僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ストリートファイターII-RYU

ストリートファイターII RYU [マーケットプレイス コミックセット]

STREET FIGHTER II
著:神崎将臣
オリジナルビデオゲーム:CAPCOM
刊:徳間書店 トクマインターメディアコミックス
1993-95(連載1992-94) 全3巻
☆☆☆

 

元のゲーム、ドラマCD、アニメ映画、実写映画と来て、今度はコミカライズ版。前に押し入れ漁ってるときに、ゲーム関係のコミックをまとめたやつを発見してたので、これは割と容易に発掘出来ました。

 

徳間書店ファミリーコンピューターマガジン、通称ファミマガで連載されてた奴です。数あるコミカライズでも、多分一番最初のがこれになるはず。

 

カプコンの公式ストーリーというわけでもないのですが、制作協力はしていて、リュウ・ケンの師匠の剛拳はこのコミックの為にカプコンがキャラデザを起こしている。

 

1・2巻で当初は一度完結したものの、好評を博しスト2ダッシュをイメージした同キャラ戦を主軸とした「蜃気楼編」としてもう1冊分追加されて全3巻構成。

 

まず最初にネガティブな事をいくつか。
春麗のおっぱいポロリがあります。私も昔はこういうの楽しんでた口なので偉そうな事は言えませんが、こっちの漫画でも脱がせて、アニメ映画でもチュンリーぬがせてるんですよ?
そういう倫理観の時代でしたって話ではあるんですけど、漫画でもアニメでも女の子キャラをひんむいて、ファンサービスですよ的な感覚でいるの、嫌じゃ無い?

 

決してそういうのが売りっていうキャラじゃないんですよ。屈強な男に細身で対抗するの見た目的にリアルじゃないからと、太ももを物すごく太くデザインして、脚の筋肉は腕の3倍とか言われるし、この太い脚から繰り出されるキックなら説得力あるでしょ?っていうのがチュンリーの特徴的なデザインでもあったはず。

 

そりゃあヒロインキャラなのは確かだけど、必要以上に可愛く描いて、その上裸にひんむくって、少なくとも今の私の感覚で言ってしまうと、なんかあまりにも意識が低すぎるように感じます。

 

当時からコスプレイヤーさんとか沢山居ました。屈強な男をなぎ倒して行く春麗にカッコよさを感じた女性プレイヤーだって、少なからず居たはず。でもさぁ、漫画でも映画でも裸にされて、結局女はこういう扱いかってガッカリした人って居ません?
この辺はねぇ、アメコミとかプリキュアフェミニズム文化とか気にして見てる私には、そうか~こんなんだったか、とちょっと思ってしまった。

 

あとはガイルのドラゴンスープレックスが、全然ドラゴンじゃ無い。投げる側の手のクラッチの違いで○○スープレックスって色々あるんですよ。多分作者がプロレスには疎かったんでしょう。

 

波動拳の時に肘を曲げたままだったり、昇竜拳コークスクリューブローなだけで、膝とか使って無かったり、まあ当時はまだ初期のころでしょうから、そんなに設定とかみんな知ってたわけでもないし、仕方ないんだとは思う。

 

以上ネガティブな部分終わり。
基本的にはアクションに迫力もあるし、対戦格闘ゲームですから、ガンガンバトルして行く流れで、そこは素直に面白いです。

 

ケンはここでも洗脳されてて、いやもう最初からお約束が形成されてるぞと。別に元のゲームではそういう要素無かったんですけどね。ただ、リュウとケンはライバルながら、同門で憎み合ってるとかではないので、流れとしてライバルバトルを描く上で片方洗脳させておくのは便利なのでしょう。その上で友情とかも描けますしね。

 

そしてスト2と言えば、対戦格闘のジャンル的な原点。それ以前に源流はあるにせよ、ジャンルの形成という点ではやっぱりスト2とそれ以前では違うものですしね。という事はですよ?この手の奴のコミカライズもまたここからだったわけです。対戦格闘ブームがあって、スト2も山ほどシリーズ派生しましたし、SNK系やバーチャ、鉄拳とかも例にもれずコミカライズ化されていきます。

 

当時から個人的に色々と思う部分はあったのですが、いわゆる波動拳でも昇竜拳でも必殺技っていうのがあるわけじゃないですか。スト1とかだとまさしく必殺技で、出すのは物凄く難しいけど、当てられれば体力の半分くらいを一気に奪う文字通りの必殺技でした。

 

ただ、あまりにも出ないので、1とは開発者の違う「スト2」では簡単に出るようにして、その分、威力を下げるという調整をしたんですよね。それがヒットやブームに繋がった要因の一つでもあると思うんですけど、便宜上必殺技とは言っても、後のスーパーコンボとか他社の超必殺技と違って、必殺技と言う名のコマンド技に過ぎなかったりする。

 

ゲームではそういうもので済みますが、じゃあそれを漫画なりアニメなり映画なりで表現する時、どう描くか?って所に注目。
これがこの漫画は凄く上手くて、初披露の時は波動拳にしても昇竜拳にしてもまさしく必殺のスーパーブロウ的に描くのですが、後の方のバトルだと、普通に連発してたりします。

 

この辺、プレイヤーも同じじゃないですか。最初は波動拳すら苦労して、昇竜拳なんて自在に出せるだけで上手いプレイヤーって感じですが、慣れてくるとそんなの出せて当たり前で、必殺技というより、通常技の上位概念のコマンド技という認識になる。この辺のさりげない描き方の変化が上手いし面白いです。

 

TVアニメ版のスト2Vなんて、波動拳一つ打つのに何週も気を練るとかしてたんですよ?何だそれって私思いながら見てましたもの。

 

3巻の蜃気楼編も、同キャラ戦をモチーフにしてあって、ありがちな片方がクローンとかではなく、どちらが本物とか偽物とかじゃない、勝った方が本物で、これは誰かの仕組んだゲームなのかもしれない、みたいなメタっぽい感じで終わらせてたりする。

 

そういう意味では、色々と工夫に満ちた作品だったんだなと今なら思います。
同時に今ならその倫理観にも疑問を呈しますけどね。

 

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