僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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スーパーストリートファイターII キャミィ外伝

スーパーストリートファイター2 キャミィ外伝 (少年サンデーコミックススペシャル)

CAMMY外伝
SUPER STREET FIGHTER II CANNY GAIDEN
著:中平正彦
刊:小学館 少年サンデーコミックス スペシャ
全1巻 1994年
☆☆☆★

キャミィ主役のスト2コミカライズ。
タイトルは「スーパーストリートファイター」ですが、キャミィが登場したのがそもそも4作目からの「スパ2」ですし、最終回でスパコンのスピンドライブスマッシャーを使うシーンがあるので、多分連載中に5作目の「スパ2X」に切り替わった時期かと思われる。

 

作者は後にゲーメストで「ZERO」「さくらがんばる」「RYU-FINAL」の3部作を手掛ける事になる中平正彦
その前のこっちは少年サンデーの増刊号の方での連載だった様子。多分コミックゲーメスト創刊とかよりは前の話なので、キャミィ外伝はクオリティ高かったよねと、次のZEROのコミカライズの時に引っ張ってきたのでしょう。

 

そこからの格ゲーブームにますます加速がかかり、スト2カプコン系に関わらず、SNKのネオジオ系に更には3D格闘も始まりバーチャや鉄拳とかもどんどんコミカライズ化されていく事になる。その辺りからもいかに対戦格闘がブームだったのかがわかる。

 

あれ?そう言えば私は「スト3」以降はゲームから離れちゃって一気に知識が無くなるんですけど、4~6ってコミカライズ版無いのかな?前に「KOF」の割と近年の方のコミカライズは読んだけど、ストリートファイターの方は今は無いのでしょうか?本屋とかブックオフとかにはずっと通ってたけど見かけた事無いな。

 

そんな近年の話はいざ知らず、スーパー時代のキャミィ外伝。ウルフマン大佐率いるデルタレッド小隊への入隊テストから始まるものの、その辺りのサブキャラがカプコン公式のものとはまたちょっと別のデザイン。まあ最初ですしきちんと設定とかが固まって無かったのでしょう。

 

権利表記にカプコンは勿論入ってますが、いわゆる公式ストーリーみたいなものでは無いという感じでしょうか。なんでキャミィが主人公かと言えば、そりゃあ春麗に続く2人目の女キャラでしたし、キャッチーなデザインでこれは人気が出るだろうなというのは、発表された時点でわかりましたしね(同期がフェイロン、Tホーク、ディージェイでは)

 

ただ可愛いだけでなく、春麗のふとももがやたら太いのに理由があったように、元のデザインもこのコミカライズも可愛い外見でありつつもも筋肉質に描かれている。「ZERO2」でのさくらを普通の女子高生にしちゃった時は、こんな普通の体格でザンギエフとか殴ってダメージ通るのは違和感があるとか、カプコンにも多少批判の声があったとか確かスタッフの誰かが当時言ってた気がします。

 

そこ考えるとね、このキャミィ外伝の1話のバトルシーン、同僚のマッチョな軍人とのバトルになるのですが(それなりに強い)顔面に1発入れてスキを作った瞬間に足元を狙って相手のバランスを崩す、そしてそこにキャノンスパイクで付きあげてKOという手順を踏んでる。

 

これ、ゲーム上のコンボを再現したとかでは無く、普通に格闘をする上でのセオリーというか戦法、相手をKOできるロジックをきちんと組み立てて描写してるのが上手いし、私的にはこれ一つでこの作者は信用できるなって思わせてくれる描写で、そこが最高。

 

最近はもう離れてしまいましたが、当時はプロレスや格闘技にどっぷりハマっていてね、漫画のバトル描写一つとっても、パンチやキックをする時、どこに重心をかけているかとか、そういうのが凄く気になったものでした。格闘漫画とかだとちゃんとそういう部分も意識して描かれてましたし、逆に「ドラゴンボール」とかは、このキックのどこに体重がかかってるのかとか全然わからず、そういうとこが昔から嫌いでした。鳥山先生は漫画にリアルは必要無いっていうタイプなのでそういうもんなんでしょうけど。

 


お話的には漫画オリジナルで、他のゲームキャラとどんどん戦っていくという奴では無く、軍人としてミッションをこなしていく中で、ちょこちょこ既存キャラも登場的な路線。ガッツリ出るのは国が違えど同じ軍人という事でガイルに、敵側にベガとバルログ。ほんのチョイ役程度でフェイロンダルシム、作中のミュージシャンとしてディージェイの名前が出る程度。

 

前述の通りアクション描写が上手いのと、話もなかなか面白いので、サクッと読める良作。

 

色々と調べてみると、後の3部作の方が復刻完全版として刊行された時に、そこで「キャミィ外伝」も分割でおまけ収録されてるっぽいです。まあ4部作とかにしてしまうのはちょっとまた別な感じですし、そこは仕方ないのか。

 

おまけと言えば、同じ小学館から同時期に出てたアニメ映画のフィルムコミック版の方にも「キャミィ外伝」のスペシャルエピソードが1本収録されてます。これが単行本の方には入って無い。映画にもキャミィ出てましたが、その映画に合わせたサイドストーリーとかではなく、あくまでキャミィ外伝としての1本分の話。ちゃんと起承転結があって、アクションの見せ場や、オチまで用意されてて、普通に面白いエピソードなので合わせて読みたい所です。

映画ストリートファイター2 (少年サンデーコミックス ビジュアルセレクション)

 

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