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ヴェノム:リーサル・プロテクター

ヴェノム:リーサル・プロテクター

VENOM: LETHAL PROTECTOR
著:デイビッド・ミラケイニー(作)
  マーク・バグリー、ロン・リム(画)
訳:高木亮
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2018年
収録:VENOM: LETHAL PROTECTOR #1-6(1993)
☆☆☆

映画『ヴェノム』の
原案の一つとなった
“残酷な守護者(リーサル・プロテクター)”誕生譚

スパイダーマンと休戦協定を結び、心機一転して西海岸へと向かったエディ・ブロックを待ち受けていたのは、ジュリーをはじめとする数多くの敵だった。一方、スパイダーマンはエディの父親と対面する。そして、ヴェノムは邪悪な共生体の幼子たちを生み出してしまった…。映画『ヴェノム』の原案作の一つとしても名高い、ファン待望のアンチヒーロー・ストーリーがついに刊行!

 

最近出た奴じゃ無く、映画1本目の時に合わせて出ていた、ヴェノム主人公の単独シリーズの第1作目。
「ベスト・オブ・ヴェノム」に収録されてたアメイジングスパイダーマン #375「ヴェノムの花嫁」の直後のストーリーライン(あっちの本と日本語訳表記は違うけど作者も同じ)

 

ヴェノムのシリーズで、タイトルにも入ってませんが、普通にスパイダーマンも出てきて、いきなりのチームアップ。

 

スパイダーマンとは干渉しない事を選んだヴェノムはニューヨークを離れ、故郷の西海岸サンフランシスコへ。ヒーローの道を歩もうとするも、そう簡単には行かず、騒ぎを起こしてしまう。ヴェノムがニュースに出ていた事を知ったスパイダーマンは、先に干渉しない道を選んだものの、自身の責任を感じ、自らサンフランシスコへ飛ぶ。

 

いや!ピーターの心配もわかる。新規に立ち上げたヴェノムのシリーズでもスパイダーマンが出てた方が売り上げや話題にもなるのもわかる。

でも別れてすぐって早くね?仲良しかよ!

 

エディの髪形もウルフカットで襟足伸ばしてるとか(ゴメン、私も若い頃ちょっとこの髪型した事ある)90年代感バリバリです。ヴェノムはいわゆるグリム&グリッティと後に言われるハードコアなバイオレンス、ダークヒーローカッコいいぜ!って持て囃された時代の代表みたいなキャラなので、時代感がやっぱり大きい。

 

とは言え、今回の話はあくまでスパイダーマンの延長くらいなので、ストーリー的にはそこまでダークでハードな路線というほどでも無い。

 

物語的にピンチを演出するのもあってか、意外と音波銃とかでやられるシーンが多く、俺つえーの無双とかそんな感じでは無い。ウルヴァリンと同じく、再生能力が強いので逆にやられるシーンとかは描きやすいとかもあるのかな。

 

帯には映画1作目のベースストーリーって書いてありますが、あくまでイメージソース程度で言うほど原作はしてないし、むしろ先日3作目の「ラストダンス」を見た後なので、そっちの要素の方にニヤリとします。映画の終盤のカラフルなヴェノム戦隊はこれが元ネタ。ただ解説書を読む限り、まだこの時点では見た目や能力にバリエーションを持たせただけで、固有の名前はつけられなかった様子。

緑がラッシャー
黒がライオット
黄がファージ
女ピンクがアゴニー
女黄がスクリーム
と後に設定されたらしい。

 

事件を解決した後、地元の人達にも受け入れられ、ここでヒーローをしていく決意を固めたヴェノム。
この後は、いわゆるオンゴーイングで個人誌がスタートではなく、今後も3~6号程度のミニシリーズを積み重ねていくという刊行形式だったようで、確かにそういう物の方が追いやすいでしょうし、そこもまたヒットに繋がった要因の一つなのかなとも思わなくもない。

 

私的には最初の、トッド・マクファーレンの印象が悪かったのと、サム・ライミ版の映画の3作目で、監督としては思い入れが無く嫌だったけどスタジオの意向でヴェノムを出さざるを得なかったみたいなのもあって、好きにはなれませんでしたが、アメコミ初期のゴールデンエイジ、シルバーエイジ以降で定着化出来たキャラって案外多くは無い中で、ここでの一時的なブーム以降も今でも映画化されるくらいには人気があるキャラにまで成長できたヴェノムはそれはそれでリスペクトすべきキャラなんだろうなとは思う。

 

そんなヴェノムの始まりを知りたいなら「ベストオブ」とこちらの「リーサルプロテクター」合わせて楽しみましょう。そういや映画3作目でもやたらリーサルプロテクター言ってましたしね。

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