MOBILE SUIT GUNDAM BATTLE OPERATION CodeFairy
漫画:高木秀栄
原作:矢立肇・富野由悠季
協力:バンダイナムコエンターテインメント
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全4巻
2022-24年
☆☆
宇宙世紀0079――
少女たちの“一年戦争”が始まる。
ジオン公国軍キシリア・ザビ直属、女性だけの秘匿部隊
「ノイジー・フェアリー隊」が地上戦線を駆け抜ける!!
人気ゲーム「機動戦士ガンダムバトルオペレーション」のスピンオフ作品。バトオペはPS3の時代から長く続いてるシリーズですが、私は未プレイ。ガンダムエースとかは毎月買って読んでるので、マイナー、マニアックな機体も沢山登場しているのが特徴で、そこが好評なのは何と無く知ってます。
私の仕事の部下の若い子が昔から今もずっと何年もバトオペやってるらしくて、その人に話を聞いてみた所、そもそもバトオペにはストーリーモードみたいなのは無かったらしく、そんな中での特別な拡張パックみたいな感じで出たもののようです。彼も、新しい機体がもらえるから最後までやったけど、話は微妙だった的な事を言ってましたが、まあそうでしょうね。割と硬派なチームプレイFPS?みたいな作品に、いきなり一見きらら系アニメみたいな女の子わちゃわちゃ路線みたいなの持ち込まれても、ユーザー層合わないだろうなこれっていう感じは凄くします。
今回のシナリオも担当してる徳島雅彦氏は、セガサターン「機動戦士ガンダム外伝ブルーディスティニー」以降、「ガンダム戦記ロストウォークロニクル」「宇宙、閃光の果てに」「MS戦線0079」「ミッシングリンク」等数々のゲーム系外伝の中核を担ってきた人ですので(そもそもの初代バトオペもこの人がメインディレクター)今回のゲームだけ外部のクリエイターが勝手な事をしたとかではなく、いつもの路線とは少し違うものをやってみようか的な企画だったのかなとは思う。
まあ過去作でもオペレーターの女の子を売りにした部分とかは多少あったけど、
そういう所での人気は皆無だった印象。結局は外伝なんて実は話もどうでも
よくって、新設定のMSだけが残るだけみたいなとこはありますしね。だからこそ機体のみのバトオペも今までシリーズが続いてるし、多少変なストーリー出しても機体だけ消費してくれれば良いかみたいなのもあるのかもしれない。
私みたいなモビルスーツよりどっちかというと物語やテーマみたいな部分の方が好きって人は少数派しょうし。
さてコードフェアリー。
キシリア直属の特別部隊って、もはやキシリアどんだけ特別部隊抱えてるんだよって感じなので、今更増えてもさほど問題は無い。
ジョニー・ライデン所属のキマイラ隊とかもキシリア直属でしたけど、エースパイロットを1部隊に集めて後方に置くってどゆこと?と私は昔から思ってました。
これは私の説じゃなく、たまたまネットで出くわしてなるほどと思った話だったんですが、ギレンとかドズルはキシリアを軽視していたので、主力部隊の指揮を任されなかった(物語的な都合ですがグラナダは後方ですし)キシリアもそれを知っていたので、戦後いずれギレンに対する謀反を企てていたから優秀な人材を自分の手元に集めていたのでは。やたらとキシリア直属の特殊部隊が多いのはそのせい、みたいなのを見て、なるほど割と納得出来る説だと思いました。
今回の女性のみで編成されたノイジーフェアリー隊も、戦意高揚とかマスコミ向けの話題作りとしてはわかる気はする。きらら系のビジュアルとかはともかく。ただ実際に設立してみると、話題作りレベルじゃなく、優秀で高い戦果を挙げまくり、あげくには業を煮やした連邦がそれ専用の対抗部隊まで用意せざるを得ないまでになる。
因みに隊長のキリー・ギャレット少佐のみオリジナルキャラでは無く何気にMSV出身。外見とかの設定は無いものの、ハーピーのエンブレムと女性のエースパイロットという部分は当時の記述にあり、この辺の設定を拾ってきて生かしてある辺りは割と好感が持てる。
しかもそれを単純にパイロットとして持ってくるのではなく、1年戦争初期にザクで多大な戦果をあげてそれなりの立場を築いた上で、今回は基本的にノイジーフェアリー隊を後方で指揮する責任者という立場で使っていて、本人も別にキシリア派みたいな政治思想は特に無く、戦場で生き残るには立場を利用する事も必要、みたいなクレバーさを持つ描き方をしてあるのは何気に面白いと思う。
まあ主人公を始めパイロット3人は成長を描く為の青さみたいなのが強調されてるので、そこに対するカウンターというかメンターとしての位置付けって感じなんでしょうけど。
主人公アルマ・シュティルナー 。CVは佐倉綾音。
フラナガン機関出身ながら、サイコミュへの適応が弱く、おちこぼれ扱いだった所をキリー少佐がスカウト。NTの電波ピキーン描写とかは最後まで描かれてませんでしたが、ある程度の先読み・感の良さは描かれたり、相手パイロットの感情を読みとったりも出来るし、パイロットとしてはかなり有能。
乗機は陸戦高機動型ザク→ティターニア。
ティターニアはケンプファーの改修機で、高機動を維持しながら装甲も強化。おそらくはガンダムEz8なんかと同じで、ワンオフの現地改修機として識別コードは追加されてるかもしれませんが(ケンプファーのまま?)あくまでペットネーム的なもので、ティターニアという機体として生産された物では無いはず。
チームメイト
ヘレナ・ヘーゲル。CVは大地葉。
スラム育ちからのし上がるためにパイロットへ。
乗機はザクII[狙撃型]→イフリート・イェーガー
初期のザク強行偵察型にザクIスナイパーのライフルを持たせた仕様はまあよくわかる。スナイパーとしてのスキルもかなり高い。
が!何で狙撃手がイフリートに乗り換えるのか?一応イフリートはグフとドムの中間ぐらいのポジションとはされているものの、改のイメージが強い分、接近戦主体の機体じゃない?シュナイドとかナハトもそっち系じゃない?スナイパー上がりが乗る機体じゃなくないか?
劇中では一応、射撃も格闘もどちらもマルチにこなせるのが強みっぽい事を言ってたので、これはあれか?ゲームだと前衛と後衛の両方経験させた方が総合的にはステータス上がるとかそういうネタなのか?とか思って例のバトオペやってる部下君に話を聞いてみたら、いや別にそういうのは無いと思いますけどって言われた。
チームメイト兼メカニック
ミア・ブリンクマン。CVは河野ひより。
天才技術少尉のメガネっ娘。「ロストウォークロニクル」に出てきた同じく天才メカニック少女のメイ・カーウィンをライバル視してるものの、世間的にはメイ程に騒がれる存在では無い。
乗機はザクハーフキャノン→ドム・ノーミーデス。
ノーミーデスはトロピカルドムにギャロップのカーゴ+ヒルドルブの30サンチ砲を搭載した、半モビルアーマーに近いライノサラスやザメルに近いコンセプトの機体。
なんとヒルドルブの長距離砲、「MSイグルー」で敗北して放置されていたあの機体から砲塔部分のみ回収するというシーンが描かれ、ソンネン少尉への追悼というなかなかにエモーショナルなリンクが描かれるのには正直ビックリしました。
連邦側ライバルキャラ
ウィッチハント隊リリス・エイデン少尉。CVは上坂すみれ。
当初は憎しみに囚われていたが、やがてはその愚かさを身に染みて経験し、人としての倫理観を取り戻すという、ライバルながらそれなりにテーマ的なものまで背負わされて、力の入った描き方をされる。
乗機はガンダムピクシー。
連邦側ラスボス?キャラ
ブラックドッグ隊レナート・ジェルミ。CVは小林裕介。
このイカレた時代にようこそギャハハ~系。え?今時こんなキャラ???
乗機はジムスパルタン(ガンダム風ヘッド)
その随伴機
ホワイトライダー。パイロットはノア・カーペンター
ブラックライダー。パイロットはアキン・ヴァンデンベルグ
ゲーム版ではキャラ設定も名前も無かったものの、漫画版で改めてキャラが設定された。
え?いや、あの、何ていうか・・・なんかもうヤケクソ気味じゃね?
ペイルライダー系、
1号機 ホワイトライダー 今作で初登場
3号機 ブラックライダー 今作で初登場
2号機 レッドライダー
サンデースーパー連載「機動戦士ガンダムアグレッサー」主役機。
設定を貸し出した出稼ぎ先で超活躍している兄弟で最高の稼ぎ頭。
4号機 ペイルライダー 「機動戦士ガンダム外伝ミッシングリンク」
黙示録第4の騎士に因んで4号機、死を司るHADESシステム搭載。出典元。
漫画版ではデュラハンとかD2とかキャバルリーとか色々出てくるけどそっちはこれの改良型か後継機。
4機生産という設定の内、2機をまとめて出す。しかも最初のゲームじゃパイロットの設定も無く、ただのヤラレメカ扱い。漫画でパイロット設定が追加されたけど、それでも結局はやられ役以上のドラマは無い。
いやまあ、自分で作った外伝の機体だしまあ自分で好き勝手やる分には。
でもちょっと待って!
イフリート系 8機生産という設定の中から、今回は1機消費。
オリジナル、改、ナハト、シュナイドに続く5機目。
ピクシー系 3機生産のはすなのに、今回出てきたの4機目のピクシーじゃね?
オリジナルの「死にゆく者たちへの祈り」「オレら連邦愚連隊」「ミッシングリンク」
ティターニアだって、カナ表記が違うだけで妖精王なんだから要するにタイタニアだよね。Gジェネで設定されたジュピトリス系シロッコ設計の最終機タイタニアと、そこからさらに「ヴァルプルギス」でタイタニアIIがラスボスとして設定された。
う~ん、フリーダム名前かぶり問題とかも前あったけど、そこは世界観が違ったのがまだ救い。今回は宇宙世紀内の話。ヴァルキリーとワルキューレとかのただの読みの違いを別枠と捉えるのは厳しい機がする。
そもそもジムスパルタンのガンダム風ヘッドって何だ?
ライバルとしてピクシー出して、ええい出血大サービスだ(本当は在庫処分)ホワイトライダーとブラックライダーもつけちゃうよ!?陸戦ガンダムは通常営業だもってけドロボー!と、ガンダム顔がうじゃうじゃ居るのに、スパルタンまでガンダム顔にする必要ある?
「ジムスパルタン」だけでもう十分すぎないか?元々大全集とかには乗って無いタイプのMSでしたし、それをプラモまで出せたのは本当に凄い。DガンダムとかならGジェネにも出た事あるし、全集にも乗ってるタイプだからまだ理解は出来なくも無いけど、デザイナー主導の雑誌企画上の機体なので「タイラントソード」とかと同じ扱いかと思ってたジムスパルタンを引っ張ってこれただけで功績としては十分なのに。
なのにこのサービス過剰の大安売りみたいな路線。
余命宣告でもされて、思い残す事の無いよう在庫処分セールでも始めたのか?
いやほんとにアグレッサー作者の万乗先生なんか闘病しながらきちんと連載こなしてるぞ?レッドライダーをあんなに魅力的に描いてくれる事に感謝せねば。(というかマジ心配になります)
終始北米戦線が舞台として描かれ、宇宙に脱出する事も無く最終盤までキャリフォルニアベースが部隊。なんとそこで
「ジオンニックフロント」から闇夜のフェンリル隊
「ロストウォークロニクル」から外人部隊(レッドチーム)
「MS戦線0079」からブラウアー隊
が集結という外伝オールスターズみたいな場面もちょっとだけ描かれ、そこは流石に、おおっ!となりました。
だが!それ以上にMSVのイアン・グレーデン中尉。
ザクキャノンと言えばこの人的な感じですし、「ギレンの野望」とかにも出た事もある。MSVの設定だと○○戦線で戦死みたいな設定では無くケープカナベラル基地で終戦を迎え、後に新生ジオンに帰国という生存設定があるキャラなので、終局の同じ場所に彼が居るというのも何気に大きい。
ライバルのリリスの描き方もあったし、女だけの部隊は最後は全員戦死したみたいな雰囲気では無さそうだったので、そこはまだ安心して読めました。連邦主役で無く、ジオン側だと敗戦はもう歴史の上で決まってるわけで、言われてみれば終わらせ方は何気に難しいですよね。「コロニーの落ちた地で」みたいにジオン連邦どちらにも道理を置くタイプだと、和解エンドも可能性としては出てくるので、そういう意味ではリリスが居て有難かったなというのもあるし、ヒャッハー世紀末な薄くて安っぽい「悪役」を一応の物語のクライマックスとして配置するのもやむを得ない部分はあるのかなとは思わなく無い。
ぶっちゃけ、話、テーマ、絵柄、機体、設定と全部が微妙で評価としては相当に低くならざるを得ませんが、出てる声優さんは好きな人多いので、youtubeとかでストーリーまとめとかいずれチェックするかも。
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