監督:東條昭平
脚本:杉村升
原作:八手三郎
特撮TVドラマ 1995-96年 全48話
☆☆★
オーレン古代の超力だ
スーパー戦隊シリーズ第19作目「超力戦隊オーレンジャー」
確か前にも1話2話だけは見てました。
同期は「重甲ビーファイター」
久しぶりに国家に所属する軍属としてのチーム。
「チェンジマン」なんかにも通じる、初手からハードなミリタリー路線。
敵側はマシン帝国バラノイアという機会生命体なのですが、いわゆる「戦闘員」枠のバーロ兵が異常なほど強い。後半になるとまた違うのかもしれませんが、1話2話の時点ではとても雑兵とは思えない強さで、なんとか倒しても機械なので手だけ動いたり、最初からベリーハードがデフォルトで、これは人類も制圧されるわとちょっと納得してしまう感じ。
いや戦闘員なんて普通はバッタバッタと倒されて、ヒーローの強さを見せてくれる為の存在なんでしょうけど、ここが強い事でカタルシスが生まれにくい分、逆にシリアス成分が上昇して、これはこれで変わり種としてちょっと独特の面白さがある。
そしてオーレンジャーと言えば、オーピンク/丸尾桃役のさとう珠緒(当時は名字なしの「珠緒」名義)私はオーレンジャー知らなかったけど、その後さとう珠緒さん、バラエティータレントとして凄く売れて、「ミニスカポリス」とかだったかな?私はそっちもほぼ知らないけど、「KOF96」の麻宮アテナがこの人だったりして(当時はアテナの声優が毎年変わる形でした)TVとかで見かけてもやっぱりかわいかったし「ぷんぷん!」みたいなブリッコキャラも好きでした。
後に、年齢を重ねてもそういうキャラを貫いてる痛い人、みたいないじられキャラになってった気がしますけど、そこもね、ちゃんとキャラとして受け止められてるように作ったのは流石だと思います。後の「海賊戦隊ゴーカイジャー」に出演した時も、丸尾桃というよりさとう珠緒じゃねーかこれ、っていう感じが流石だなと。
私、日本に凄く根付いてる若さ信仰みたいなの大っ嫌いなんですよ。だから30過ぎようが40過ぎようがアイドルじみた事がやれてる声優業界の方が好きですし、アンチエイジングで若さを頑張って保とうとする努力はそりゃ素晴らしいですが、年相応で良くね?若さゆえの魅力も勿論あると思うけど、年齢を重ねた魅力だって同じようにあるわけじゃない?若造には出来ない経験値を重ねたからこその戦い方を見せてやるぜ!で良くないですか?
という考え方なので、歳を重ねてもさとう珠緒さん見た目若いし可愛いよね?ではなく、いまだにぶりっこキャラを通せる形に自分でそういうキャラに育てあげてきた、という所が流石だなと思う訳です。もう歳なんだから年相応に落ち着いた形にすればいいんじゃ?ではなく、そのおかしさも「キャラ」で通せる形にした所に、彼女のクレバーさを感じてたりします。
あんまり「オーレンジャー」と関係無い話してますが、さらにもっと脱線。
私は未履修なので知識でしか知りませんが、オーレンジャーは前半のシリアスさから後半はコミカル路線に路線変更。それは1995年という時代背景が大きく影響しているという話です。
95年と言えばオウム真理教による地下鉄サリン事件と阪神・淡路大震災です。正直を言えば、東北地方の片田舎に暮らして、しかもそういった社会の流れになんか関心の無かった当時の私は、勿論そういう事件はニュースで知ってはいたけれど、どこか絵空事・他人事でした。不謹慎かもしれないけれど。
おそらくは、ですけど逆に東日本大震災の事だって、西日本の人はTVの中の出来事で、大変だったでしょうねくらいの感覚の人も多いんじゃないかなと思えてしまうのは、この95年の時の自分の感覚がそんな感じだったから。
でも、もう少し大人になって社会学とか勉強するようになると、社会学においても1995年って割とターニングポイントとされる事が多いのを知り、やっぱりその辺りの社会背景をバックに語られる理由が、いくら一生懸命頑張ってもそういう災害やテロ一つで人の命なんて一瞬で消えるし、努力したって報われないのが現実なのでは、という感覚が一気に広まったとされる。バブルが崩壊して、この辺りから失われた10年ロストジェネレーションと言われるようになり、それが20年30年とずっと続く事になる。努力すればその分返ってくるなんていうのは幻想で、資本主義や民主主義の終わり、高度成長経済という大きな物語が終わったとされる節目が95年。
サブカルだって「新世紀エヴァンゲリオン」がまさしく95年で、そこから外に向いたシャカイではなく、内に向いたセカイ系が始まり、みんながその空気に乗ったわけです。いや私はのらなかった人だけど。
先日見た新しい「スーパーマン」の映画じゃないけれど、じゃあ今の時代にヒーローは何を描くべきなのか?社会の節目となった1995年のヒーローは一体何を描いたのか?というのは非常に興味のある部分。
ただオーレンジャーは1話の冒頭のテロップにも出るけれど、作中の設定年は「1999年」なんですよね。まさに世紀末で、今の人は笑っちゃうかもしれないけれど、1999年に地球の終わりが来るとされる「ノストラダムスの大予言」とかも、本気で信じてたわけではないけれど、もしかして本当だったリするんだろうか?というどこか不安も抱えていたのは事実だと思うんですよね。
そんな終末観を煽る部分でシリアスでハードさを出してみたものの、実際の厳しい現実に対して、ヒーローはもっと明るく希望の象徴であってほしいと路線変更する、その気持ちの部分が私は面白いかなと思ったり。
ビジュアル的には正直ちょっとダサいかなぁとオーレンジャーに関しては思うのですが、それ言い始めるとね、戦隊はストレートにカッコいいものの方が少なかったりするとも思うし、それこそ見た目では無く、その精神性に惹かれるというのが戦隊スピリッツじゃないかと。そう、だからさとう珠緒の精神性に私は惹かれるのだ!知らんけど。
他は、宮内洋(V3、ズバット、アオレンジャー、ビッグワン)が三浦参謀長として司令官役。ここのちょっと前までやってたメタルヒーローシリーズのレスキューポリス3部作(ウインスペクター、ソルブレイン、エクシードラフト)でも同じような司令官役をやってたわけですが、「すごかが」シリーズでも、こういった場合は偽名を使っているだけで実は同一人物では?というのを勝手に想像すると楽しいというのも頷ける部分。
そう言えば、この作品から前戦隊とのVSが定番化していくんですよね。
作品の設定によっては、やっぱり無理矢理な時もありますけど、そんな設定の整合性うんぬんを吹き飛ばすワクワクが2大チームの夢の競演にはあるので、本編とはまた別に戦隊の大きな魅力の一つだと思います。
遂にインスト版も含めて戦闘BGMとしての使用はOP・ED共に使われなくなった(あくまで1話2話の場合です。後の話では使われてるっぽいので一応までに)
次はシリーズ20作目「激走戦隊カーレンジャー」です。
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