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機動戦士ガンダム クライマックスU.C. -紡がれし血統(きずな)-

機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統 1 (カドカワコミックスAエース)

MOBILE SUIT GUNDAM CLIMAX U.C.
漫画:森田崇
シナリオ:中村浩二郎
原作:矢立肇富野由悠季
協力:(株)バンダイナムコゲームス
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全2巻
2006-7年
☆☆☆☆

 

PS2で発売された「機動戦士ガンダム クライマックスU.C.」をベースにしたコミカライズ版。
ゲームの基本はファースト~F91までの時系列での原作再現のアクションゲームながら、オリジナルの主人公で歴史を体験していくクロニクルモードというのがあって、そこでいくつかキャラデザや設定が起こされたものの、基本的にはストーリー要素はさほど深堀りされてはいなかったはず。当時リアルタイムでやったけど流石に憶えて無いな。

 

そこを漫画版として独自のストーリー展開で描いた、という感じ。
後の2011年に「ガンダムAGE」でガンダムの面白さは世代をまたいで展開される歴史の面白さだって事でそこをピックアップして描いたように、単品での作品の面白さやMSやキャラ等、色々な魅力がありつつ、色んなシリーズを見ていく事によって、こことここが繋がるのかとかそういう架空の歴史を見ていく面白さというのもシリーズとして特徴の一つなのは確かでしょう。別に宇宙世紀とかで繋がって無いアナザーでも、仮面キャラの系譜とか悲劇のヒロインとかそういうのを関連付けて見ても面白かったりはするわけです。

 

そこは宇宙世紀年表とか昔からあったわけですが、どっちかつーと2次的な楽しみ方で、ファンが勝手にやっている感もあったのですが、そこを一つの作品としてまとめるみたいなのは当時としてはそこそこ珍しい部類だった気がしますし、今でもこの路線実はそんなに無いですよね?
1年戦争からF91くらいの時代まで、全てを体験してきた一人の視点みたいなのって、上手くやれば結構面白い物が出来るはず。当然その分大変でしょうけどね。
「F90」関連でボッシュとかジョブ・ジョンが今注目されてるのはそういう所も含めてじゃないでしょうか。
私は昔からガンダム版「マーベルズ」(カート・ビュシークアレックス・ロスの奴ね)やったら面白いのになと妄想してます。

 

そんなF90の流れで、そういやこれもあったなと引っ張り出して来て今回は読み返した所です。

「F90」関連で言えば、アニメ本編「F91」と同じUC0123時系列で、SFC版「フォーミュラ戦記0122」と同じワイブル・ガードナー艦長が継続して艦長やってて、ゲームキャラのナナ・タチバナがF90VタイプとF90IILタイプで二度出撃する。一度目のVタイプの時に正規のパイロットじゃ無く、特例的に乗って、その縁で後の2号機の時に正規にLタイプに乗る。

 

ガードナー艦長がSFC版主人公のベルフが正規パイロットだった時の事を思い出す、という過去形なので現状はベルフはここには居ない。ついでに言えばナナが二号機に乗ってる時点では同時に1号機は出て無いので多分この艦では無く他に移したという状況のはず。(だからカムナは乗る期待が残ってたプロトジャベリンしかなかったわけで)そこを考えるとF91本編の裏ストーリーとしてF90の1号機とベルフはまだ自由に使えそうなので、今後生かせる余地はありそう。

 

とまあ設定上の部分を考えると、Z時代はティターンズ側に所属してたり、チームのメイン二人がロンド・ベルに居たりと、ミッシングリンク的なポジションとしては色々と使えそう。

 

そういう視点を抜きにしても、ドラマやテーマ的にも凄く力の入った話になってて、ゲームの流れ的には親から子へ思い(とかゲーム的には能力)が受け継がれて行くみたいな形になりそうな所を、最初から最後までカムナタチバナの視点で戦争とは、戦いの根源にあるものは何か?みたいな所をちゃんと掘り下げてある辺りが凄く読ませる作り。憎しみの連鎖みたいな所は大きく描かれますが、そっからさらに一歩踏み込んで描いてある感じが凄く面白い。

 

ジオンとか大義を掲げるけどただのテロじゃん!ってこの時点で言ってるのがなかなかに凄いな。「UC」とどっちが先だろう?・・・ってあれ?ガンダムUCよりこっちの方が先なのが。これはちょっと意外。歴史を俯瞰する視点が必要だったから、ここで客観的な感覚が生まれて、この辺から潮目が変わった感じ?

 

しっかし改めて調べてみるとゲーム版の声優が凄い。シャーリー役が能登麻美子、エレン役が堀江由衣2世代目女主人公役が水樹奈々(ナナ・タチバナってもしかしてそこから名前つけたのか2世代目男主人公が浪川大輔だったりもするし、まだみんな若手枠ぐらいの時期でしょうか。今なら豪華キャストです。

 

単行本全2巻で連載的には丁度1年分くらい。
0079、0083、0087、0093、0123と5つの時代、正確には第1次オールズオビル襲撃の0116年も回想シーンで入ったり、この分量を短く纏めてるので、急ぎ足感は当然あるけど、ただの歴史の羅列にならずに一つの作品として読み応えのある話にはなってると思ういますし、他の作品とは違う個性もちゃんとある良作の部類です。

機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統 2 (カドカワコミックスAエース)

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