DEADPOOL VS. GAMBIT
DEADPOOL V GAMBIT:THE "V"IS FOR "VS"
著:ベン・アッカー、ベン・ブラッカー(作)
ダニーロ・ベイルース(画)
訳:高木亮
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2017年
収録:DEADPOOL V GAMBIT #1-5(2016)
☆☆☆
ダマされないよう、
要注意――
デッドプール、今度の相棒は
X-MENイチのイケメン。
最悪の共犯者ふたりは
最高のタッグになれるのか?
マーベル最高の詐欺師たちが、
史上最大の犯罪を企む!
X‐MENにおいて、もっともハンサムで口が達者なメンバー、ガンビット。そしてあらゆる世界において、もっともはた迷惑なクソ野郎、デッドプール。実はこの二人、こっそりとコンビを組んで詐欺をはたらいた“共犯者”なのだ。再生可能で更生不可能な男と、荒ぶるケイジャンがしぶしぶ手を結び、乗り出したのはドデカイ詐欺。中国人の実業家からお宝を盗むなんて楽勝...のはずだったが、そうは問屋が卸さない。ウェイドとレミーは、言葉だけでわかりあえるのか。それとも、やはり戦わなくてはならないのか。ペンは剣よりも強いかもしれない。だが、トランプは刀よりも強いのか?
「デッドプール&ウルヴァリン」配信もスタートしました。
せっかくなのでこの機会に読むしか無いと「デッドプールVSガンビット」を引っ張り出してくる。2017年と割と前に出た奴で、デッドプールの邦訳ラッシュが続いてた頃に出た奴ですね。そういやこれ読んで無かったと、このタイミングで読んでおく事に。
はい、というか、デップーとガンビットってこんなに仲良かったんですね。全然知らなかった。お互い、あんまりシリアスな空気は好きじゃないからもっとお気楽に行こうぜっていうタイプだからウマが合うのかな?
一応、どちらも100%の信用なんかしてないし、いつでも裏切るよっていうスタンスはとっていつつも、ピンチの時は助けに来てくれたりして、え?すげー仲良いじゃん!っていう感じでした。
デッドプールとケーブルは凸凹コンビみたいな感じでしたし、デッドプールとウルヴァリンは容赦なく殺し合う関係、デッドプールとスパイダーマンは、あのやさしいスパイダーマンが露骨に嫌がるみたいな感じでしたが、ここもまた違う関係性で面白いな。
ああ、タイトルに「VS.」がついてますが、原題だと「v」だけなのですよ。「バットマンVSスーパーマンジャスティスの誕生」でもそんな感じでしたし、そういう使い方が流行ってたんでしょうか?
因みにガンビットの方、90年代カプコンゲー&小プロX-MENからアメコミにハマった身としては、なかなかに思い入れはあるキャラで、「X-MEN VS.ストリートファイター」では原作に習ってガンビット&ローグのコンビをメインで私は使ってました。
ただ邦訳が止まったゼロトレランス以降はガンビットってX-MEN離脱して悪落ちしたりとかだったので、ローグにも愛想つかされたりとか確かしてたはずですけど、その後は回りまわって結婚してたんでしたっけか。間違いなくその内またわかれるんでしょうけど(それがアメコミ)
今回の話の中で、デッドプールにお前の方の映画はまだ脚本段階じゃん!みたいに突っ込まれてますが(その後実現しないとは思わなかったのでしょう)基本的にはオフビートコメディーみたいなノリ。
冒頭、スパイダーマン&デアデビルに勝手に仮装をして世間に迷惑をかける、という二人が描かれるんだけど、いやあ流石にそういうのは悪ノリが過ぎるんじゃないかと思ってしまう
チャルマースという黒幕の依頼で、業家のペン・ライという男から聖遺物の「龍の舌」を盗み出す二人。しかし彼はアイアンフィストの力を持つ一人だった。激闘の末、彼に認められたデッドプールは崑崙(クン=ルン)の力を与えられ、アイアンフィスト化=デッドフィストになってしまうというなかなかのカオスっぷり。
カオスと言えば、事件の中で元マローダーズ(ヴィラン軍団)に所属していたスクランブラー/キム・イルソンという男も絡んでくる。ウルヴァリンに両腕を切断され、ヴィランからは引退。生き伸びて両腕が義手になってしまったものの、ミュータント能力の「撹乱」能力を上手く使う事で義手を器用に動かしたり、カタギに戻って自動車修理工をして生活しているも、能力を仕事に上手く生かしてそれなりにまともな人生を送っている元悪役、というのが出てきて、この辺りの描写が何気に深い。
いやX-MENって「ジョジョ」みたいな超能力バトルの原点とかたまに言われますが、基本的には頭脳戦みたいなのはほとんど無くて、話の流れで個々の能力の意外な使われ方がたまに入ったりするぐらいの印象しか無いのですが、ミュータント能力を普段の生活で上手く生かして使っているという今回の描写はちょっと新鮮で面白かった。
デップー&ガンビットに指示していた黒幕が実はあいつで・・・みたいなとこも含めて、1冊完結の単品として読みやすく意外と面白い1冊でした。
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