僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ヴェノム:ザ・ラストダンス

www.youtube.com原題:Venom:The Last Dance
監督・脚本:ケリー・マーセル
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画
2024年
☆☆☆★

 

「ヴェノム」シリーズ3作目にして完結編
SSU(ソニースパイダーマンユニバース)としては6本目ですが、今の所特にリンクしてるわけでもないのでそこは無視してOK。一応「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のポスクレにも出てて、その辺りも今回触れてはいるものの、ストーリー的に繋がるとかじゃ無く、あくまでおまけ程度。

 

毎回書いてますが、私は映画も原作もヴェノムには正直思い入れが無いし、SSUの流れに関しても、1ミリも期待して無い。でもその期待度の低さが功を奏したか、思ってた以上に今回は面白かったです。

 

今回、話なんてあって無いようなもん。メキシコからニューヨークを目指すロードムービー仕立てにしてあって、その中でのトラブルやバトルを何回か繰り返すぐらいの、物凄くシンプルな作り。

 

前2作でも、一番受けた部分ってストーリーとか設定じゃ無く、エディとシンビオートの夫婦漫才というか、「寄生獣」の新一とミギー、「ド根性ガエル」のヒロシとピョン吉みたいな部分ですよね。
今回、元カノとかも登場せず、前回のボニー&クライドみたいなヴィランとしてのカーネイジを立てる的な展開も無く、人格のないモンスターが敵。

ヴェノムという作品の一番の魅力はここ!と絞って、本当にそれのみで勝負してきたのはシンプルで面白いです。

 

ああ、一応ここからネタバレ。

 

公開前からの話題や予告でも明らかになってますが、今回はシンビオートの元締めというか、地球創世以前から存在する強大な存在の邪神ヌルが登場。
原作知ってる人からすれば、ヴェノム一人でどうこう出来る存在なはずもなく、いや実際ヴェノムがどうこうはしちゃうんですけど、原作のストーリーラインだと、アベンジャーズとかヒーロ総出動しつつ、原作にはエディの息子とかが居るので、そこを守るためにエディが父親として成長する、みたいな話ですし、ただ強い敵が出てきたのを頑張って倒しましたではないので、映画の展開や構造上、ヌルを倒すまではやんないでしょってわかりきってましたし、特に実際戦う事も無く終了。

 

この辺は完結編を謳ってるのに、この投げっぱなし感は何?と思う人は評価がキツくなるかも?MCUの「インフィニティサーガ」におけるサノスみたいな立ち位置で出したんでしょ?と思う人も居るでしょうし、実際そうなんだろうけど、ここで予言しておきましょう。SSUでこの先これが回収される事は無いです。つーか今の現状見てたら出来るわけないじゃん。

 

もしこの作品や、続くSSU関係がかつてのアベンジャーズを超えるくらいの歴史的な大ヒットを連発とかしたら、そりゃあ作る可能性はあるけど、ジャンル衰退と言われる今の流れではとてもじゃないけど不可能。

 

そういう意味では、まだ話題性がある内に逃げ切ったトム・ハーディは賢いと思います。なんか潔く、ここで終わりって切り方をしたし、仮に無理矢理続けるとしても、今度は単品では無くアッセンブル集合作品とか作った時にしれっと復活させれば良いでしょう。一応トム・ハーディ主演の「ヴェノム」シリーズとしては3部作完結。もしスタジオ側、ソニー側がまだヴェノムやりたいなら、他のキャラがヴェノムになりましたで良いですし(それこそエージェントヴェノムとかも居るし)

 

この辺りは「デッドプール」と同じく、スタジ主導ではなく、主演のトム・ハーディがプロデュースも含めた作り方をしたヴェノムの利点で、キリ良く三部作にして自分は逃げ切るというのは流石です。昨今の状況を見てたら、ここが引き時とアメコミヒーロー映画ブームの終焉を見て判断したのでしょう。

 

伏線としてというか、仕込みの部分で序盤のエリア51の解体で、酸で溶かすとか、いやいや現場解体でこんなものあるわけないじゃん!と思ってたら、案の定ラストのご都合装置で笑ってしまいましたが、こういう安易さ雑さが許されるのがSSUだと思います。

 

スタッフが違えば作風も違ってくるのでは?とは思いますが、「モービウス」「マダムウェブ」と来ての今回の「ヴェノム3」いやこれは次の「クレイブン・ザ・ハンター」もどう考えてもこんな低空飛行なレベルの作品になってるでしょう。
クレイブンは先に完成してたのをずらした経緯があるとは言え、2024年にSSUが3本ですよ?MCUが1本だった穴を埋めるには良い機会だったとも言えますが、クレイブン出しきったらあとはもう作ってるの無いですからね。この計画性の無さもいかにもSSU。邪神ヌルなんて、サノスみたいな計画は一切無しで作ってるのがわかります。

 

今回、モンスターみたいなやつが「エターナルズ」のディヴィアンツと似てましたけど、実際ヌルもセレスティアルズとか同クラスかそれ以上の存在。スパイダーマンすら使えないスパイダーマンユニバースでそれ出すか?という無茶ぶり感が逆に面白い。

 

水中でのヴェノムの動きとか、ラストのいろんな色のヴェノム集合とか(勿論原作知ってる人にはあのキャラか!ってやつ)見せ場もありつつ、個人的にはチェンさんをヒロインにしたのも面白かったです。エディとシンビオートのブロマンスだから半端なヒロインでは霞んでしまうんですよね。

 

これを名作だとは言いませんが、素直に面白かったです。
クレイブンもこれくらいの面白さだと嬉しい。

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