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地獄の黙示録 ファイナル・カット


2/28(金)公開 映画『地獄の黙示録 ファイナル・カット』予告編

原題:Apocalypse Now FINAL CUT
監督・脚本・制作:フランシス・フォード・コッポラ
原作:ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』
アメリカ映画 2019(オリジナル1979)年
☆☆☆☆

 

<ストーリー>
1960年代末、ベトナム戦争が激化する中、アメリカ陸軍の
ウィラード大尉は、軍上層部から特殊任務を命じられる。
それは、カンボジア奥地のジャングルで、軍規を無視して
自らの王国を築いているカーツ大佐を暗殺せよという指令だった。
ウィラードは4人の部下と共に、哨戒艇でヌン川をさかのぼる。

 

映画館での特別上映。オリジナルは流石に劇場鑑賞とかはしてませんが、映画を見るようになって、有名作品だし見ておこうかな、的な感じで一度は見てると思います。再上映のアナウンスがあって、当時見た時は多分シネフィルとしては駆け出しだったから、今見たら全然違う視点で見れるだろうと楽しみにしてました。

 

でも上映時間を見たら、ん?3時間?こんな長かったっけ?ちょっと3時間はキツイかなぁとか思ったのですが、映画館で見る機会なんてそうそう無いし、まあいいかと見て来ました。これでも特別完全版より20分短いんですね。当時見たのは多分劇場公開版だと思います。フランス領の所とかは多分、初めて観たシーンでした。

 

今回見て思ったのは、とにかく暑い!暑苦しい!ジャングルの蒸し暑さ、マーティン・シーンの玉のような汗。見た時期もあるんでしょうけど、息が詰まるような3時間。

 

今ならCGでやるシーンをバカみたいな物量とナパームで焼き尽くして実際やっちゃった辺りは、単純ですけどこれやべーな感が半端無いです。有名な「ワルキューレの騎行」を流しながら爆撃するシーンは当時も今もやっぱり凄い。

 

川を遡りベトナムの森林の奥深くへ進んでいくにつれ、心の奥底へと入って行く、という構成はやっぱり映画的でとても良い。単純にストーリーが進むだけでなく、状況が心理描写とリンクしている、みたいなメタ構造は映画っぽくてとても好きな構造です。

 


軍から勝手に抜けて、ジャングルの奥深くに自分の王国を作ってしまうカーツ大佐ですが、これがね、もう人殺しなんかしたくない、国や人種が違ったって人はわかりあえるんだ、的なものじゃない辺りが、凄くアメリカ的だなあと。詩を読んだり、インテリ風を装ってるけど、自分の考えと違う人間は容赦なく殺すし、その実、ただの野蛮人でしかない。

 

主人公のウィラード大尉が、この戦争って何なんだ?カーツならその本質を理解しているかもしれない、と単純な暗殺任務から徐々に戦争に囚われてしまった自分は何をするべきなのかと期待を寄せていくように変化していくも、そこにあったものは・・・という。

 

日本も頭おかしい人が国の実権握ってたりするので人の事は言えませんが、ベトナム戦争ってアメリカのつまづきですよね。そこを反省して、変わるのなら良かったのですが、実はこっから大して変わってねぇぞ、という辺りがまさしくアポカリプスナウな感じです。

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