GUNDAM SHORT STORY SELECTION
原作:矢立肇・富野由悠季
漫画:高山瑞穂・おとといきたろう・馬場康誌・加登屋みつる
刊:講談社 講談社コミックス KCDX 第2123巻
Gレジェンドコミックス 2006年(掲載1994.1997)
☆☆★
機動戦士ガンダム外伝
「極東MS戦線記」高山瑞穂
「ジオンの赤い稲妻 ジョニー・ライデン」おとといきたろう
「DEAD ZONE」馬場康誌
機動武闘伝Gガンダム外伝
「死亡の塔(タワー・オブ・デス)」加登屋みつる
の4編を収録。
Gガンの奴だけ1994年で、他の宇宙世紀系は1997年のコミックボンボン増刊号に掲載されたものを、2006年に単行本として復刻したもの。
ボンボン系ですし、内容は正直それなり程度以上の物は無いんですけど、貴重な復刻で、読んだ事の無い話ばかりで当時は嬉しかったものですが第2集・第3集まで続いたものの、3巻はギャグ物まで収録してたり、残念な内容でした。ボンボン増刊とか未単行本化の宝庫でしたので、かなり期待してたんですけど、まあ当然作家とコンタクトをとって原稿が残ってるかを確認して、その上でサンライズの許可申請とか大変だったんだろうなとは思う(サンライズは基本的に一度通したものならOKみたいなスタンスってどっかで見ましたが)
単行本になってる奴は後からでもまだ探しやすいんですけど、雑誌のバックナンバーとかは流石に。国立図書館とかには収められてはいるとは思うけれども。
それはともかく各作品の感想
▼高山瑞穂「極東MS戦線記」
最初の「ブルーディスティニー」のコミカライズや、ボンボン版「SEEDデスティニー」で高い評価を受けて、ゲームなんかにも設定やセリフが引用されたりもしてます。ボンボン廃刊で講談社に居場所が無くなり、一応ガンダムエースにも「MSボーイズ」という作品を一度は連載した事があったのですが、編集部と相性が悪かったか、短命に終わりその後は特に音沙汰も無く、という感じです。
本人のX見てると新潟の大学で漫画の講師とかもやってるっぽいです。
少し前に「コードフェアリー」を読んで、そう言えば「MS BOYS」も北米戦線だったような。で、更にその前身とも言えるこちらの読み切りから再読しようかなと思ったのが、今回取り上げる切っ掛けになりました。
この読みきりに出ているモンゴルの銀狼(ガンロン)っていうMSの肩を銀色にしているジオンのエースパイロットが、後の連載にも出てくる。
とは言え、お話的には連邦視点で北京方面に配属になったナオミ・クドウ曹長が、配属先の第4小隊に合流すると、そこは女性ばかりで編成された小隊で、男なのに女みたいな名前だったので、間違って配属された、というギャルゲーみたいなお話。
そういやサイバーコミックスでも「ナイトホークス」とか同じような設定のガンダムコミックがあったりしました。
女性のみで編成された部隊とか、コードフェアリーがジオンなら連邦にもこんな部隊あったぞ、とか当時以来に読んで新たな発見でした。
ギャルゲーチックというのも、多分大きくは外れて無くて、1997年と言うと「第MS08小隊」がまだ展開中の時期。
陸戦型ガンダムが外伝の主役機としてはもってこいという時期で、PS2の「機動戦士ガンダム戦記 ロストウォークロニクル」なんかが、外伝ストーリーやりつつ、オペ子やメカニックとかのヒロインとの高感度をあげたりみたいな要素もちょっとあったはず。実際ギャルゲー全盛期でしたし。(私も恋愛系以外のはそこそこやってました。)単発読み切りで、ちょっとしたお遊び的なものだったのかもしれません。
ストーリー的には、陸戦型ガンダムのリミッター解除モードとか、ビームサーベルの出力調整とか「08小隊」本編でも使っていたギミックを上手く取り入れてる感じ。他の陸ガンが出てくるコミックとかでこういうのちゃんとやってる奴他に何かありましたっけ?「ナントカシステム」とか勝手にでっちあげるよりも、ちゃんと元の設定を生かすのは律儀で良いなと思います。
今の時代みたいに陸ガンもザコモブ扱いされるようになる以前の、ちゃんと陸ガンが主役はれてた時代だなぁと。
あとはアジア戦線というのは今でもちょっと珍しい部分。08小隊は同じ極東アジア系戦線でもマドラス基地とかあの辺で、北京は近いけどまだそんなにクローズアップされてる場所では無いかな?
「ギレンの野望」やってると、マドラスも北京もそれぞれに重要拠点ですし、地理的にオデッサを追われたジオン兵がアジアとかロシアに流れるってのはありそうなので、激戦区の北米以外の掘り下げとか今後あってもよさそう。後付けの外伝なのに「コロニーの落ちた地で」でオーストラリアは一気にそのイメージで固まりましたしね。
一応「第4小隊」と呼ばれてますが、まだMSの配備が進んでいない時期と考えれば、「08小隊」に連なるものと考えられなくもないですが(アニメの08本編には06・07・08小隊しか出てなかったはず)同じアジア方面でも流石に地域が違えばそこはまた別と考える方が自然かな?今はもうオデッサで陸ジムとか投入されてますので。
とゆうか短編読み切り一つで長くなってしまった。
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▼おとといきたろう「ジオンの赤い稲妻 ジョニー・ライデン」
複数あるジョニー・ライデン物の一つ。
上記は06-R2の時期。
戦闘中に故障が発生し、自軍の元まで戻れないと判断したジョニーさんは近くのコロニーに辿りつく、ジオンによって荒らされたそのコロニーは世紀末と化していたぜヒャッハー!というお話。いやマジで。このイカレた時代へようこそ!キミはエースパイロットエースパイロットエースパイロット。
子供を助け、暴徒と化したMSを次々と撃破していく。ただの荒くれ者とは違う、優しき心を持った武人だったのだ的な。まあボンボンですから。
おとといきたろう氏は「機動武闘外伝 ガンダムファイト7th 」なんかも書いてる人です。
こちらも主人公はジョニーさんながら、一般のただの名前がジョニーなだけなのか、ジョニーー・ライデンのつもりで書いてるのかは不明。
UC0092年。元ジオンの士官で今はアナハイム系の会社に所属し、火星への航路開発の為のMSで隕石除去の仕事をしている。爆破の閃光の中にトラウマが蘇り、大量に人を殺め、仲間の死も目撃してきたジョニーの心はもう壊れかけていた。看護ボランティアに参加していたかつての恋人エレナさえも自らの手で殺めた事を思い出したジョニーは、そこに哀しみとは違う感情を見出していた、みたいなちょっとサイコホラー路線。
もしこれもジョニー・ライデンなら、アナハイムでレッドゼータのパイロットをしていたが、精神に異常をきたして退任したとされる「ガンダムイボルブ」版に無理矢理繋げられなくもないかも。まあ、頭おかしくなって自分をジョニー・ライデンだと思いこんでいる他人だったみたいなオチがつきそうですが。
馬場康誌氏はヤンマガでやってた「空手小公子 小日向海流」の人ですね。私的には「ストリートファイターIIV烈伝」の方が馴染みあります。
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▼加登屋みつる「死亡の塔(タワー・オブ・デス)」
ドモンが主人公で乗機はシャイニングなので、まだ前半戦。タイトルは当然ブルース・リーの没後に無理矢理作られた「死亡の塔」ながら、話は特に関係無し・・・かな?死亡の塔とか20年前とかに1度観たきりでさっぱり記憶にない。
Gガンの東方不敗とかああいうのは香港の武峡映画が元ネタなので、あえて違うとこからネタを持ってくるのは良いのだけど、多分これといった意図は無いかな。
スネークガンダム、マンティスガンダム、羅刹王ガンダムスケルトン、クラウンガンダムが登場。
俺の技が蟷螂拳だと見破っていたのか!って見破るも何もあんたマンティスガンダム
だし、と突っ込んで良いのかすらよくわからん展開。まあボンボン読んでる鼻タレのガキにはそんなもので十分でしょう。ええ、勿論私も子供の頃からコロコロよりボンボン派でしたし。
スケルトンガンダムの顔がモロにGP02Aサイサリスなのは、作者の加登屋みつる氏が同じくボンボン増刊で「0083」のコミカライズをやってたからに他なりません。
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