僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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トロン:アレス

原題:TRON:ARES
監督:ヨアヒム・ローニング
脚本:ジェシー・ウィグトウ、ジャック・ソーン
アメリカ映画 2025年
☆☆☆★

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前作「トロン:レガシー」から15年ぶりのシリーズ3作目。

かつてフリン不在のエンコム社を仕切っていたディリンジャーだったが、今は自社のディリンジャー社を立ち上げ、エンコム社と双璧を成すライバル会社に成長していた。一方、エンコム社も経営権をキム姉妹に譲り、進化を続けるデジタル業界で互いに争っていた。そんな中、ディリンジャー社はデジタルを実体化する技術を発表。AI兵士アレスをビジネスマーケットに送りだそうとしていたが、役30分の限界時間がある事は伏せられていた。その弱点を見抜いたエンコムは限界時間のリミットを解決出来る永続コードプログラムをかつてのフリンらが残した遺産の中から見つけ出す。その情報を知ったディリンジャーはプログラムを奪う為アレスを送り込むのだったが・・・というような感じの話。

 

なんと前作「レガシー」で描いたものを全部放置。
新聞や雑誌記事でその辺りの事は全部無かったものになっているわけでは無い事はわかるものの、基本的には今回の話には関係無し。デジタル生命体のISOとか、いやそれこそシンギュラリティじゃねーのか?っていう所は無視。

 

それどころか、逆にAIの進化でAIが独自の感情を持ってしまうという巷で百万回ぐらい描かれてきたベタな話に戻してしまった。

ただこれ、ありきたりでつまんねー話だなと一蹴してしまえばそれまでだし、凡作評価になっちゃうと思うけど、「トロン」1作目を思い出して欲しい。あれってプログラムが妙チクリンな自我を持ってなかったでしょうか?司令官が嫌がらせしたり、個々のプログラムも変な性格がついていた。トロン自身もそうだったし、そのプログラムを作った人の性格やクセが反映されてるのがメインキャラでしたし、脇役はきっとただ面白可笑しく描いただけだったのでしょう。

 

でもその面白可笑しく描いた部分が、プログラムがグリッド世界で独自に自我が形成されたものだと仮定したら?だって「レガシー」とかだとクラブで酒飲んで音楽聴いてるんですよ?ダフトパンクがDJやって、ピンチになったら慌てて逃げ惑うあの姿。お前ら元はプログラムじゃないんかーい!プログラムがこんな人間臭いものなんかーい!ってある種のツッコミ所でしたが、今回の主人公とも言えるアレス君。スースク版ジョーカーとかモービウスとか不運な役回りばかり続くジャレット・レト演じるアレスの演技も上手いんだか下手なんだかわからず。何を考えてるかよくわからん変なキャラが「これまでのトロンシリーズの自我を持ったプログラムのちょっと変な感じ」と「自我が生まれたばかりで成長途中の半端さ」に重なって、妙にマッチしていた印象。

 

いやそれは好意的に解釈しすぎでは?と言われるとそうなんだけど、世間的には大酷評を受けてるっぽい今回の作品の評価の中で、キャラクターの行動原理とかの理解に苦しむみたいなのが多くて、でも直前に前2本を見返した上で「アレス」に臨んだ身としては、このなんかちょっと変な感じこそが凄くトロンっぽいし逆にアイデンティティーの一つでもあるのでは?と思いました。

 

よく映像革命とか言う煽りに文句行ってる人も居ますが、そりゃあ1作目は革命ですよ。コンピューターグラフィックスというそれ以前の映画には無い物をフューチャーしたわけですから。初めてファミコンを体験とか、そこからプレステに進化したとかならそれは以前に無かったものだから革命ですが、ファミコンからスーファミ、プレステ1から2になろうが3も4も5もグラフィックが細かくなっただけで通常進化の範疇で革命では無いでしょ?っていうのと同じじゃないですか。
アバター」みたいな初の本格3Dとかならともかく、「レガシー」も「アレス」も何か技術の革命があるわけじゃないんだし、そんなもん期待する方がどうかしてる。

4K映像とか、それこそアバター2の60フレーム映像とか、確かにちょっとは違うと思うけど、映像革命とか言うには大袈裟じゃないですか?

 

1作目におけるトロンと同様な感じで今回のアレスを主人公として、お話的にも基本的には擬人化プログラムの話ですから何気に今回の「トロン:アレス」こそが正式なパート2って感覚で捉えても良さそうな気がしました。「トロン:レガシー」は別路線に振ったスピンオフみたいな感覚。

 

現実の世界に飛び出したアレス。ここから将来的に新種の存在であるISOのクオラと出会う事で何か新しものが生まれるのでは?
投げっぱなしにしといたから、後は誰か頭の良い人がいい感じのクロスするシナリオ書いてね。んじゃあとよろしくー!みたいな感じで、それはそれでちょっとワクワクしました。

 

サービス的に80年代風グリッドを通るシーンはやっぱりワクワクしましたし、レトロゲームばんざいおじさんについなってしまいますけど、そこは誰か発想力のある人(少なくとも今回のスタッフではそこまでは見て無さそう)が、昔のあれを今風に落とし込んでこんな作品が生まれました、みたいなのは素直に見てみたいと思う。

・・・また15年後とかになるのかもしれませんが。

この映画に「リアリティー」はありませんが、「トロンらしさ」は十分にあったと思います。

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