僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ドクター・ストレンジ&ドクター・ドゥーム

ドクターストレンジ & ドクタードゥーム (ShoPro Books)

DOCTOR STRANGE & DOCTER DOOM: TRIUMPH & TORMENT
著:ロジャー・スターン、ビル・マントロ他(作)
 マイク・ミニョーラ、ケビン・ノーラン他(画)
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2017年
収録:DOCTOR STRANGE AND DOCTER DOOM: TRIUMPH AND TORMENT(1989)
 ASTONISHING TALES #8(1971)
 DOCTOR STRANGE Vol.2 #57(1983)
 MARVEL FAFARE #16(1984) #43(1989)
☆☆☆☆

 

ドクター・ストレンジ祭りが続きましたが、とりあえずここまでにしとこうかな。残ってるのはまた次の機会に。映画のドルマムゥみたいに「ストレンジはもういいよ」気分になってくれたでしょうか。

 

ストレンジと、マーベルユニバース屈指の人気ヴィラン、ドクタードゥームの共闘を描くグラフィックノベルとして刊行された表題作と、そこに至るまでの設定が描かれている過去作を収録。ついでに二人のドクターとは何も関係ないサブマリナー主演作を2作収録。

 

ドクター・ストレンジ&ドクター・ドゥーム(1989)
ロジャー・スターン作・マイク・ミニョーラ

 

グラフィックノベルとして刊行された中編。
過去作で描かれていた、毎年夏至の夜にドゥームがメフィストに囚われた母の魂を取り戻す戦いをひそかにしている、という設定から着想して、ストレンジがその戦いに協力する、という話。

 

ヴィランであるドゥームに協力するという部分を絶妙に描いてあって面白い。初心者でも読めるようにと、ストレンジとドゥームのオリジン要素に触れつつ、ストレンジのソーサラー・スプリーム至高の魔術師という部分も、改めて描きつつ、ドゥームの悪役の部分を崩さないながら、そのキャラクター造形の深さ、これは悪役でも人気出るわなって所を生かした上で共闘させるこのシナリオの上手さ。

 

ストレンジ「フォン・ドゥーム、そこまで母君を救出したいならビシャンティの集会に表れ、回りくどい段取りを踏まずとも…ただ、私に手助けを頼めばよかったのではないか?」
ドゥーム「どんな試練にも耐える覚悟はある。だが、誰にも助けを乞うつもりはない。では、よい夜を。」
ストレンジ「複雑な男だな、ボリス」
ボリス「知れば知るほどに」

っていう所がメチャメチャカッコいい。ドゥームの従者のボリスも、使える身としてドゥームの背景を知ってるし、それを支える唯一の存在としての保護者的な眼差しがとても良い。

 

ファンタスティック・フォー、リード・リチャーズのライバルヴィランとしてだけでなく、自国のラトベリアを治める王としての姿、世界有数の天才でありつつ魔術の腕も超一級。そして地球の危機には何気にヒーローと共闘とかツンデレ要素もあり。そりゃ人気出るわなと思います。シークレットウォーズでも物語の中心を務めてましたしね。

 

個人的には90年代のヒーローズリボーン日本語版最終巻での、ヒーローが全滅する度にドゥームがタイムリープして、勝つまで何度も戦いを挑むというまさにヒーローしてたのが凄く印象に残ってます。

涼宮ハルヒまどマギ、シュタゲとかよりそれを先に触れてたので、これヒーローズリボーンのドゥームじゃん!とか思ったものです。

 

悪魔メフィストに挑むヒーローとヴィランの共闘、二転三転するクライマックス、そして母の魂と共に解放されるドゥームの魂。読み応えがあってとても面白い一編でした。

 


■アストニッシング・テイルズ #8(1971)
ジェリー・コンウェイ作・ジーン・コーラン

 

母親の救済の為の戦いが最初に描かれたのがこちらの作品。アストニッシング・テイルズ誌は2話掲載誌で、一つはジャングルの王者ケイザーでもう一つがこちらのドゥームが主役の話。ドゥーム初登場がFF5号で1962年。10年くらいで悪役のドゥームを主役でやってた辺りで人気の高さが伺えます。

 


ドクター・ストレンジ #57(1983)
ロジャー・スターン作・ケビン・ノーラン画

 

ストレンジが弟子を募集しているという噂が広まり、応募殺到、因縁のある相手がそこを利用してストレンジに近づこうとする、という話。その噂がドゥームの耳にも入り、今では無いが魔術を使う身としてはいずれストレンジとも関わる事があるだろうと、少しだけドゥームの描写が入る。

 

いつかこの二人を絡ませて話を描きたいと「ストレンジ&ドゥーム」のロジャー・スターンがレギュラー誌のここで伏線を張っておいたという一編。

 


■マーベル・ファンフェア #16(1984) #43(1989)
ル・マントロ作・マイク・ミニョーラ

 

本編でもアートを担当したマイク・ミニョーラ画という事でストーリー上は全く関係の無い話ですが、サブマリナー主役の話を2本収録。

つーかビル・マントロ&マイク・ミニョーラと言えば「ロケット・ラクーン」(1985)のコンビじゃないですか!日本語版のみ追っかけてても、こういう意外な作品や繋がりが読めるのはとても面白い。

 

2本とも凄く幻想的な話。今のミニョーラとは通じる部分は少ないですが、貴重な収録ですし、サブマリナーの話も、キャップ絡みでインベーダーズとしての出番とか、X-MENに合流した後の話で少し出てるくらいで、こういう個人誌は他に邦訳されてないはずだったかと思いますので、そっちの面でも貴重。マーベルユニバースとしては重要なキャラなので、今後のMCUにも必ず出るキャラなので予習にもなるかも。

 

ドゥームも必ずMCUには出てくるキャラなので、登場を楽しみに待ちたいと思います。


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