僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

JUNK HEAD


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ジャンク・ヘッド
監督、原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果:堀貴秀
日本映画 2017年
☆☆☆☆

 

<ストーリー>
環境破壊が止まらず、もはや地上は住めないほど汚染された。人類は地下開発を目指し、その労働力として人工生命体マリガンを創造する。ところが、自我に目覚めたマリガンが人類に反乱、地下を乗っ取ってしまう。それから1600年──遺伝子操作により永遠と言える命を得た人類は、その代償として生殖能力を失った。そんな人類に新種のウイルスが襲いかかり、人口の30%が失われる。絶滅の危機に瀕した人類は、独自に進化していたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に、生徒が激減したダンス講師の“主人公”が名乗りを上げる。地下へと潜入し、〈死〉と隣り合わせになることで命を実感した主人公は、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。今、広大な地下世界の迷宮で、クセ者ぞろいのマリガンとの奇想天外な冒険が始まる!

 

巷で噂のジャンクヘッド、こちらでも公開されたので見て来ました。いやもう日本映画史に必ず刻まれる伝説的なカルト映画の誕生と言っても間違いないので、映画好きな人は必見。自分はこの作品最初に映画館でやった時に観に行ったよ~って言えるようになるので、これは映画館で見ておきましょう。

 

いわゆるコマ撮りのストップモーションアニメという奴です。
「PUIPUIモルカー」とかちょっと前に流行ってましたが、私の中ではコマ撮りアニメと言えば「チェブラーシカ」かな?ハリーハウゼンとかまで行くと見て無いです。クレイアニメとかも含めると、やっぱり珍しい感じが面白くて何本か見てる作品はありますね。「メアリー&マックス」とか当時劇場で見て物凄い傑作だった記憶がある。あとは元々ニール・ゲイマンの原作が好きだった「コララインとボタンの魔女」も当然良かったし、スタジオライカなら「クボ」がやっぱり面白かった。

 

ただ、スタジオライカくらいまで行くと、正直あまりにもクオリティが高すぎて、CGアニメとほぼ同じような感じに見えてしまうのが難点。メイキングとか見てとんでもない事をやってるなと後から感心する感じ。

 

そこ考えるとジャンクヘッドは手作業感が手に取るようにわかるのが素晴らしい。いやこのカットとかどうやってとってるんだよっていう、カメラとかカット割りとかメチャメチャ凄いのですが。

 

実は私が一番感心したのはそこです。元はアニメーターだったとかじゃないみたいなんですよ。どこまで本当かわからないですが、素人が一人で自己流で作ったらしい。それでこのカット割りとかって、正直とんでもないセンスだなぁと。

 

私も映画オタクですから、もし自分が映画を撮るならとかまれに想像したりする事もあるんですね。でもね、ストーリーとかならまだしも、カットをどうやって繋いで行くかとか、どういう画面構成にしたらいいのかとか、そういう所が全く想像つかない。映像の原則的な本をかじってみたりした事もあるけど、全くと言って良いほどイメージが湧かないんですね。

 

映画に限らず、アニメとかもそうですが、映像を作る人って完成した絵をイメージしてそこに近付けて行くっぽいじゃないですか。このジャンクヘッドの人も、その辺りのセンスが飛びぬけてるんでしょうね。いやもう凄いとしか言いようが無い。

 

最初は素人で映像の作り方とかもわからなかったらしいですけど、新海誠って奴がどうやらほぼ一人でアニメを作ったらしい、だったら自分も一人で作れるんじゃね?と思った所が切っ掛けだったとか。ちょっと面白い。でもって作り上げたこのセンスがもう本当に圧倒的に凄い。

 

更に面白いのが、当初はこの作品も5年かけて30分くらいの中編をまず作って、クラウドファンディングで製作費を募るも失敗。その後何とかスポンサーがついて、そこからいくらかスタッフも雇って更に2年で今回の長編を完成させたと。そこでようやく海外の映画祭で評価されて(ギレルモ・デル・トロとかが絶賛)ようやく日本でも今回の劇場公開に繋がったと。作品のビジュアルも奇妙奇天烈ですが、そういった背景も面白いですよね。

 

単純にデザインとかそういうのは割とどこかで見た事のあるものの寄せ集め感は割と強いのですが、決してそこでただのパクリだよねと一蹴するには惜しい感じで、作品全体として強烈な個性を放つ作品になってるのが凄い所。

 

いわゆる可愛い感じじゃ無く、グロキモみたいな感じですので、なんかもう最初からカルト作品っぽくなってますが、そこが味なのでしょう。

 

ラストバトル的なアクションシークエンスでクライマックスを迎えますが、3部作構想で、ストーリー的には途中で終わる感じ。かと言ってそこで物足りなさを感じるわけではなく、いやもうこの濃縮された濃い味付けは十分に味わえたとちゃんと満足出来る作りです。

 

この作品とは全く関係の無い話ですが、私はPS1の「クーロンズゲート」というゲームが大好きでして、陰鬱で雑多な九龍城と陰陽とか木火土金水の五行思想なんかが描かれてたカルト作品なのですが、なんかね、ああいういかにもなカルト作品!みたいなのと近い匂いを感じて、この作品も伝説的なカルト作品として語り継がれていくんだろうなと思うと、なんかそんな伝説の作品的な物に出会えて、そこも貴重な体験でした。

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移動都市 モータル・エンジン

移動都市/モータル・エンジン [DVD]

原題:MORTAL ENGINES
監督:クリスチャン・リヴァース
原作:フィリップ・リーヴ『移動都市』
ニュージーランドアメリカ映画 2018年
☆★

 

<ストーリー>
「60分戦争」と呼ばれる最終戦争から数百年の時が過ぎ、わずかに残された人類は地を這う移動型の都市で生活することを余儀なくされた。巨大移動都市ロンドンは、都市同士が捕食しあう弱肉強食の荒れ果てた地でその支配を拡大させ、小さな都市を捕食することで成長を続けている。そんなロンドンの指導者的立場にあるヴァレンタインに対し、過去のある出来事から復讐心をたぎらせる少女ヘスターは、ある小都市がロンドンに捕食される騒ぎに乗じてロンドンに潜入。ヴァレンタインに刃を向けるが……。


予告では面白そうだけど、予告がMAX感もまたありありな作品でしたが、まさしくそんな感じの作品でした。

 

移動都市同士がガンガン激突する映画なのかと思ったら、それは序盤だけ。一応その後に空中都市とか、巨大な壁に阻まれた城塞都市とかも出てくるんですけど、そうなるとそんなに目新しさは無くなってしまう。

 

超超巨大移動都市とかやっぱりビジュアル的に面白いのですが、動力とかエネルギーは?なんでそんな非効率な感じ?しかも失われた文明の古臭い機械をありがたがって、考古学的な見地なのかと思ったら、そこから部品を使ったりする。

 

レトロフューチャーかと思えばサイボーグ的な存在が出てきたり、世界観がよくわからないまま、話もよくわからんまま終わってしまった。

 

よくわからんのはまだいいのですが、そこで「よくわからんけど面白い!」まで行けなかったのが非常に残念。

 

去年見た「デカダンス」というアニメが、あっちも移動都市でビジュアル的には似てるのですが、あのアニメって何か航空機的な物は使えないようになってるっていう設定だったんですね。だからこそ移動都市も作品の個性になってたんですけど、こっちは航空機は航空機で多少レトロな感じながら普通にある。


う~ん、何だこれ。監督はジブリ映画のファンらしくって、ハウルの動く城とかラピュタとかそんな感じの世界観を意識してるっぽいのですが、ああいうのを実写CGでやるとこんな感じって程の面白さも無い。

 

あと、壁で世界が分断されてるっていうのもあるし、ちょっとだけ主人公がミカサっぽい感じもあってか、割と「進撃の巨人」の声優さんが多く吹き替えやってたりした。が、ここもそれで何をやりたいの?感が強い。

 

その上、量子砲みたいな奴で終盤に壁を壊しにかかるのですが、上の方から少しづつ崩していくという変なやり方でした。もしかしたら物理学上とかではその方が理に叶ってるのかどうかは知りませんが、いやどうせなら壁に穴開けようよ。ビジュアル的に、え?何これ感が凄い。

 

壁に阻まれた城塞都市側がアジア人になってて、一応そういうとこは世相を反映した社会風刺になってるのかと思いますが、テーマとしてはあまりにもとってつけた感が。

 

いやこれね、バカ映画に徹した方が絶対面白くなってた気がする。
なんか色々と全部が中途半端でした。


もしこれに興味が湧いたのなら、予告だけにしてあとは「デカダンス」見た方が絶対に面白いです。原作がどういった方向性の話なのかはわかりませんが、面白そうなビジュアルを全然生かし切れていない残念映画でした。


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機動戦士クロスボーン・ガンダム

 

機動戦士クロスボーン・ガンダム(1) (角川コミックス・エース)

MOBILE SUIT CROSS BONE GUNDAM
原作:富野由悠季
漫画:長谷川裕一
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全6巻 1995-97年(連載1994-97)
☆☆☆☆☆☆

 

ええっと、まず最初に、青森美術館富野由悠季展、諦めました。
去年のGW中に行く予定だったのですが、コロナ禍で1年延期、今年は無事開催されて、行くつもりではいたのですが・・・う~ん、流石に県をまたぐのは控えようかと。別に一人で行って帰ってくるだけなら正直大丈夫だと思う。でも万が一というのもある。この自粛してる時期にさ、なんか欲望の赴くままにって違うかなと思って。


いや去年からずっと楽しみにしてました。年に10回近く他県に遊びに行ってたような私ですが、もう1年以上は地元の山形から出てません。凄い悔しい、凄くツライ。ストレスもメチャメチャ溜まってます。コロナ禍だから仕方ないとは思ってません。ずさんな対応しか出来ない国が悪いと思ってます。オリンピックを強行しようとしてるこの国はもう終わってます。いつのまにか日本はもう先進国じゃありません。

 

我々の国はもう変わってしまったのだよ、SF映画に出てくるディストピア社会のようにな!

 

という事で「クロスボーンガンダムDUST」完結記念として、せっかくだからと1から読み返そうと言う企画です。まずは当然一番最初の無印から。「逆襲のギガンティス」からにしようかとも一応考えましたが、その辺りは流れでおいおい再読していこうかと。

 

今でこそメタルビルドだのリアルグレードだので優先されて出るクロスボーンガンダムですが、ぶっちゃけ当時はそこまで人気無かった。いや私もリアルタイムで連載読んでたわけではなく、確か完結してから読んだクチです。「Vガン」はリアルタイムで見ていたので、一番思い入れのある作品なのですが、私の住んでる地域では流れで「Gガン」以降放送されませんでした。OVAの「08小隊」は早く次の話こないかな~とか思ってた記憶があるので、その辺りを待ってる時期にレンタルビデオでまとめてアナザー見たり、それだけでは飽き足らず、じゃあ全部のガンダム漫画とガンダム小説を制覇してやろう、みたいな感じで集め出した中に「クロスボーンガンダム」もあった気がします。

 

今だと単行本6冊分って決して珍しくは無いけど、当時はこの分量でのガンダム漫画って無かったはず。しかも富野御大が実際に関わってるというのも珍しかった。

 

「F91」のシーブックが継続して出てるのもあってか、よく昔からF91の続編的な言われ方をしてきましたけど、コスモバビロニア戦争の顛末が直接描かれてるわけではないので、そう言われると結構違和感があります。W主人公としてトビアを配置して、メンター役をやりつつシーブックのカッコよさも十二分に描き切るっていうセンスが抜群。

 

少年活劇物っていうコンセプト自体は最初からあったっぽいけど、そこは明らかに長谷川節かと思われます。「Gレコ」でさ~、難しい事は考えずに少年の冒険譚として見て欲しいとか劇場版の方で富野は言ってるけど、なら長谷川の力を借りれば良かったのにとか今更ながら思わないでもない。いくら劇場用に再編集した所で私はそうなってるとはとても思えなかったし。

 

ああそう言えば関係無い話だけど、「機動新世紀ガンダムX」で設定協力に長谷川の名前がクレジットされてるのは、実際何か協力したわけではなく、クロスボーンの方が先行して連載してた(しかも富野の原作付きで)ので、後から正規のTVアニメでガンダム「X」にしちゃうってそりゃ無いよ、と嘆いたら、クレジットに名前が入る事になったのだとか。

 

アルファベット的には「CROSS BONE」ながら、交差する骨のXがモチーフで、X型のバーニアが特徴のシルエットなのでクロスボーンも言わば「Xガンダム」なので、同時期に同じモチーフだとそりゃちょっと抗議したくもなるわな。

 

この辺を踏まえて「ビルドファイターズ」でマオ君がガンダムX魔王→クロスボーンガンダム魔王と乗り換えてクロボンにサテライトシステムを搭載してたのはなかなかにマニアックなネタでした。

 

で、クロボン本編に話を戻すと、読み返してこんなに短い話だったっけ?
と思ってしまった。

 

トビアが宇宙海賊に合流して、木星の総統ドゥガチが居るとされる木星イオへ攻め込む。何とか倒したかと思ったらその隙に木星軍は地球へ侵攻。海賊軍も追いかけるも出遅れて後手に回り敗北を喫する。表向きは平和的な交渉を装っていた木星軍がその本性を現した時に、海賊軍は残党をかき集めてドゥガチの野望を打ち砕く為に最後の戦いに挑む、っていうぐらいのストーリー。

 

ただその中で印象的なシーンやセリフがこれでもかと盛り込まれてて、非常に濃いし、何度読んでも本当に面白かった。

 

個人的には一番好きなのはカラス先生の
「我々は木星人なのだよ。古いSF映画に出てくるようなね」
っていうのが強烈でメチャメチャ好きだ。価値観の反転みたいな部分です。

 

人が宇宙に新しい大地を求めたっていうのが現在から見たガンダムの未来感なんだけど、SF映画とかだと火星が昔からタコ型宇宙人とかが住んでるとされてきた。それが宇宙戦争とかのトライポッドとか、宇宙世紀では無いけど「Δアストレイ」とかでは火星が舞台になってきた。ああ、宇宙世紀だと「F90」が一応火星絡みか。まだ完結して無いので読んで無いけど「ガンダムインレ」も確かそうですよね。

 

その火星よりも遥か先にあるのが木星ですよね。ガンダムシリーズだとジュピトリスがヘリウム採取で木星を行き来してるっていう設定があって、「ZZ」でジュドーが最終的にそっちへ旅だったリ、「Z」のシロッコ木星帰りの男、として一目おかれてるし、時代は前後するけど「Vガン」のフォンセ・カガチも木星出身というのがあって、木星には人の価値観を変える何かがある、的に思われてきた。サイバーコミックスでやってた「ジュピターミラージュ」とかも、そのわけのわからんものを、わけのわからん感じで描いてた作品だった気がする。

 

ただこれって、フィクションではなく現代の感覚で言えば、初の有人宇宙飛行を成し遂げたガガーリンの「地球は青かった」とか「ここに神は居なかった」みたいな言葉だとか、初の月面着陸のニール・アームストロングの「一人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な一歩だ」みたいな所を踏まえて考えるとより面白く見えてくる部分。

 

実際にどうかはわかりませんが、昔からよく宇宙に行った人は価値観の転換が生まれるとか言われてて、宇宙に行って戻った後に妙にスピリチュアルとか、逆に自然回帰みたいな方向に行っちゃう人も多いって聞きますよね。1巻の冒頭で、木星圏に来たトビアが、ここが人類の最先端なんだって言うのはそういう事で、ガンダム世界に置いては「木星」ってのがそういうポジションを担っていました。

 

それをレトロなSF映画的火星人や木星人みたいなものとミックスさせて、もはや木星圏の人は「地球人」ではなく「木星人」になってしまったのだ!っていう事を言ってる。これで何かしらの理由をつけて木星の人は血が緑色とか青色になってたりするともっと最高だった気がしますが、クライマックスではドゥガチも「ただの心の歪んだだけの人間」となるわけで、そこは流石にやりすぎか。

 

だからこそトビアがシェリンドンの所から逃げ出す時に自分の手を切って血を見せるわけだし、ラス前に地球の話になるのはもうこれ圧倒的な構成力だと思いません?

 

ニュータイプが人類の進化みたいなものだってさ、あれって根っこにあるのはただのニューエイジ思想でしかないし、あの時代ならではのものでしか無かったりするんだけど(で、それに囚われた哀れさを描いたのが同じXを背負う同時期の「ガンダムX」なわけで)それはそれでね、話としては面白いし、トビアもニュータイプである事を否定するけど、描写としては明らかに能力者としては描いてありますよね。この辺の描き方、話の作り方がもう死ぬほど上手い。

 

そこを考えるとさ~、「ガンダムUC」はただの設定遊びに終始した以上には私は思えなかったし、結構やっぱり抵抗がある。それなりに楽しんではいるし、そこに優劣をつける事にさほど意味は無いだろうとは思いつつ、やっぱりクロボンの方が100倍凄い事をやってると思うんだけどな~と。

 

で、そういう作劇上のロジックはあるわけですが、カラス先生を倒した時のトビアとか読み返したら意外と勢いだけで倒してました。そこがインタビューで言ってた時と場合によるって部分なのか。

 

死の旋風隊(デスゲイルズ)が前半でシーブックのX1と、後半でトビアのX3と2度戦ってるのですが、この辺も割と対比として見所で、デスゲイルズのMS3機って、単機ではクロスボーンガンダムの性能に叶わないので、それぞれに攻撃力・防御力・速さのパラメータを全振りして3身一体で敵機を凌駕するっていうバトル漫画っぽい発想が面白いし、逆に倒す方もその弱点をつくと。で、第2ラウンドのトビアになると、同じ話を繰り返したって仕方ないから、今度は重力のある大気圏内では無重力の宇宙と同じ動きは出来ないっていう、環境の違いと別の視点を描いてくる。この辺のずらし方ですよね。

 

ABCマントで全身を覆っててバーニアが隠れてしまうからX字フレキシブルスラスターが露出しているっていうMSコンセプトがあれば、じゃあビームシールド使わないのかと言えば別の用途で使うし、ドウガチ戦の1戦目と言えるエレファンテ戦ではIフィールドで覆われてるからそのアウトレンジまでビームが届くノーズ砲になってるってのも面白い発想だし、実はここ、最終決戦のディビニダド戦でもちょっと関連して考えられるようになってますよね。X3がビームシールドではなくIフィールド装備に変更されてたから大型メガ粒子砲をそらして誘爆を誘えたと。通常のビームシールドなら貫かれて終わりだし。

 

私はそんなにメカオタクでは無いので、キャノンついてて長距離支援くらいはまだわかるのですが拠点防衛用とかナントカ仕様とか言われても実はよくわかりません。

 

ああ、「08小隊」のノリス戦で、グフとガンダムが戦ってるけど、実はノリスの狙いはガンダムじゃなくてガンタンクの方だった。なぜならガンダムの装備じゃ空飛んで逃げるケルゲレンを落とせないけど、ガンタンクの砲撃だけは届いちゃうから、ガンダムを倒すことで無くガンタンクを倒せばノリスの勝ち、っていうのはロジックがあってやっぱり凄く面白味を感じました。試合に勝って勝負に負ける(逆か?)みたいな所で。

 

それくらいの部分はわかるのですが、ガンダムの細かい何何仕様の違いとかそういうのは実はよくわかってません。ただそこをクロボンはわかりやすく描いてあるのが好きなのです。

 

ABC(アンチビムコーティング)マントがあるので、単発のビームでは無くビームをその場で停滞させるクァバーゼのスネークハンドで対抗。で、そのリーチのアウトレンジから攻撃する為によりリーチの長いスクリューウェッブを改良して更に対抗する、みたいなある意味イタチごっこですが、理屈がちゃんとわかる作りになってるのがクロボンらしい面白さです。この辺の流れもある意味では価値観の変換ですよね。ああこういうのもあるのか、こうくるのかっていう驚きと納得がある。

 

トビアが生身のままX2と戦うとかのシチュエーションの面白さもあれば、これぞ名場面の「貴様のものではあるまい」「そうだな、ならば海賊らしくいただいていく」の圧倒的なカッコよさもあれば、「俺達の切り札はクロスボーンガンダムなんだ。奇跡を見せてやろうじゃないか」からの「神よ、もし本当におられるのでしたら…決着は人間の手でつけます。どうか手を―お貸しにならないで」とかもう痺れるくらいの名シーン。

 

不可解な力による奇跡、ではなく自分達の作戦による奇跡、そしてオカルティックな謎の力とかでの決着は今回はやらないという決意。

 

ガンダムにおける謎パワーって、嫌いと言う程ではないけどやっぱりどこかひっかかる部分はあって、作劇の展開上必要だから入れてるのかな?くらいにこれまでは思っててました。ああいうのを無しにした「0083」が私の嫌いなミリタリズムに走ってた作品になっちゃってたから(いや0083は外国映画のセンスを取り入れてる所は良いんだけど)オカルトパワー無しにするとやっぱそっち方向になっちゃうのかな~、それはそれで嫌かも、なんて思ってた所でクロボンですよ。オカルトでもミリタリズムでもなくてもこんなに面白いもの出来んじゃん!と。

 

こうして改めて色々書いてみると、やっぱりクロスボーンガンダム、至高の作品だなぁと思います。ガンダムってやっぱり人気でファン層も広いし全体的なパイで言えば相当に大きいと思うんだけど、なかなかこういう視点で語る人は少ないので実は結構もどかしい。クロボン評価してる人の多くが「漫画として面白い」って言うんだけど、その漫画として面白いっていうのはどういう事なのかまで説明できる人って私は見た事無いです。いや私も同じような事言いがちなんだけどさ。

 

という事で今回は少し掘り下げて語ってみたけれど、これ読んで何か通じた人は果たしてどれくらい居るものなのか、はたまた意味不明にしか思われないのか微妙なとこです。

 

という事で次は短編集の「スカルハート」です。

機動戦士クロスボーン・ガンダム (6) (角川コミックス・エース)

 

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ヒーリングっど♥プリキュア オフィシャルコンプリートブック

ヒーリングっど プリキュア オフィシャルコンプリートブック (学研ムック)

Healin'Good ♥ precure Official Complete Book
刊:学研 Gakken Mook
2021年
☆☆☆☆☆


今年も出ましたオフィシャルコンプリートブック。作品の締めとして欠かせない風物詩みたいなもんです。今回、1650円とちょっとだけ値上がりしましたが、それでもこの内容のアニメムックでは格安すぎる価格設定。全話ストーリーガイドとキャスト&スタッフインタビューを収録。

 

去年もだったっけかな?プリキュア以外のレギュラーキャストのインタビューページ開いた瞬間に笑ってしまった。細かっ!何も2ページに9人分も詰め込まなくても。しかもみんな細かく答えてるので、老眼鏡無いと読めないんじゃないかってくらいにびっしり。でも、サブでもちゃんと各々の愛が詰まってて良いです。

 

監督とかプロデューサーのインタビュー読んでると、ヒープリは元々がオリンピックイヤーというのも重なって、最終放送話数が未確定なまま進んでたのね(最大で46話ではあったそうで)。最終的に休止した分の時期はずらして全45話になりましたが、元々が50話までは無い構成だったとの事、ただその中でも45話は実際に放送出来るかギリギリまで未確定だった為に、44話の時点でエピローグ部分まで入れて、最悪そこで終わっても大丈夫なように作ってたと。

 

近年はラス前に決着をつけて、最後はいわゆる引き継ぎ回にはなってるものの、未確定だった故に、シリーズディレクターである池田さんが最終話の演出に入ったという事です。基本的にシリーズディレクターは1話とクライマックス(と大概は中盤の山にも入る)をやる事が多いわけですが、今回44話は「ミラクルリープ」の深澤さんが担当してました。もしかして放送出来ない可能性もあるとの事で、池田さんがそこで迷惑かけたくないのでじゃあ自分でやるって言ったそうで、悔しい半面、仕事として責任感を持って対応したんだなぁと。

 

全体的な流れの構成自体は変わって無いそうですが、ただ放送が止まっただけでなくコロナで仕事も止まっちゃってるので、細かい所では変更は勿論あって、本来は映画のプロローグ編として「5GoGo」を一度TVシリーズの方で出してから映画に繋げる予定もあったものの、そこは取りやめになっちゃったのだそうな。

 

当然だけどコロナの影響がそりゃあゼロって事は無い。アフレコも最大4人までにして、消毒してからの入れ替えの形になっちゃった事も語られてます。あんまりアフレコの事は詳しくないですが、4本の設置されたマイクに入れ換わり立ち替わり入るって言うマイクワークを無くして一人一つの形にしたって感じでしょうか。

 

あと監督の話で面白いのは、ダルイゼン浄化の例の42話。あそこまで賛否渦巻くとはちょっと予想外だったって話。ここって色々な人の話を合わせて読むと、結構やっぱり複雑な要因が重なってて、そもそものダルイゼンが何であんなイケメンだったかというか、ヒープリは敵側を人間型にしたのは、怪人タイプの敵幹部だと子供が怖がるからっていう理由で人間型にしたと。でも敵は病気モチーフだし、最初から和解路線は考えて無かったそうですが、人間型にしてしまった故に意外と敵にも人気が出ちゃったのが想定外。しかも毎回敵側はコントで楽しいキャラにもなっちゃったからと、一応は若干のエクスキューズとしてシンドイーネをアースが取り込むという形になった。

 

私もヒープリ最終回後の感想で書きましたけど、やっぱりここってプリキュアの敵幹部の扱いの歴史にも色々と重なってくる部分だったようです。

 

ただここ、池田さんがここ最近のプリキュアシリーズで思ってた事にも重なってて、「私はプリキュアが観てくださっている方にすごく都合よくとらえられている面もあると感じたんです」って言ってて、だからこそ今回のヒープリは普通の女の子の話にしたかったと。ダルイゼンの話だって、プリキュアなら敵であっても全てを救うべきだ、過去のプリキュアだってそうしてきたし、そんな女神のような存在であるべきだ!的な所から反発が生まれたんですよねきっと。

 

でもこれ、シリーズの歴史背景の流れ的なものも踏まえた文脈で見ると凄く納得できる流れがあって、1作目の「無印」~5作目の「5GoGo」くらいまではやっぱり普通の女の子が世界を救うっていうコンセプトが根本にあった。言わばそれが1期目の特徴で、次の6作目「フレッシュ」から11作目「ハピネスチャージ」まではヒーロー物のコンセプトが強まって行きました。「たまたま普通の女の子が世界を救った」から「世界を救う為のヒーローがプリキュア」という感じで変化していきました。そこが行ってしまえばプリキュア2期目の特徴です。

 

で、12作目の「Goプリンセス」はその2期目のヒーロー路線を受けて、じゃあヒーローってどんな存在?みたいなものを描くようにシフトしていく。ヒーローたるべき理想の私は?という、言わば自己実現系の話になるわけです。そこから派生して、理想の自分だけでなく、理想の世界とは?みたいな方向に16作目「スタートウゥインクル」までで行きつく事になる。ここってなりたい自分とかなるべき自分、みたいな所がテーマにあるから最終回とかで大人になった姿が描かれるようになる。そこがプリキュアの3期目の特徴です。

 

あ、厳密に時期によって壁があるとかじゃなく、それぞれに引き継ぎつつゆるやかに変化していった形なので、そこは誤解無きよう。そこで意図したものでは無いにせよ、コロナ禍っていう大きな世界の変化がある中で、理想の自分、理想の未来、理想の世界を描くんじゃなくて、今を生き抜くのに大切な事って何だろう?にここでまたシフトチェンジが行われたわけです。これからを「生きてくって感じ」を描いたヒープリと、「今、一番大切な事をやろう」というトロプリに繋がると。だからヒープリからは4期目に突入したんだって思って間違いないと思います。

 

プリキュアは同じプロデューサーとか監督なり脚本家がずっと継続してやってるのではないですが、こうしてシリーズ全体の流れを把握して見て行くと、やっぱりそこは物凄く面白い。

 

いや~、ヒープリ見終わった直後はあんな散漫なまとめきれない感想になっちゃいましたが、こうして少し時間を置くと、なんとなくですがヒープリってこういう作品だったな、というのが多少は見えてきた気がします。

 

プリキュアはね、やっぱり面白いんですよ。


そしてコロナ禍の中でこうして苦労の多い中でも一生懸命頑張って愛を持って作ってくれてるんだな、と思うと、本当に感謝しかないです。

 

そしてちょっと意外な事実がシリーズ構成の香村さんから。ラビリンのモデルは工藤遥だそうな。香村さんは「ルパパト」のシリーズ構成もやってるので、ルパンイエロー役の工藤遥を隔て、この子いいなってそっから引っ張ってきたんでしょうね。(最終話のサルローさんもちょっとジュウオウジャーのラリーさんっぽかったけど)ルパパトも大好きな作品なので、そこはちょっと嬉しい発見でした。

 

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ガールズ&パンツァー 最終章 第3話


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GIRLS und PANZER das FINALE
監督:水島努
日本映画(OVA上映) 2021年 (全6話予定)
☆☆☆☆☆

 

という事でガルパン最終章最新話、こちらでも上映開始したので早速見て来ました。

 

いやもう面白すぎる。最高としか言いようが無い。
御覧の通り1~2話を復習してから観に行ったので、気持ち的にもテンション継続したまま見れて最高に面白かった。

 

勿論、単体の「映画」として観た時は、起承転結で作られてるようなものでは無いので、これ映画じゃ無いだろって感じではあるのですが、50分の全6話だから実質TVクール12話分と同じ分量ですよね。2年に一度って相当に遅いペースですが、素直にTVセカンドシーズンとしてやってたらこのクオリティは流石に無理だった気がします。まあ完結した更に1~2年後とかに新規OPEDつけて分割してTV放送しそうな気もしますが。

 

で、前回の2話の感想の時、おそらくは歴史を元ネタにした部分もあるんだろうと書きましたけど、私は歴史は疎いのでその辺の事はよくわかってないです。更に言えばミリタリーオタクでも無いので戦車の事もさっぱり。サメさんチームのは大きいのでまだ違いはわかるけど、後はカメさんチームが他のとも違うかなってくらいで、他は大して差もわからないまま見てます。(自動車部のはターボがかかるくらいか)敵の車両なんかもっとよくわからない。ついでに言えばキャラもよくわからん。ガンダム興味無い人が見ると「どれも同じじゃないですか」ってなっちゃう人の気持ちはこういうのなのでしょう。

 

でもさ、それでもこんなに面白いって言うんだから、どんだけ凄いんだガルパンはって話です。歴史の事とか戦車の事とか詳しければ、私が楽しんでる以上にもっともっと面白いって事ですよね。異常なクオリティだと思います。

 

そして最終章、TVシリーズの方だと基本的にはやっぱり主人公のみほ率いるあんこうチームの話だったと思うのですが、サブキャラとか、今回で言えば敵の知波単学園(日本軍)の成長まで描いてる辺りがより面白くなってる要因なのかなと。

 

しかも大洗は何かあればみほだのみっていう構造すら利用して、あんこうチームを潰せば何とでもなるとピンポイントで弱点を狙ってくるこの構成の上手さ。TVシリーズで優勝して、今度は王者として狙われるようになってしまうという逆転の構造。

 

脚本の吉田玲子って多分ミリオタとかではなさそうだし、基本的な流れみたいなのは作りつつ、ブレインストーミングでみんなでこうすれば面白い展開になるんじゃないかって感じで作ってるのかなと思います。で、あんこうチームの描写が薄くなるからポジションチェンジとかやってみようか、とかそういうアイデアが出てきてるような気がする。

 

夜戦って今回初めてだったっけかな?そういうシチュエーションの面白さもあるし、知波単のちびっこの福田だったっけ?あの子のバレー部との交流とかも見ていて気持ち良いし、今回は他の学校の2回戦なんか短いですが入ってて、これで50分だとは思えない気がきいた満足度。とにかく面白かった。

 

そして準決勝となる継続高校(フィンランド軍)能登麻美子演じるスナフキンもどきも良いです。私は能登さんとか早見沙織のウィスパーボイス好きな上に一時期ムーミンというか、その原作者のトーベ・ヤンソンにハマって全集とか全部読みあさった経験があるので、継続高校にもちょっと期待してます。ってかこいつ1話で大会には出ないとか言ってたはずだけどそこは置いとく。


そういえばトーベ・ヤンソンドキュメンタリー映画だか伝記映画だか作るって何年か前に聞いた気がするんだけどあれどうなったんだろう?

 

雪原の村での戦いとか、絵的にも「T-34レジェンドオブウォー」っぽいな~なんて思ってた所に、ラストはとんでもない引きですよ。
これでまた2年待たされるんかいな。これは4話の時も復習してから見た方が良さそう。つーかこのペースだと完結するの2027年なのか?もはやガルパンおじさんどころかガルパンじじいに足突っ込みかけてるぞ?


とりあえずそこまでは頑張って生きようと思いました。

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ガールズ&パンツァー 最終章 第2話

ガールズ&パンツァー 最終章 第2話 [DVD]

GIRLS und PANZER das FINALE
監督:水島努
日本映画(OVA上映) 2019年 (全6話予定)
☆☆☆☆☆

 

BC自由学園フランス軍)との決着から2回戦の知波単学園(日本軍)戦の途中まで。
興味を継続させる為のクリフハンガーってのは仕方ないとは思うんだけど、話の途中なのに2年に1話しか進まないってのはホントにもどかしい。その分、1時間無いのにメチャメチャ濃くて短さを感じさせないのはホントに凄いけど。

 

1話の時に書いたガルパンの面白さの秘密でもあるロジカルさを今回は語っておこう。いや、文字通りロジックのある戦い方をしてるっていうだけの話だけどさ。

 

TVシリーズの時からですが、戦いの時に大概「○○作戦です!」ってガルパンはやってたのですが、そこにわかりやすさと面白さがあるからガルパンは面白いんだよね、っていう。

 

クロスボーンガンダムカニック設定集」の感想の時に書きましたが、ロジックのある面白さをやってる漫画・アニメ・映画とか、実は意外と少ない。的に勝つ理由がハッキリ理論立てられて無い作品って世の中に多い事多い事。いや、どんな作品でも多少は突破口なり何なりくらいはあるにはあるんですけど、そこがドラマやカタルシス、驚きと納得に直結してないものが多いというか。

 

近年だと能力バトル物って一つのジャンルになってて、それが能力を駆使した頭脳戦的なものとされてますが、多分それは「ジョジョの奇妙な冒険」辺りからの系譜で、それに感銘を受けた富樫が「幽遊白書」とか「ハンターハンター」で導入するようになって、そこからより広がって行った、っていう形だったかと思う。


勿論、これは「ジョジョ」の荒木の発明とかってわけではなく、確か荒木は白戸三平の影響とか言ってたはず。そこまで行くと私も読んで無いので詳しくはわかりませんが、現実的でない技とかを繰り出しても、そこに何かしらのそれっぽい理屈を持たせていたという話。

巨人の星」だって消える魔球は球が土埃を巻きあげているから消えているように見える、とかだったっけ?(ゴメンなさい詳しくは知らないです)じゃあそれを打つには?と対抗する方もそれっぽい理屈を持って描いてくると。本当に出来るかとかそういうリアリティはとりあえず置いといてね。昔からある文法で、そこに面白味を感じる人は
そういうのをちゃんと意識して描いてるし、それが系譜になってる。クロスボーンガンダムなんかもその昔からある文法に沿ってるっていう話。

 

で、それを無視してハッタリと勢いだけで通しちゃったのが「リングにかけろ」「聖闘士星矢」の車田正美だったはず、というのを「セインティア翔」の感想の時に書きました。車田は本宮ひろしの弟子だったはずだし、永井豪とかその辺も理屈とか理論なんか気にするような人では無いので、そこは系譜と言うよりジャンプ漫画の歴史として車田が挙げられやすいってだけかも。

 

小難しい理論をいちいち考えるより、ハッタリ効いてて派手だからっていうのもあってか、後者の流れの方が大きくなっていったのかなと思うし、映画史まで考えるとまた別の流れはあると思うのですが、アニメや漫画だと大体はそんな感じかなぁと。

 

そんな中でガルパンは珍しくロジックを持った作品になってるんですよね。だから美少女とかミリタリー(戦車)に興味が無くても、普通に話というか、戦闘の展開のみで面白さを出せる作品になってる。

 

この機体は全部装甲で覆われてるけど、砲塔を動かした時にだけ露出する排気口だけは装甲が薄いから攻撃が通る。じゃあ相手の砲塔を動かすには?そして上から攻撃する為の位置取りは?

とかそういうロジックで話を作ってるので、ああなるほどこうやって弱点をつくのか、みたいな考える面白さがあるんですよね。今回の最終章もそうですし、その辺りが戦車や戦術の事なんて全く知らなくても面白さを感じる要因だったりする。

 

これがね、例えばありきたりなロボットアニメだったりしたら新兵器とか新型に乗り換えて性能的に強いんだぜという表面的なものでしかなくなってくる。それをガルパンではやらずに「○○作戦です!」しかも気の抜けたような変な作戦名だったりするわけですが、それはこういう事だったのか!っていう驚きと面白さに繋がると。ガルパンの面白さの本質って私はそこだと思うんですよ。見てる人に驚きや納得をちゃんと提供してくれるわけですよね。「戦術の面白さ」で話を作ってる。

 

多分、そこはミリタリー的な視点から来ていて、過去の歴史を踏まえたものだったりするのかなとは思うのですが、そこに関しては私は知識も無いのでよくはわかりません。

ただ、やっぱり「クロスボーンガンダム」とかもそうなんですけど、単純に受け身になって作品を見ているだけだとあまり普通の作品との違いを感じて無い人も多いのかなと思うのですが、クロボンにせよガルパンにせよ、この敵をどう倒すのか、この展開をどう切り抜けるのか、そう言う所を見ると同時に先はどうなるのかと読みつつ、考えて「観る」とそこにちゃんとしたロジックがある分、そうきたか!とか納得した!みたいな面白さがある作品になってて、そこがね、面白さの秘密みたいなものじゃないかと。

 

歴史には詳しくないですが、ただ今回の話の知波単学園って日本軍がモチーフになってるわけじゃないですか。ひたすら突撃するしか脳の無い劇場版の方から、今回ね、やっと引く事を覚えたっていうのがね、なんか今のご時世を考えると泣けて来ます。

 

オリンピックをやれば神風が吹いて日本が復興できるとかいうまったく根拠のない精神論で一億総突撃を今の日本の政府はやろうとしてるわけじゃないですか。しかもある意味学徒動員の話まで出てきてますよね。

 

アニメでね、こうやって反省とパロディーをやってるというのに現実はもっと悲惨な事になってるってヤバくないですか?「AKIRA」で未来を予測していたとかそういうの通り越してガルパンみたいなトンデモアニメより更にトンデモな世の中ってどうよ?

と言った所で待望の新作の第3話に続く。


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ガールズ&パンツァー 最終章 第1話

ガールズ&パンツァー 最終章 第1話 [DVD]

GIRLS und PANZER das FINALE
監督:水島努
日本映画(OVA上映) 2017年 (全6話予定)
☆☆☆☆☆


ガルパン最終章3話の上映がこちらでもスタートしたので見る予定ですが、せっかくなので復習として1話から。最初に劇場公開時に見てますが、2話上映時にもやっぱり復習してから観に行ったので、1話を見るのはこれで3度目です。

 

最初のTVシリーズも劇場版もメチャメチャ面白かったのですが、最終章はそこから更に面白くなってる印象。これなんでかな?って思ってましたが、今回気付きました。ストーリーとかドラマをすっ飛ばしてるから最終章は面白いのか。

 

最初のTVシリーズと劇場版だと、一応お姉ちゃんとの確執とかそういうドラマ部分もありましたよね。そこはそこで盛り上がるポイントではありますけど、今回の最終章だと桃先輩の卒業の為という半ばギャグみたいな展開が大会で勝つ目的ですし、前半で新キャラのサメさんチーム(船舶科)紹介も完全にギャグのみで通してあったりする。この作風が楽しい作品だなって思わせる要因にもなってる。

 

そもそもがガルパンって「美少女×ミリタリー戦車」という、リビドー全開の作品なわけで、この作品を通して見てる人に何かを訴えかけたい的なテーマがあるわけじゃない。好きな物をミックスして全部ぶちこんでしまえっていうある意味私の大嫌いなオタクの衝動だけで突っ走ってる作品なんですけど、そこをただリビドーの赴くままに作ってるんじゃなくて、一度踏みとどまって、実はロジカルな視点も入れて作ってあるのが「ガルパン」っていうコンテンツの凄い所だと私は思ってる。

 

例えばですよ、ガルパンって美少女キャラばっかり出てくる作品ですけど、パンチラみたいなものが一切無いんですよね。デザイン的にはミニスカートですけど。大洗とのコラボで町おこしみたいなのやってましたが(私も1度ガルパン目的で以前大洗に行きました)例えば街にそういう話を持ってった時に、こういうアニメなんですって見せて、パンチラとかそういう下品なシーンいっぱい入ってたら、街の人はどう思うでしょう?世の中オタクに理解のある人ばかりではないし、女性だっていますよね。そういう人達に堂々と見せられるものを作ってるか、っていう事ですよね。

 

私は角谷杏役の福圓美里が好きなので(いやだってキュアハッピーだし)、同じような美少女×ミリタリー作品の「ストライクウィッチーズ」とかも見てみましたけど、正直とてもキツかった。最初のシリーズ完走するので精一杯でした。いや、スク水もパンツも好きですよ私。むしろそこにフェティッシュな魅力を人一倍感じる方ではあったりする。でもそれTVアニメで見たいかな?エロマンガとかAVでなら好んで見たいです。でもそういうリビドーをTVアニメで撒き散らしてるの見てると、物凄く気持ち悪い。アニメでパンチラとかあったりすると、私は喜ぶよりもガッカリしてしまう。そういうエロとかは分別つけて別の所でやろうよ。(関係無いけどプリキュアとかでも同人でエロとかやられるの大嫌いです)

 

そもそもがミリタリー自体も基本的には抵抗ある方。カッコいいな、って思う所も多少はあるにせよ、心のどこかでそれ戦争の道具じゃん、人殺しの道具で喜んでるのってそれどうなの?っていう罪悪感は拭えません。ガンダムまでいけばあれはキャラクターだし、あんなものがリアルだとは1ミリも思わないので別に良いんですけど。

 

以前、友達と戦争映画の事を話してて、戦争映画は必ず反戦のメッセージを入れなきゃならない、戦争を肯定してはいけない的な事を言ってたんですよね。私は必ずしもそうだとは思って無くて、まあ確かに戦争を肯定する人は多分今の世の中にはそもそもあんまり居ないと思うし、例えばガルパンもそうだし、「T-34」とかもそうでしたけど、戦争だの兵器だのの魅力に抗えないものもそれはそれでどこか罪悪感は持ちつつも、こういう作品くらいならあっても良いのかなと思ったりする。というのも一昔前は戦争物をエンタメ的に描く作品なんていっぱいあったし、その辺を色々調べたりしてた時に、昔から最後にとってつけたような「だから戦争は良くないのだ。愚かな歴史を繰り返してはならない」というのが半ばポーズとしてつけられるようになっていたというのを知ったからというのもある。なるほどそこは所謂「お約束」的なものなのかと。

 

戦争そのものは当然私は肯定しませんし、むしろ左よりの思想ですが、そもそも「戦争は良くない」なんていう文脈が出来たのって近代になってからの話です。それは何故かと言うと大量破壊兵器が作られるようになったから、戦車もそうですし、マシンガンみたいなものもそうですよね。第一次大戦以前は単発の銃とか剣で切り合うとか、基本的に戦場で戦う兵士のみに限定される局地的なものだったから、戦争は良くないなんて文脈はさほど大きくはなかった。


「戦争は良くない」って、人類の長い歴史の中のここ60年とか70年程度の中で新しく生まれた概念でしか無い。人間、そんな簡単に変われるもんかな?いや変わらなきゃいけないとは思うけど、そんな短い歴史しか無い新しい価値観に一気に変われるとは私は思わないんですよね。自分は違うんだっていうのも、それはそれでエゴな気がする。

 

「人は、いつ戦争を忘れる事が出来るのか」って「ガンダムF91」の時のキャッチコピーなんですけど、遥か先の宇宙世紀になっても戦争は終わりません。F91はそれ以前のガンダムシリーズの文脈から切り離した、新世代ガンダムだからそういうコピーがあえてつけられてたし、人類の進化であるとされるニュータイプが戦争の道具になり下がってむしろそいつらが戦争の中心に居たりする辺りが富野の面白さだったりするわけですが、まあそれはまた別の話。

 

で、そんな忌むべき戦車をガルパンではどう扱っているか、なわけですが、戦車道は部活なので人は死にません。これは競技です。弾も装甲もそういうのに配慮した作りになってるんですよ、というある意味での超超超超ご都合主義設定なわけですが、そこまでいくとギャグですよね。

 

でも、だからこそ良いし、面白い。キャラ紹介も目的も全てをギャグとして割り切った最終章は、下手にシリアスな部分を見せるよりもずっと面白く感じるのは当然だし、もしかしたら最終章も後半はそれなりにシリアスな部分が出てくるのかはわかりませんが、(一応西住家の問題は解決して無いんですよね)少なくとも前半はギャグでいってしまえというは正解だったと思うし、言わば最終章ってエクストラステージ的なもので、ストーリーとしてはおまけだけど、面白い部分だけを楽しんでね、っていう作りにしてあるので、これまでよりもより面白く感じられるのはその辺りが原因なんだと思われます。

 

ガルパンにシリアスなドラマなんか求めて無いよね、っていう割り切りが良いし、その分ファンサービスとか自分達がやりたいマニアックなこだわりが出来ると。

 

最初観た時ね、新キャラのサメさんチーム、あんまり魅力のあるキャラじゃないな~って思ったんですけど、3回も見るとね、ああこれは船乗りが丘で戦車に乗るっていうドタバタギャグコメディーなのかと素直に笑えて好きになれました。

 

という所で2話に続く。
せっかくなのでそっちの方でもう一つのガルパンの根本的な面白さの理由を語ろうかな。ロジカルな部分のもう一つの作品としての特徴の事です。

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