原作:三条陸
漫画:柴田優作
刊:集英社 ジャンプ・コミックス 既刊11巻 2020~2024連載中
☆☆☆☆
そして、勇者は先生に――……
第1部堂々完結
地底魔城突入からの最終決戦。
8巻はマトリフvsガンガディア
9巻はロカvsキギロにレイラvsグランナード
10巻はアバンvsバルトスにvsハドラー
11巻は1冊使ってエピローグ
単行本1冊で4話分(4か月分)なので、敵一人につき前後編ぐらいの感覚で描いてるのかな?ダイ大本編連載時の昔と違って、今はコンテンツ飽和状態の中で、いかに興味を継続させるとかとかも視野に入れながらやってるんだろうな、という感じはします。
元はリメイクアニメに合わせたメディアミックスで、アニメト同じ2年間くらいの構想だったそうですが、人気が出た事で構想も膨らみ、ボリュームが増えたのと、好評につきまさかの当初の構想には無かった第2部も今後スタートするそうです。
三条先生も巻末コメントで書いてますけど、結末があらかじめ決まっているものをいかに面白く読んでもらうか?というのに挑んで描いたそうで、やっぱりそこは難しい部分だろうなとは思う。
ぶっちゃけ言えば、ダイ大本編と同じくらいの面白さがあったかと言えば、エピローグ編なんかでもそうだけど、本編のあのキャラがこっちにも登場!みたいな部分の魅力が強い作品だったとは思う。
じゃあ本編の補完だけがこの作品の魅力なのかと言えば、必ずしもそう断言してしまうには少し勿体無く、こっちの作品にしかない面白さも確かにあるにはあった。
何巻目かの感想で、敵幹部のガンガディアが結構面白そうで今後の鍵を握りそう的な事を書いた気がします。ボストロール種族でありながら、脳みそ足りなさそうなデブのパワーキャラ的なイメージを嫌い、スマートかつ頭脳にこそ自分のアイデンティティを求めた、という面白いキャラでした。
最終決戦ではマトリフとの勝負に挑む。勇者パーティの頭脳とも言えるマトリフに対して、ひけをとらない所を見せたい所だが・・・ここはあえてのパワー押しという所に一捻りあって面白味を感じました。
やっぱりねぇ、頭脳で言えばマトリフ越えは難しい気がするんですよね。いや流石にどっちにしろ負け確定なのは百も承知だけど、多少なりとも意外性のある戦略というのが面白味を生むと言うか。
因みに私、ドラクエのゲームは1~5までしか知らないんだけど、今はドラゴラムも3段階の呪文になってたりします?多分今回のこれはダイ大オリジナルの設定ですよね?ドラ→ドゴラム→ドラゴラムになってるのって。
ラナルータに対して天候操作のラナ系初歩としてラナリオンがある、みたいなオリジナル味がなかなか面白い。
そして申し訳ないけどロカは飛ばしてレイラ。
対するはフレイザード本人では無いけど、フレイザードを彷彿とさせる新キャラのグランナード。
格闘アクションの見せ方としては、唯一ダイ大本編より勝る部分な気がします。
いや別にマァムがダメだったわけじゃないけど、アクションの迫力みたいな所ではレイラさんカッコよさが溢れてる気がしました。まあ、お色気要素みたいなのは私は要らない派ですけど。
そして地獄の騎士バルトスの強さとヒュンケル関係のエピソード。ここはやっぱりグッと来ます。
魔王ハドラー戦は、本編で1対1での戦いだった事はもう描かれてるので、そこを守りつつ、仲間との絆みたいなのを頑張って重ねましたという工夫の跡が伺えます。個人的にはどうしても本編のあの場面をこうして展開の中に組み込んだのかっていう所にばかり注目してしまいましたが、「勇者アバンと獄炎の魔王」としての集大成をちゃんと描き切るぞ、という意図は感じられました
そしてエピローグへ。本編への橋渡しがこれれもかと描かれつつ、個人的にはポップのお父さんのエピソードが新鮮で面白かったです。ロン・ベルクさんと仲良くしてるくらいだから、ジャンクさんも結構凄い人ではあったんだろうけど、こんな事があったのねと素直に今回は驚かされました。
そしてそんなロンベルクさん似の人。
第2部のメインの一人のようです。
多種多様な武器を手にする今後の強敵たちのシルエット。
おお~確かに、アバンストラッシュの完成から無刀陣の完成までは描かれましたが、武芸百般、アバンの書に刻まれた槍殺法とかにはここまでで触れてませんね。
今後、槍の使い手、斧の使い手とかそういうのと戦って剣以外の武器も極めていくのかと。
第1部が勇者編で第2部として先生編。アバン先生とヒュンケルの旅が今後描かれて行くそうです。
マァムは生まれたばかり、ポップは誕生前って考えると、こっから10数年分も余白があるのか。なんかもう一人くらい裏の魔王みたいなの討伐できそう。どうせなら劇場版で出てた影の魔王軍とか引っ張ってきてくれても良いのよ。
この先どこまで続くのかは未知数ですが、せっかくなので楽しんでいこうと思います。
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