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機動戦士ガンダムF90

機動戦士ガンダムF90 (B-CLUB COMICS)

MOBILE SUIT GUNDAM F90
作画:中原れい
原作:山口宏
監修:サンライズ
刊:バンダイ B-CLUB COMICS 全1巻
1991年
☆★

 

映画「機動戦士ガンダムF91」のバックアップストーリーとして展開された「F90」の漫画版。サイバーコミックス23号から30号で掲載された全8話構成。

 

今みたいにガンダムエースでじっくり時間をかけて丁寧に外伝をやる、という時代では無いので、正直内容的にはしょぼいのだけど、当時はこういうものをありがたがるしかなかった。

 

サイバーコミックス自体もね、ガンダム専門誌では無いにせよ、バンダイ管轄の版権物とかがそれなりに掲載されてたので、状況的にはダムエーにも近い部分はありつつ、基本的に当時は単行本1冊分ぐらいが目途としてあったし(大半はそれにすら届かなかったけど)ガンダムエースも初期の頃の作品のインタビューとかを見てると、外伝物は単行本1~2冊分、みたいな形で編集部の方と話になってた感じでしたし、「F90FF」みたいに単行本10巻越えなんてのは逆に珍しい。

 

作中の時系列的には
U.C.0112 が「F90FF」1部
  0115 が「F90FF」2部
  0120 が今回の「F90」
  0122 SFC版「フォーミュラ戦記」
  0123 映画「F91」漫画「シルエットフォーミュラ」

という形。
商品としてノーマルの「F90」1号機は当然として、青いカラーリングのF90「2号機」とその2号機がオールズモビルに奪われて改造された赤い「火星独立ジオン軍仕様」がこの作品の初出MSという形になる。

 


基本的にこの辺の外伝系は、マニアには常識だったけど、そこから更にPSの「SDガンダム GジェネレーションF」でSDながら劇中再現のショートムービーがあったのとステージでストーリー再現がされたので、そこで「閃光のハサウェイ」「クロスボーンガンダム」らと一緒に一気にメジャー化した印象。その後の他のゲームへの出演時でも声優とかBGMがGジェネFをベースに登場するようになりましたしね。

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お話としては試験中のF90がオールズモビルに襲撃され2号機を奪われる。それを回収するためにオールズモビルの本拠地である火星に乗りこむ、というだけの話で、展開のツイスト的に連邦内部に敵の内通者が居て、それは主人公デフの直接の上官であるボッシュだった、ぐらい。

 

で、それが近年の「F90FF」において設定の掘り下げが行われ、F90ラスボスのそのボッシュが実は凄く深い経歴で、ファーストからZ&ZZ、逆シャアからF90までの宇宙世紀ガンダムの歴史の本筋に近い所に存在していた重要キャラになって、その意外性が設定マニアにバカ受けして一気に跳ねた。

 

これが世に出た当時は「ガンダム」という特別な機体を手に入れれば世界を動かす事が出来ると信じている、ちょっと頭がアレなガンダムおじさんでしかなかった。

 

「これがガンダム!悪魔の力よ!!」
というセリフは、あくまで主人公の方のデフが「ガンダム」っていう特別なMSに乗っている事と、それに搭載されているのがアムロ・レイのデータを元に作られたサポートAIだったた為、特別なのは機体やAIであって、パイロットとしてのデフは凡庸な存在でしかない、みたいな言いがかりに対してのカウンターとしてそういうストーリーになってただけかと思われます。

 

で、最後にデフがヒロインのナヴィから、あなたアムロ・レイに似てるわねって言われてしまうのって当時の私は悪趣味なギャグにしか見えないと思ってました。だって、自分は過去の何かじゃなく、自分って言うアイデンティティをちゃんと持ってるんだ!俺は俺だ!っていう主張をしていながら、アムロに似てるとか言われるんですよ?多分作品の意図としては、アムロの再来と呼べるくらい凄い主人公なんだよ的な事を表現したかったんだろうなとは思うんですけど、ならこのシナリオはどうなのよ?って当時からずっと思ってました。やるなら「ニュータイプなんてもう古い考えなのかもしれないわね」みたいな事を言わせるべきですよね?

 

その辺ね、F90FFで掘り下げ入るのかなと思ってたら、そっちじゃなくライバルボッシュの方にメスを入れてきたという。(「F90クラスター」ではデフも多分色々とフォロー入る気はするけど)

 

で、ボッシュの方ですが、「F90」内では、ページによってジム3に乗ってたとジェガンに乗ってたとか、いやその場で適当な事書いてるよねこれと思ってたら、いやそれはジム3からジェガンに乗り換えただけですよ、どこか矛盾してます?という設定に。しかもカラバからずっとアムロの部下だったという設定が追加される。確かにアムロ信者なのはF90でもありました。

 

ん?でもそんなアムロ信者のボッシュが、オールズモビルに寝返ったり、ギラドーガをベタ褒め、ジオンの技術は素晴らしいとか言って無かったっけ?なんかテキトーな展開やってんじゃねぇよ、と思いきや、いやいやいや何言ってるんですか、1年戦争時はジオン兵だったんですよ、それがZの時にカラバに合流してアムロと出会う、そこでアムロに惚れてそのままロンドベルについてきたと。

 

そんなアムロの命を奪ったのがνガンダムの光で、その後の調査であれはサイコフレームという謎技術が起こした特異な現象だったとユニコーンの時に発覚する。尊敬するアムロさんの命を虹の彼方に消し去った悪魔の力、それが「ガンダム」なんだと。

 

30年前にちょろっとだけ描かれてた描写をひっぱり出してきて、その印象とか意味性までガラッとひっくり返してしまうとか、いやこれアメコミかよ!って思いました(アメコミはたまにこういう事をやるので)
スピンオフを違う作家が描くとか、クロスオーバーやユニバース設定とかアメコミの面白さを近年は漫画も真似するようになってきたけど、今回みたいな30年前の設定を今持ちだすとか、そういうのもまたアメコミ的だなと。長期コンテンツ・長期IPの生かし方としてそういう共通項が出てくるのも面白いとこです。

 


MSはカッコいいし好きだけど戦争は嫌だ。テストパイロットだから人は殺したくない、だとか後の「神の雷計画」にも通じそうなオリンポスキャノンとかの超超超遠距離砲とかどこまで戦略的に意味あるんだ?っていう感じだったり(実際神の雷計画は1度ズレても意味の無いものでしたし)気になるポイントはいくつかあれど、ボンボン系とかの外伝よりはマシながら、それでもやっぱり当時なりの薄っぺらい漫画だなぁと思いつつ、それを後付けだろうが何だろうが無かった事にせずに生かして新しい角度からスポットライトを当てるというのは素直に面白いです。

 

作品単体での評価はしようもないですが、周辺まで含めたF系ガンダムという枠組みはまだまだこれからの可能性も秘めてて、個人的には応援したい所です。

あ。ついでに言うと漫画の本編中ではボッシュの死亡とか確認されてないので・・・

機動戦士ガンダムF90 (電撃コミックス)

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