監督:上堀内佳寿也
脚本:高野水登
同時上映作品:『映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』
日本映画 2023年
☆☆☆☆
仮面ライダーがメインの夏映画の前座でやっている戦隊夏映画の「キングオージャー」版。
ガヴ&ゴジュウジャー公開記念で、TVerにて期間限定無料配信中。
正直、戦隊の夏映画は「まあライダーのおまけでやってるのが戦隊映画だからね(苦笑)」っていうのばかりだと思ってました。ぶっちゃけ、ナーメテーター。
このキングオージャー凄い。尺はいつもと大差は無いのに、おまえらなめんなよ、本気出せば戦隊映画でもこれくらいのもの作れるんだぞ!って言われてると感じたくらい圧巻だった。30分だけどちゃんと満足出来る映画っぽい風格がちゃんとあるというか。
キングオージャーは正直、スタッフとか曲担当の人が、他の作品をクサしてたのを知って、もう一気に気持ちが醒めて嫌いな作品になっちゃったんですけど、実際こういう映画とかを見ると、ちょっと今までとは気持ちの面で違うんだよ、とつい言ってしまいたくなるのも少しわかる気はします。
TVシリーズの方でも、戦隊のフォーマットで作るのをやめて、一般的なドラマメソッドで作品を作る事で、戦隊ファン以外の所にも届いたりしたのは事実ですが、今回の映画にしても会話劇とかを中心にしてるので、見応えのある半面、これは子供達が飽きて劇場で声をあげたり走り回ったりしちゃうやつだろうなと思いながら見てました。
大人向けに振ってくれるのはありがたい半面、同時に子供達の興味も惹かせるものでなくてはならないっていうのがこのジャンルの面白さなのであって、プリキュアを深夜アニメみたいな展開にしろって言うお門違いな意見と同じように、子供を捨てて大人向けにしたらそりゃ面白いだろうけど、そこでバランスをとる職人芸が良いのにわかってねぇな、とかつい言ってしまいたくなる。
ギラの前にかつての幼馴染だったデボニカ(佐倉綾音)が現れ、死の国ハーカバーカへいざなう。ギラの前には初代国王ライオニール・ハスティー(中村獅童)が。そして他のメンバーの前にも、かつて別れを経験した因縁の相手が現れ、カグラギの前には先代国王イロキ(雛形あきこ)が現れる。
元々CG背景のキングオージャーですが、今回は死の国という事で、幻想的な背景が描かれ、ああこれ映画館の暗闇の中のスクリーンで見るとめっちゃ映えるやつだと感じました。
ビジュアルイメージは「ブラックパンサー」の死の国っぽく感じた。マーベルはCGに頼る偽物ヒーローとか言ってたくせに。
劇場公開時にも、佐倉綾音が役者として出てるっていう部分に一番惹かれて、観に行こうかなと迷ったりはしてました。あやねる、かわいいし演技も上手い。先日も声優は黄色い声を出してかわいこぶってればいいという風潮は自分は乗れないみたいな事をあやねる言ってて結構話題になってましたが、意識も高いし頭も良い人なのでしょう。そこは流石だなと思います。こんかいの役者っぷりも十分・・・・と思ってたら!
シュゴッタム初代国王役の中村獅童の演技がヤベェ!さらにトウフ国先代イロキ役の雛形あきこがヤベェ!雛形さん、私はバラエティーの印象しか無く、ドラマや映画で雛形さんと遭遇した事無い気がするけど、こんな迫力ある演技をする人だったのか。カグラギの本来からの芝居がかった演技の上に、そこに対してすごむ役っていうのもあるんだろうけど、正直ビックリするレベルで凄かった。勿論、中村獅童の方はこれまでも映画で沢山見てきたのでその凄さは十分知ってましたが。
イロキさん、TVシリーズの方でも最後にちょこっと出てくれましたが(あやねるも)とても良かったです。
そして初代国王の変身体の方も、デザインがかつての王の鎧が朽ち果てた感じで、なかなかにカッコ良かった。
技術屋として状況を打開する為の活躍をするヤンマ君。
両親への思い出とそれとの決別が描かれたヒメノ。
かつて裁いた罪人の怨念に怯えるリタ。
そして撮影の関係上時期的に話に絡ませにくい追加戦士枠のジェラミーも蜘蛛の糸が地獄に通じてるってのは昔からの定説で、と面白い絡め方をしてきてるのが上手いなと感じました。
所詮は戦隊夏映画とは言わせないぞという気持ちの籠った凄い作品でした。
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