原題:Rise of the Planet of the Apes
監督:ルパート・ワイアット
脚本:アマンダ・シルヴァー、リック・ジャッファ
アメリカ映画 2011年
☆☆☆☆
シリーズ7作目。
旧シリーズ全5部、リ・イマジネーション単作の2001年版を経て、今回からが新リメイクシリーズとなる1作目。いや別にリメイクはして無いのでリブート新シリーズか。
製薬会社のジェネシス社でアルツハイマーの治療薬を研究しているウィル。チンパンジーでの実験で知能の向上効果が見られたが、やがて暴走し射殺されてしまう。ウィルは残していた子供も処分されてしまうのを見かねて、自宅で育てていたが、母親への投薬の影響か、シーザーと名付けられたその子ザルも並はずれた知能を持っていた・・・。
まだ「猿の惑星」にはなっておらず、旧シリーズで言えば4作目の「猿の惑星・征服」にシチュエーションが近く、人間に匹敵する知能を持つ猿・シーザーが仲間を増やして行く、みたいな感じ。
旧シリーズほど社会風刺要素は強く無く、動物実験的な物への批判がありつつ、「アルジャーノンに花束を」みたいな薬で知能向上させる事への賛否みたいな所もあり、なんだろう、物語全体のリアリティが凄くあって、映画として完成度が高くて面白い。
旧シリーズがどっちかというと映画としては稚拙だけど言いたいメッセージは伝わる、というタイプの作品だったのでまさしくリブートとして今の時代に描く「猿の惑星」という感じで素直にワクワクさせられる。
旧シリーズ1作目が、猿の特殊メイクながら表情まで伝わる凄い技術という所での評価でしたけど、今回はCGながらそれこそ同じように表情まで伝わるリアルな形で、なおかつ今回はまだシーザー以下猿軍団は言葉もしゃべれないながら、その中での感情や関係性まで丁寧に描く。一部手話こそあるけれど言葉で語らず多くを語るって、当然ながら相当に上手いことやってる映画だなと。
私が見て無い「鬼滅の刃」とか、1から10までセリフで説明して、だから映画も漫画も知らない人にも伝わるみたいなのがあるし、ああ「ゴジラ-1.0」もそうでしたよね。映画好きな人には、これ観客をバカにしてるのかレベルのセリフ回しでしたが、逆に普段映画を見ない人にはその方が良かったっていう。
いかに言葉にしないで多くを語るかが映像作家の見せ所であり、映画として洗練されているかみたいなのが映画文化の文脈としてあるので、そういう意味では今回の「猿の惑星:創世記」とか、シネフィルが見て「お、この作品わかってるじゃん」みたいに思いやすい題材な気がします。
人間との決別、住む世界の違い、みたいなほろ苦い結末を描きつつ、コロナ禍の後に少しこれも話題になってましたけど、エンドクレジット入るとこの、ウイルスが世界中に拡散していく所をグラフィカルに描いたあのカット。
一応、コロナで人類は滅びはしなかったけど、あのロックダウンや拡散、特に初期の頃はコロナにかかった人は村八分にされるみたいな恐怖も相まって、今の時代に疫病が流行ってこんな事になるのか?って凄く思ったし、多くの人の命は無事でもコロナのおかげで経済はより破綻してしまったわけでね、この映画がそれを予見していたとは言わないし、作り手の意図ではないけれど、今の視点で見た時に今だからこそ感じられるものもあって、それは「猿の惑星」の根底にある社会批判も結果的に持ちえたと・・・言えなくもないかも。
次は「猿の惑星:新世紀」です。
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