僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者

機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者 (角川コミックス・エース)

MOBILE SUIT Z-GUNDAM
著:田巻久雄
原作:富野由悠季
原案:矢立肇
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全1巻 
2006年(連載2005-06)
☆☆

 

劇場版「新訳Z」コミカライズ。
別に映画の旧作画と新作画のツギハギ感を意識したわけでは無いだろうけど、映画3部作のコミカライズ担当がそれぞれの部によって毎回違う人が担当するという統一感の無さ。

後年になってから情報が出てましたが、最初は「クロスボーン」の長谷川裕一先生に劇場版のコミカライズやりませんかと話を持って行った所、アニメとは別物に好き勝手にアレンジして良いならやるけど、アニメそのままやってほしいならやりませんと断ってる。

 

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と、言う事はこっちの実際に世に出たコミカライズは基本的には映画に基本は忠実。
当然メディアミックス企画なので、映画の公開時期に合わせて連載されてたものですが、TVシリーズのコミカライズとかと違って、おそらくは作者も完成したものを一度見てから描いている。

 

作者の氏は私の知る限りではガンダム関係はこれ1作のみ。他の作品は知りませんけど、調べると「スターウォーズ新たなる希望」のコミカライズなんかもやってるんですね。あとがきを読む限りでは、現実の宇宙開発の事情なんかにも詳しい人のようで、そういったものも作品に重なる事を語っておられる。

 

で、面白いのは映画前半パートはドラマとして納得出来るものだったのでそんなに苦労せずに描けたが、後半は元の映画がドラマとして成り立っていないので、メチャメチャ苦労したと。

 

勿論、全体の構成や話の流れは映画そのままやってるものの、後半はセリフに極端なアレンジとまでは言わないまでも、説明的な部分が足されたり、若干のニュアンスが変わっていたりと作者なりの苦労が伺える。「原作でやってますからでは私は描けない」とハッキリ言うスタンスが流石。長谷川先生に原作まんまは描きませんと言われて他の人を探したのに、結局はまた同じような問題に直面してる担当の人の苦労が伺えます。

 

いや妥協してくれたのか基本的に大きいアレンジは無いんですけどね。メカ戦も迫力を出そうと作画頑張ってるの伝わるし、全体的にキャラの表情も必死になって歯を食いしばってるみたいな表情が大半で、穏やかな表情が少ない。
映画1本目のみに絞ればカミーユのキャラの立て方とかもあきらかにオリジナルのTVシリーズとは違いがありましたし、なんとかそこを漫画でも生かそうとしてるのが凄く伝わる。

 

妥協して必死に合わせようとしてくれてるのは伝わるけど、多分この作者さんには「Z」じゃない別のシリーズなり、外伝系とかで合う作風のものがあればそっち描いてもらった方がきっと良い物が描けるんだろうなと思えてしまいます。今回のコミカライズには合って無いけど、独特の才能は感じるのでなんかもったいない起用だなと。

 

よく富野ゼリフの分析とかで、実はちゃんとした会話になってないみたいに言われる事も多いですが、それでも魅力なのはアニメの演出があって声優さんが声でしゃべるからそこに個性が生まれるのであって、漫画でそれを再現するのは難しいんだなと改めて思ってしまった。

 

そしてアニメ(映画)は勢いで魅せるから面白いし成り立ってるんだなってのが、こうしてコミカライズを読む事でより浮き彫りになるものだなと。
これは作者の技量の問題とかそういう事じゃ無く、メディアが違えば見せ方が変わるの当たり前の話ですし、常日頃から漫画や小説をそのまま映像化しろとか言うのはナンセンスだって言ってるのと同じ問題。

 

元の映画もそうでしたし、それを言うならそもそものTVシリーズ「Zガンダム」って作品というか企画というか、一筋縄では行かない複雑さを持った作品ですので、どこまで行ってもそういうのが付きまとうし、ある意味そういう作品なんだって割り切った方が楽しめるまでありますね。

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