僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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特別編集版 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント -小さな挑戦者の軌跡-

IRON-BLOOD ORPHANS MOBILE SUIT GUNDAM
監督:長井龍雪 
特別編集版構成・脚本:土屋理敬
同時上映:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 10周年記念新作短編「幕間の楔
日本映画 2025年
☆★

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※ネタバレアリなのと、外伝のウルズハントじゃないオルフェンズ本編関連については最後の方で少しだけ触れます。


ガンダム映画新作。
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のアプリゲーム用に作られた外伝「ウルズハント」のアニメパート部分を編集して作られた総集編映画みたいなもの。

アプリゲームの方は私は未履修。3~4年かけて準備して1年も持たずに爆死してたイメージしか無いです。しかもその時は「水星の魔女」とかもう次のガンダムとかやってましたしね。

 

アプリゲームのバブルがまだ残ってた時代に開発がスタートしたけど、開発でモタついて時間がかかってしまい、もうとっくにバブル期は終わっていてだれも見向きもしなかったという感じでしょうか。現在はもう配信停止されてるので、今から本編を追うのは不可能。コミカライズやノベライズ化もされてません。主役機のガンダム端白星の他プラモが数体出たくらい。

 

サンライズ製作のアニメパートがあるのが売りでしたし、私はちゃんとした数字を見て無いので正確な情報ではありませんが普通に考えて製作費の回収が出来て無い赤字だったでしょうから、せめて多少なりでもその損失を埋めましょう的な形で今回の映画に繋がったものだと思われる。

 

大ヒットした「閃光のハサウェイ」「SEED FREEDOM」「ジークアクス」辺りと違ってプロモーションにもさほど力を入れてる感じでも無いし、メインの企画では無いものの、「鉄血のオルフェンズ」TVシリーズ10周年企画の短編を合わせる形で、多少の売りは作ったという感じでしょうか。

 

私はガンダムならとりあえず何でも見てこようかとは思うけど、物価高でお財布の紐もますます固くなってる時代ですから、TVアニメ本編のキャラが出てるわけでもない、知らない外伝だけで観に行くかというと厳しそうですしね。例え短編でも(10分くらいはあったかも)あのオルフェンズの新規映像が見れるというのはやっぱり嬉しいものですし。

 

さてウルズハント。
正直に言えば全然ダメでした。

 

主人公ウィスタリオ・アファム役をAKBだか何かのアイドルの生駒里奈さんが担当で、棒演技が酷いというのはアプリ時代に評判が届いていましたし、プロモーションで芸能人を使うのはまあ仕方ないけど、じゃあ今回は残るものなので映画だけちゃんとした声優にキャストを変えてみては?と思ったりしてたんですけど、声がどうこうレベルじゃ無く、もう作品全体がどうしようもないオーラ全開だったんですねこれ。声優変えれば作品の品質が上がると言うものでもないし、今更だったか。

 

まあ元がゲーム用に作られたものだからしょうがないんだろうけど、はいステージ1のムービーですよ、クリアしたから次が2面、3面みたいなのが露骨にわかる繋ぎ方で、もうこれ映画じゃないなと最初の30分でうんざり気分がマックスでした。

 

知らないネームドキャラが次々と出てきて、戦って全員味方になっていくというのを4~5人分繰り替えずのにうんざり。多分、ゲームではもう少しキャラを掘り下げて描いてあったんでしょうけど、映画の尺だと誰が誰だかわからないままどんどん増えていくだけで構成もへったくれもない。

 

TV総集編映画で、TVの話を繋いだだけでは映画のリズムにはならないよ、30分の波と映画の時間尺の中の波は再構成しないと映画にならないってのは過去の映画感想記事で何度も言ってきた部分ですけど、これがアプリゲーとなるとその酷さが10倍増しくらいになって、映画好きな人からしたら正直苦痛に感じるレベルで見れたものじゃなかった。

 

そういう意味では「劇場版 ウルズハント」というタイトルでは無く「特別編集版 ウルズハント」というところで察してね、と作ってる方も無理があるのは承知でやってるのでしょう。この作品が生まれた背景も含めれば仕方ないとは思います。

 

ってか監督は一応TV本編と同じ長井龍雪監督が担当されてるんですね。そういえばアプリの時にガンダムエースのインタビュー1回くらいは読んだような気がしないでも無い。ただ脚本の方はTV本編の岡田麿里は関わって無い。(短編「幕間の楔」の方は岡田さん担当)監修としてはTV版脚本と同じく外伝の「鉄血のオルフェンズ月鋼」
を手掛けた鴨志田一氏は入ってはいる。「月鋼」はいかにも打ち切りだったし私は評価して無いので同氏がダムエーで連載を始めた「ガンダムエイト」も全く期待して無いです。(勿論、それを裏切って意外と面白いじゃんってなってくれるにこしたことは無い)

 

はい、ネタバレですが、何気にこっちも打ち切りエンドなんですね。


アプリで全12話で打ち切りだったものを、映画でなんとか完結させたとかではなく、映画も途中で終わり。

ウルズハントレースも結末は描かれないし、
主人公のウィスタリオが何者かが明かされずに終了。

 

濃いめの脇役がどんどん出てくる中で、主人公のウィスタリオがよくわからないのも結構なストレスなんですよ。「若いけどMSの操縦テクニックが凄い」とか「超絶頭が良い」みたいなスキルがあるわけでもなく、目的としてはただの流刑地になってる金星を自分で立て直したい、いわば金星に国を作って王になりたいみたいな野心があるんですけど、それは鉄華団みたいな成り上がりストーリーではなく人道的な所から来る彼のやさしさで魅力なのかな?とは思えなくもないんですけど、彼はこういうキャラなんですよ、というのがひょうひょうとしてて見えにくい。仲間は見捨てないみたいなとこは良い所ではあるとは思うものの、出生についての匂わせを放置したまま終了だったので、凄くモヤモヤしました。

 

こういうのはね、実は王家の血を引いていてそれを知らずに育ってきたみたいなのが定番なのかなとは思うんですけど、その話は今回のヒロインの方に使ってたので、普通に考えれば流石に同じネタを繰り返し使うというのは無い。


とすると、逆にマイナスになるような黒い血筋で、それこそ厄祭戦のきっかけになった罪人・悪人みたいな血筋を引いてる人で、お前は呪われた血を引く生きていてはいけない人間なんだ的な展開からの、いや過去は過去だ自分とは違うし、自分はちゃんと自分の生き方を選ぶよ的なテーマに最終的には持っていきたかったんだろなという気はします。

2度もあったMA戦もオートで戦ってただけっぽかったし。

 

今回唯一ちゃんと明かされてたのはガンダム端白星というのは厄祭戦時にはその名は記録に残っておらず、後から改修されたもので、本来はガンダムマルコシアスという正式に悪魔の名前をちゃんともらっているガンダムフレームだったという部分。

そこを考えればやはり、元は悪魔の血だったとしても今は違うんだよというテーマに繋がるし、金星の流刑地を生まれかわらせたいという目的ともちゃんと重なる。

 

まそれが今後何かしらの形で描かれる事は無さそうですが。

 

ただ、ガンダムというコンテンツの面白い所は、再販頻度の差こそあれどプラモは絶版にはならないし、一度世に出た作品なり設定の再利用はどこまでも続く。仮にも公式ががっつり出した外伝ですし「ウルズハント」なり「ガンダム端白星」なり「ウィスタリオ・アファム」が闇に葬られるような事は無いでしょう。黒歴史を掘り起こす事こそが今時のガンダムの本質みたいなものですし、それこそ元のアプリは無くても「Gジェネ」とかで続きの物語が描かれる可能性も決してゼロでは無いでしょう。

 


この映画の褒めるべき所、唯一の利点としては、アプリが終わってもう見る手段の無いものをこうして別の形とは言えまとめてくれて、後からでも知る事が出来るようにしてくれてるのは素直にありがたいです。作品の良し悪しは別だし、好みとかもありますからね。こういうのは気になるけど見れないというのがキツイ。

 

手元に残らない配信は、配信元が止めてしまうと後から興味持ったり調べようとしても不可能になるのがやっぱりネックなんですよね。流れは止められないとは思うけど、物がある内はまだ私はそこに拘りたいとこです。

 

以上ウルズハントでした。

 

 

▼ここからは
10周年記念新作短編「幕間(まくあい)の楔(くさび)」
と入場者特典の短編コミック「未来の話」
と、恐らく週替わりらしい上映前の注意喚起紙芝居ムービー。

 

「幕間の楔」はTVアニメ本編1期と2期の間の話でしたが、冒頭に入る説明紙芝居ムービー?ここは時系列的にもっと前らしく、なんとビスケットが生存しててちゃんとセリフがある。

ミカ、オルガ、ビスケット、アトラ、クーデリアの5人で映画を見に来たみたいなシチュエーションで、ポップコーンを初めて食べてこれウマいなぐらいのほのぼのパートなんだけど、なんかね、後の運命を知ってる人には楽しいけどツライみたいな感じでした。元から4週限定公開らしいけど、多分ここが週替わりで変わる。

 


で、本編「幕間の楔
こはちゃんと岡田麿里が脚本書いてて(監督は同じく長井龍雪)バルバトスの模擬戦と団長がスーツを最初に着た時の話。10分あるかないかぐらいだったと思いますが、こっちはマジで良かった。こっちだけなら100点満点です。

 

カニックのカッコ良さをちゃんと描きつつ、オルフェンズはやっぱり団員それぞれのキャラですよね。
ここがね、そうそうこいつはこういう奴だみたいなのが120%の魅力でセリフやしぐさみたいなのも含めて、オリジネイターが作ってるんだから当たり前の話ではありますが、そうこれで「正解」みたいについ言ってしまいたくなる感じでした。

 

本編前のやつもそうだったけど、物語の顛末を知っている身からするとね、物悲しさを感じつつ、ああまたこいつらに会えたなっていう嬉しい気持ちでいっぱいでした。

 

しかも最後にサプライズ。
アニメパートは1期と2期の間の話でしたが、スタッフロールの止め絵でTV本編2期終了後のその後が何枚かの伊藤先生のイラストで描かれてました。

泣くわこれ。TVアニメ本編のエピローグでも多少はその後が描かれてましたが、さらにその後がちょっとだけ。アニメだと復讐に走るライドだけ不穏な感じも匂わせてましたが、そのまま消息不明になったりはせずに、再び仲間とは合流できたっぽいかな?説明は無く絵でなんとなく想像してねぐらいなので正確な所はわかりませんが、それでも少しだけ彼らの未来が知れたのはとっても良かったです。

 


更に!
私はさほど調べずに行ったので前情報で知らなかったのですが、入場者特典で小冊子がもらえて、なんとキャラ原案の伊藤悠先生の短編コミックでした。

 

タイトルは「未来の話」ながら、こっちはTV本編の先では無く、今回のアニメでやってた部分の裏話的な奴で、オルガのスーツを買いに行った先で、みんなもスーツ買ってた(或いはレンタルでスーツ姿の写真だけ撮っただけかも?)みたいな話で、ミカ、ユージン、アキヒロ、シノ、ヤマギ、ライドの6人。

 

そこの他、アニメでは入っていなかった敵側の描写もこっちだとあって、一方そのころ的な感じで、マクギリスがガエリオやカルタの事を思い返す、みたいなシーンも描かれる。

 

安彦良和が「ジ・オリジン」を、北爪宏幸が「Zディファイン」を島本和彦が「超級Gガンダム」を描いたように、いつか伊藤悠版「オルフェンズ」の漫画版が描かれる事が来るだろうか?ぐらいは想像してましたが、とりあえず10周年で短編の形ぐらいでは見れたというのはなかなかに感慨深いです。

 

 

という事で「ウルズハント」に関してはいかがなものかと思いましたが、「鉄血のオルフェンズ」本編部分の方では十分すぎるくらいに満足してきました。

次は年明け、待望の閃光のハサウェイ第2部「キルケーの魔女」です。
そっちは楽しみ。

 

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