るし、否定すべき過去なんかじゃ無い。
ガンビットを演じたチャニング・ティタムだって、映画化は実現出来なかったけど、それを実現させるために当人が相当動いてたのは事実だし、それがどんな形であれこうして残す事が出来たのなら、後悔する事なんて無いのでしょう。
ブレイドを演じたウェズリー・スナイプスだってね、まさしく彼こそがマーベル映画の嚆矢ですよ。X-MENスパイダーマンより前ですから。今みたいに映画界にマーベルという名前が轟く以前の企画に彼は乗ったわけです。
そしてX-23ことローラ・キニー(演じたのはダフネ・キーン)ぶっちゃけ私はこの作品をどこか懐疑的に見てしまいましたが、彼女の「あなたが居たから私たちは大人になれた」の一言で涙腺崩壊。
最初の墓掘り起こしシーンはせっかくの感動を台無しにしやがってと内心思いつつ、ちゃんとあの映画の後にローラが大人になる世界が広がって居たんだと知ることが出来ただけでもね、この映画を許そうと思った。(「ローガン」の映画の先に希望が本当にあるのかは、ややぼかした感じでしたし)
MCUってね、無理に映画としてのリアリティに振り切るより、荒唐無稽なコミックの世界を映画のスクリーンで再現してしまえばいい。自分達が面白いと信じてきたコミックの面白さをスクリーンの上でもどんどんやってみようと。それが宇宙から魔法まで何でもありの世界で、全部が繋がっている一つのユニバースだし、そこでのクロスオーバーだったりが、今までこんな映画は無かったぞと新しい驚きと興奮が熱狂を巻き起こした。
でもそれを続けていくと、コミックと同じ問題も見えてきた。マンネリと設定の複雑化、粗製乱造に、キャラクターの死さえただのイベントで軽くなってしまうという安易さ。長年のコミックファンは、まあそういうものだしと正直慣れきってしまってる部分もあるけれど、そうじゃない人は、最初に味わった興奮はもう味わえないし、いいかげんもういいやと離脱していくわけですよね。
それはコミックと同じなんだけれど、映画の場合ちょっと違う問題も新たに見えてきた。作り手側と受け手側の他に、演者の方の気持ちや主張も入ってくる。会社側の判断、受け手側の反応、ちょっと待って!俺ら役者側の気持ちもあるよ!っていうのが見えてきたのが今回の「デッドプール&ウルヴァリン」の特異な部分じゃないかなぁと私は思う。
ある意味、メタ要素を元から扱ってるデッドプールらしさと言えるかもしれないけど、多分そんなキャラクターの範疇で語るべきものではないとも思う。
この辺の面白さが、果たして世間に伝わるだろうか?
マニアは「過去作見てるからサイコー!」そうじゃない人は「全部見て無いとついていけないとかもういいや!」みたいな表層的な評価に終始しちゃって終わりそうなのが残念。
とか言ってる間に・・・ルッソ兄弟を引き戻したり、ロバート・ダウニーJr.もドクター・ドゥーム役で復帰させたり、いやこれはホントに必死になって何とか立てなおそうとしてる感じ。
次は映画だと来年2月の「キャプテンアメリカ:ブレイブ・ニュ・ワールド」で直近の5月に「サンダーボルツ」で、新ヒーローではなく馴染みのある面子でどこまで昔の雰囲気を出せるかが勝負でしょうか。
ドラマも含めてだと今年9月の「アガサ:オールアロング」でワンダの復帰が描かれるかどうか。
MCUではないものの、もう半分地続き担ってる「ヴェノム:ラストダンス」が年内に公開。
ライバルのDCでは「ジョーカー:フォリアドゥ」もある。
そして日本公開は同時か微妙ながら年末には「ヘルボーイ」の再リブートなんかもあったりするんですね。こうして見るとアメコミ映画はやっぱり多いし、色々と楽しみは続きます。
あ!ヘンリー・カヴィル版ウルヴァリン良かったです。マーベルでは良い役あげてほしい。
ついでに欲を言えば一言だけのカメオで良いから「私に声かけないでマッドマックスネタ使ってんじゃねーよ」とアニャたん演じるマジックにも出てきて欲しかったです。

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