NEW MOBILE REPORT GUNDAM WING
監督:池田成(高松信司)
シリーズ構成:隅沢克之
TVアニメ 1995-96 全49話
☆☆☆
先日ガンダムW30周年記念PVが公開されたおかげでウチのWの記事もPVが急に増えました。
前から「バトオペ」とかで新機種が出ると、それに関係する作品のエントリーがあったりすると、検索で引っかかってよく古い記事が急浮上したりするので、お?何か新展開あったか?と知れたりする事も多いので、個人的に面白いです。
因みに今回のエントリーはPVに合わせて途中で止まってたのを久々に再開した、とかではなく、たまたま先々週くらいからちょこちょこまた見てて、感想記事もその時点で
書いてたものです。
という事で前からずいぶん間が空きましたが、久々に「W」のTVシリーズ続き。総集編2話を挟んでの、新章スタート。
第29話「戦場のヒロイン」から第37話「ゼロVSエピオン」まで。
サンクキングダム編といった所でしょうか。
トレーズ・クシュリナーダ退場と同時に、ここまでの監督の池田成氏も途中降板。クレジットに出さない形で、高松信司氏が代理監督を務める事に。
無人のモビルドールは美学に反する。戦争は愚かだが、人が戦う事に意味や意義があると唱え、更迭される事になったトレーズ。
同じく池田監督が途中降板した「鎧伝サムライトルーパー」は(なんとこっちは正統続編が発表されましたね。「ワタル」と言い、やっぱり世の中おかしい)玩具の売れ行きが悪く、もっと玩具が売れるように玩具要素を作中に出せと言うスポンサーの要望に反発して結果監督が降板と言う形に。
その後アニメでは「超弾道」という劇中はこれといった意味や価値の無い謎パワーが必殺技の前につくことになりました。
いやだってさ、当時出てたメインの玩具なんですけど、アクションフィギュアかと思ったらバネ人形なんだもん。関節がバネ接続という不思議な作りで、それを「超弾道」としてアニメにも入れろと言う話。実は私は当時この玩具買ったけど(水滸のシンです)直立以外に自由にポーズとれない作りでガッカリしました。本質はクロスアップフィギュアとは言え、カッコいいポーズとか出来ないのは致命的。
そんな不思議な使用だったので、元が悪いのに作品内にまでそれを入れろとか言われたら、まあキレる気持ちもわからないでもない。
ガンダムWでも、後期主役メカのウイングゼロのライバル機としてガンダムエピオンがプラモも含めて準備されていたものの、それ以外は特にラストまでのプロットとか無いもんだから、さあ困ったぞと。
そこは監督では無くシリーズ構成・脚本の隅沢克之氏が考えていくとこだと思うけど、ドロシーは元々池田監督が用意してたキャラなのかどうかが凄く気になる。
言ってしまえば、なんかわけのわかんない内に退場したトレーズ=池田監督なわけです。レディ・アンも死んでゼクスも仮面を外してトレーズと袂を分かつ事に。
さて当面の敵がいなくなってしまって困ったぞ。
ロームフェラ財団トップのデルマイユ候とその下のツバロフ特佐のおじさん二人で間がもつわけがないだろうと、ロームフェラの意志を体現する秘蔵っ子のドロシー・カタロニアが登場。リリーナのライバル的な位置につく。
そしておそらく!ここは池田監督の想定していた流れとは恐らく真逆の展開になったのがミリアルド=ゼクス。
だって、仮面をとった後に、また仮面かぶってゼクスに戻りま~す!この前の無し!1回忘れてねってどう考えても普通の展開では無い。
おそらくは、池田監督的にはミリアルドとして1度サンクキングダムに戻る話をするつもりでいたんでしょうけど、多分残されたスタッフは、いやゼクスはシャアなんだからラスボスポジション、ゼクス絡みの話は最終章に先延ばしして、次のサンクキングダム編には絡めない方が良いだろうという判断だったんだろうなというのがなんとなく見える。
ここで最終章を想定しているのは、ドロシーの描き方でもわかる。最初の時点でドロシーにフェンシングでヒイロと戦わせてる。フェンシングって、スポーツでもあり、剣を使う1対1の戦いという対立をアクションとして見せられるという利点もありつつ、「ガンダム」におけるフェンシングは別の意味が発生する。そう、アムロとシャアが生身でフェンシング対決するファーストの終盤の展開が自然と重なるし、「∀ガンダム」のロランとギンガナムが最後に剣で戦うシーンなんかも、それのアレンジ版だったわけです。
Wの最後はヒイロでは無くカトル君に対してになりますが、そんなラスト部分への伏線としてドロシーの登場時点でフェンシング対決させてるという形になってる。
前監督が不在になった時に、残り話数も踏まえた後半のプロットをここできちんと立ててるというのが、そんなドロシーの描写と、ミリアルドに戻ったゼクスがすぐまたゼクスに戻るという部分で想像出来る。
で、サンクキングダムの代表として平和を掲げるリリーナに対し、ノイン、サリィ、ヒイロ、カトルとメインキャラが集まって行き、他にも行き場を失ったトレーズ派や旧連合・旧OZら敗者達が集結していく。
逆にロームフェラは、トレーズが退場した事で、中心になるカリスマが居ない事で求心力を失っていき混乱。ここは池田監督が不在になった事で離脱する人が出てきたり、意見が食い違って纏まらなくなっていく、という構造と重なりますね。
本来は、ゼクスがミリアルドに戻ってリリーナと二人で国を立てなおす形にすれば、理想の部分をリリーナが、力の部分をミリアルドが分担してまかなえたはずなので、実は結構強い国になってたはず。いやノインさんが力は裏で動かす形にしてた事を考えれば、ミリアルドでなくこの時点では仮面をつけたゼクスでも良かったのかも。
が、実際はモビルドール=力の象徴としてロームフェラの方がまだパワーバランスとして強いので、リリーナ一人の理想は貫けずにサンクキングダムはその力の前に敗北する。
ヒイロが居るけど、ここでまだゼロに乗せなかったり、カトル君もこのターンではサンドロックに乗らない。その分というわけではないですが、ここに来てウイングガンダム(ゼロじゃなく最初のガンダム01の方)がヒイロ搭乗で意外と活躍したりするのだけれど、ウイングガンダムってこれまでも何度も壊されてるから、実は力の象徴と言うよりは敗北の象徴。
そこはもう池田監督の意図がちゃんと生きてると言うか、勝者の側ではなく、敗者側が負けても立ちあがる姿こそ人の心を動かす、という「W」のベースにある感覚が何気にきちんと描こうとしてるんだなと思う反面、序盤からのウイングガンダムの扱いとか見てても、ガンダムでてこね~!活躍しないで自爆かい!プラモ売る気ないんか~い!っていう感じがいかにも「W」って感じで何気に面白いです。
スペックの高さとか、後の「エンドレスワルツ」での描写とかの印象で、ウイングってガンダム1機で無双してるイメージが凄く強いけど、負ける姿を描きたいという作品の意図が話としては強い。いやホントによくこれでプラモ売れたな。
そして最後、やはり中心になるカリスマが居ないとと利用され、サンクキングダム崩壊後のリリーナはロームフェラの女王に。ヒイロはようやくエピオンとゼロをとっかえっこして、ゼクスの方はサンクキングダムの再建ではなく、都合良く入れ換わり出てて来たカーンズ率いる宇宙革命軍のホワイトファングに。
宇宙要塞リーブラも完成し、最終章へのセッティングが着々と進む。一応ちょこちょこと出番は与えられてるものの、ガンダムパイロットの存在感薄っ!というサンクキングダム編でした。
こうして状況を整理して見る分には意外と面白い。ぶっちゃけ昔は、Wは話がよくわからんな、でもMSカッコいいからいいか、ぐらいにしか思って無かったけど、変な部分がありつつも一生懸命話の方も考えてたんだなと思う。
関連記事
