INVINCIBLE IRONMAN:REBOOT
著:ブライアン・マイケル・ベンディス(作)デイビッド・マルケス(画)
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション
アメコミ 2018年
収録:INVINCIBLE IRONMAN #1-5(2015-16)
☆☆☆
天才にして億万長者
トニー・スタークが新アーマーを発明
新しい出会いと新しい目的に導かれて、トニー・スタークは人生を再定義するであろう試練に挑む。マーベル・ユニバースを揺るがした“シークレット・ウォーズ”を経て、アイアンマンが得た驚くべき協力者とは……?さらに、彼の前に旧敵マダム・マスクが現れる!苦悶するホイットニー・フロストはいままでになく危険で、怨恨に満ちている。衝撃に満ちた物語が、全身を包む驚異の装甲の限界を試そうとしていた。とはいえ、注目すべきはトニーの新たな仲間だろう。
天才にして億万長者、そして慈善家の遊び人がスーパースターへの階段をまた一歩上る!
イベント「シークレットウォーズ」を隔てマーベルユニバースの世界観が更新され、オールニューディファレント、オールニューマーベルとして仕切り直し。そこで刊行されたアイアンマンタイトルの一つ。今月末に「シビルウォーII」の日本語版が出ますので、時期的にも丁度良い感じです。
表紙にもなってるモデル51アーマーのモデルプライム?正直デザインも微妙だし、絵もあんまり上手な人じゃ無いなぁというのが第一印象だったのですが、本編の絵はメチャメチャ上手い人だし、そもそもこの最新アーマー、過去アーマーの全ての機能を備えているという事で、トニーの意思一つで形状が変わるっぽい。MCUの「インフィニティウォー」でナノマシンで形状を変えられるってやってましたけど、ベースはともかく変形の形とか原作のこれがベースになってるのかな?ってくらいに似てました。
途中で忍者サイボーグと戦う時に、ニンジャ風ロビンマスクみたいになるのがデザイン的に凄く好きです。ただ、アイアンマンのデザインの素晴らしさって、角とか突起をつけない所が私はアメコミらしくて凄いなと思ってたりします。
日本のデザインってやたら角やら突起やらでトゲトゲしてるじゃないですか。そこは日本の特色だなと思う反面、とがってるパーツが多いと、ぶっちゃけ芸が無いなと思ったりもしていたので、MCU版アイアンマン(原作で言えばエクストリミスアーマーが
ベースですよね)のビジュアルを始めてみた時、トゲトゲ無しでここまでカッコ良く見せるセンスがホントに凄いと思って、更にはちゃんとそれが日本人の目から見てもカッコいい、そこは凄く感心した所でした。
そんな所でリブートとして始まったこちら、お話的には、トニーの新しい恋人として新キャラのアマラ・ペレラとの出会いもそこそこに、かつてトニーと恋人関係の時期もあったヴィランのマダム・マスクの暗躍を皮切りに、「シークレットウォーズ」で実質主役ポジションだったドクター・ドゥームがイベントの結果の果ての顔の傷も無くなり、鎧も脱ぎ棄てた状態で登場、しかもトニーに共闘を呼び掛けるという、まさしく新展開。
と言っても、マーベルユニバースのヴィランの中でも超大物のドゥームの心変わりを素直に信じられるはずもなく、ドクターストレンジに相談。その上、ヴィラン界隈ではそれなりの大物ながら、特別なスーパーパワーを持っていないマダムマスクが異常な力を発揮し始める。
更には、一連の騒ぎに巻き込まれる形で、MJことメリージェーン・ワトソンも話に絡んでくる、と物凄く新展開らしい感じで、これはこの後どうなるんだ?と一気に読ませてくれます。
ベンディスらしいギャグもあれば、そこがグッと来るオチにも使われたりと、キャラクターの使い方と絡ませ方が凄く上手い。トニーとストレンジのヒゲコンビ、凄く良い味出してます。
トニー自身も改めて自分を見つめ直す、みたいな感じの話になってて、新章の一歩目として上手く作ってあります。
ドゥームはマーベルユニバースの中でも大物中の大物なので当然ですが、マダムマスクも中堅ヴィラン(作中では割と大物な部類かとは思いますが)として使いやすそうなキャラなので、今後MCUにも出てくると思います。
マット・フラクションのホークアイにも出てますので、恐らくそれベースのドラマ版でも登場してくれるはず。そこからアイアンマンとの絡みは作りにくいかもしれませんが、かつてトニーとの関係もあったとかなら、ますますMCUはアイアンマン被害者の会ヴィランが増える事になりそう。
そんな感じで2巻へと続く。
でも単発で読んでも面白いのでオススメ。
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