僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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続・猿の惑星

続・猿の惑星 [DVD]

原題:BENEATH THE PLANET OF THE APES
監督:テッド・ポスト
脚本:ポール・デーン、モート・エイブラハムズ
アメリカ映画 1970年
☆☆☆☆

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シリーズ2作目。
興行的にも批評的にも高い結果を出した前作の結果を受け、20世紀フォックススタジオは続編の制作を決定。前作の立役者、脚本家のロッド・サーリング、果ては原作者のピエール・ブールもアイデアは出すも上手くまとまらず。主演のチャールトン・ヘストンも続編を作るべきではないと消極的。

 

いや~もうその時点で典型的な作るべきじゃ無かった駄作の匂いしかしませんよね。当時は今ほど続編は多く無かったし、作品のフランチャイズ化みたいな考えもまだ一般的なものではない時代。

映画オタクじゃない人には想像しにくいと思うけど、「SF映画」ってジャンルが一般的なものになったのは「スターウォーズ」とか「スーパーマン」とかのヒットが生まれる70年代後半。SF映画と言うジャンルそのものは勿論昔からあるけれど、大衆向けでは無いニッチな市場でしかなかった。前作だって「チャールトン・ヘストン猿の惑星」という感じで、スター俳優ありきの売り方で作られたのもあり、そこにそっぽを向かれてしまうとスタジオとしても困ってしまう。

 

何とか交渉して、なるべく出番を減らす。作中で自分のキャラは殺してしまい次が無いようにする。自分のギャラは全部慈善団体に寄付。という形でようやく前作から引き継いでチャールトン・ヘストンには出てもらうも、物語としては別の主人公を置く事に。

 

消息を絶ったテイラーの救出の為、同じ航路を旅してきたブレントが猿の惑星に辿りつく、という所から物語は始まる。タイムリープとか、外惑星を目指してたのに地球に辿りつくとかそんなのまで再現可能なんかーい!と突っ込んではいけない。

 

もう製作事情を聞いただけで駄作の匂いしかしませんが、実際に酷評の嵐。批評家受けも全くせずに、シリーズでも下から2番目ぐらいの扱いなのだそうな。

 

映画としては実際にツッコミ所満載。駄作なのは間違いないです。でも私はこういう事情がありながら、志の高さだけは貫いてる所がホントに素晴らしい映画だと思います。

 

ただの登場人物のその後の話とか、設定や世界観の掘り下げ、或いはただの同じ事の繰り返しにしかならない「一般的な駄作の続編」とは違って、猿の惑星の本質は寓話であり時代に対する批評性であり、メタフィクションなんだ!っていうのを真面目に(?)やってるところです。

 

その志の高さがあったから、次作以降の社会風刺つぉいての作風にもちゃんと受け継がれたわけで、私はそういう作品をこき下ろしたりしないし、バカみたいな映画だなとは思うけれど、うんうんこれで良いんだよと言ってあげたくなります。

 

オランウータン、チンパンジー、ゴリラの主な3種族が前作から出てましたが、軍隊の実働部隊であるゴリラ族が今回は主導となり、軍国主義化していく様が描かれる。(おお~!まるで「ウォーターシップダウンのウサギたち」みたいですよね)それでチンパンジーが戦争反対!という旗を掲げて座り込みデモを行うんですよ。そうそう、こういうのが面白味じゃん。

 

ベトナム戦争に対して、フラワーチルドレンが愛と平和を掲げるんだよ。当時の時代背景もあれば、そこから何十年も経って、それが歴史や社会にどういう影響を与えたか、その思想を今になって批評的に見る事も出来るし、社会構造や時代の変化をまともな大人であれば理解してますよね。

 

そして、地上では無く、地下で生き残りミュータント化した人間達。テレパシーで会話するって、もしかしてガンダムニュータイプとかこういうのも源流としてあるのでしょうか?
最も、ガンダムの場合は空気振動の無い宇宙空間でのコミュニケーション手段としての真価とその裏では他者との繋がりを求める過酷な環境というそれらしい理由付けはしたるのだけど。

 

それはともかく、この作品では爆弾を神と崇める宗教と化した未来人という、頭クラクラしてくる集団が描かれる。いやもう「マッドマックス」の世界とか可愛く思えてくる、何これ感。最高じゃないですか?

 

原子爆弾で人類が滅んだ後に、それを超えるコバルト爆弾を御神体として、結果人類滅亡どころか地球が跡形も無く消滅して終了。

 

うわ、ネタバレしちゃった。50年、半世紀前の作品だからもういいよね。
なんだこれって思うけど、同時にこれ最高だなって思います。

 

世間的には酷評されてるけど、自分は他人の意見なんか気にせずにこれ凄いし私は大好きだよって言うタイプの作品。前作「猿の惑星」みたいなSFの金字塔・マスターピースとはちょいと違うけど、これはこれでね、怪作だと私は思うぞ。

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