THE UNITED STATES OF CAPTAIN AMERICA
著:クリストファー・キャントウェル 他(作)
デール・イーグルシャム 他(画)
訳:吉川悠
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2024年
収録:The United States Of Captain America #1-5(2021)
☆☆☆
奪われた正義の盾(シンボル)を取り戻せ!
キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースが正体不明の敵に襲撃され、正義の象徴である盾が盗まれた――! スティーブとその相棒であるファルコンことサム・ウィルソンは犯人を追っている途中で、キャプテン・アメリカを名乗る謎の少年と遭遇する。彼によると、なんと全米各地には他にも多様なキャプテンたちが存在しているというのだ。はたして、彼らは一体何者なのか? そして、盾を奪った敵の目的とは⁉ アメリカを横断する壮大な追走劇が幕を開ける……!!
キャプテンアメリカの名声と地位、ブランドを失墜させるため、宿敵シンシア・シュミットが偽物のキャプテンアメリカを作り問題を起こしはじめる。
スティーブ・ロジャース、サム・ウィルソン、バッキー・バーンズ、ジョン・ウォーカーらが集結して問題の解決にあたる中、シンの作った偽キャップとも違う、多くのご当地キャプテンアメリカが各地各州に存在することがわかる。
彼ら彼女らは実際はただの地元の自警団でしかなかったが、みなキャプテンアメリカに影響を受け、理想や正義を実現するため立ち上がった存在だった。
本物のキャプテンアメリカはそれらのご当地キャプテンもどきらと出会い、チームを結成していく。
事件の解決に奔走する中、シン以外の黒幕もやがて姿を現し、キャプテンズらと死闘を繰り広げる。
アベンジャーズのように宇宙の危機に立ち向かうわけではないけれど、自らの理想や正義を守るため、自分たちの町やコミュニティを守るため、ローカルなキャプテンアメリカに自らなるというのは面白味もあるけれど、まねっこコスプレヒーローの危うさは感じてしまう。
もちろん、ただの自己顕示欲でヒーローごっこをしてるわけではなく、キャプテンアメリカの名前や衣装(そのままでは無いけれど)を使うことで自らを奮い立たせたり、理想を掲げるキャップのようになりたいとその力を借りるみたいなのはね、別にコスチュームを着たり問題の解決に当たったりしなくても、ヒーローの心を胸に秘めて一歩踏み出す、勇気を出す、みたいな気持ちは私も痛いほどわかるので、グッと来る部分はある。
この手のヒーローごっこで思い出すというか印象深いのは確か「バットマン:ダークナイトリターンズ」での1シーンだったかな?強盗だかに対して、一般人がバットマンになった気分で立ち向かおうとしたけど、見事に惨殺されて終わり。みたいなシーンがあって、まだアメコミ初心者の頃だったので、こう言うことを書くアメコミって面白いなと凄く印象に残ったのでした。俗人がヒーロー気取りをしてみた所でこうなるのが関の山だよね、みたいな徹底したニヒリズムが面白いなと。
それこそ今の時代みたいに誰でもネットやSNSに繋がっていて、頼んでもいない余計な正義感を振りかざす奴らが目立ったりする世の中じゃないですか。私はそういう人たち大嫌いですし、自分も知らないうちにそうならないように気をつけてたりはするけど、それと同時に未だにヒーローへの憧れや理想を持ってたりもするタイプの人ですし(MCUでもやっぱりキャップが一番好きです)こういう問題は色々と考えてしまいますね。
多分ですけど、それこそスパイダーバースみたいに、ヒーローのバリエーションを考えたり出したりしようみたいな企画のキャプテンアメリカ版的な感じをやろうとしたのかなとか勝手に勘ぐってしまいますが、そこで単純にマルチバースの各種キャプテンアメリカバリエーションではなく、キャップに影響を受け自分もああなりたいみたいな感じのローカルキャプテンを描いたのはなかなか面白い。
以前に「ロード・トゥ・シークレットエンパイア」ってコミックを読んだ時に、フリースピリットとジャック・フラッグってキャラが出てて、これはバットマンにおけるバットファミリーみたいな感じでキャプテンアメリカの亜流っぽいキャプテンファミリーみたいなのも居るのか?みたいな感じの感想を書いてますが、ライターは今回と違うけど、なんかそういう発想の延長にも感じられて面白いです。
正直言って今回の話はたいして優れたものや面白いものでも無いのですけど、昔からそうですが私にとっては違う文化や文脈で日本の漫画とは全く違うセンスや感覚が味わえるからアメコミって面白いし好きなんですよね。こんな描き方をするのか、こんな切り口なのか、こんな発想があるのかみたいなところに新鮮味や面白味を感じる。
そんな意味では今回も一風変わった感じでそこは楽しかったです。
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