僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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スパイダーメンII

スパイダーメンII (ShoPro Books)

SPIDER-MEN II
著:ブライアン・マイケル・ベンディス(作) サラ・ピチェッリ(画)
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2019年
収録:SPIDER-MEN II #1-5(2017-18)
☆☆

 

2人のスパイダーマンがスイングする!!
もう一人の”マイルズ・モラレス”とは誰なのか?

 

前作「スパイダーメン」から5年後に描かれた続編。似て異なる世界、多元宇宙に自分が知っている人が居るのなら、この世界にもマイルズ・モラレスが居るのかな?と検索してみたところ、これは?という所でラストを迎えた前作ですが、その後「シークレット・ウォーズ」イベントで世界が統合、普通にピーター・パーカーとマイルズ・モラレス2人のスパイダーマンが居る世界になってしまいました。

 

普通に考えたら正史世界に居たマイルズも一人になってしまったように思うのですが、それはそれ、このストーリーだと正史616版のマイルズは居るんだよ、という形で話は進みます。

 

話としてはそこは面白いのですが、オチまでそのまま強引に進んでしまうので、う~ん、それはちょっと無いんじゃない?と一気に冷めてしまった。勝手な想像ですが、世界統合イベントを前提としないまま脚本を進めて、そのままオチも変えずに描いちゃった、という感じなのかなぁと。


だって「世界は統合されて一つになった」アルティメットユニバースはもう無くなってしまったんですよ、という大がかりなイベントをやった後に、すぐに実はまだありますよ、そこ前提で話作ってたんだから今更もう変えようがないじゃん、みたいな事をこの作品単発で勝手にやってしまった。しかも特に納得できるような理由もつけずに。

 

更に数年後にパート3でその謎を明かしますよ、ぐらいなら許せますが、ブライアン・マイケル・ベンディスはその後マーベルを離脱してDCの方に移籍してしまいました。少なくともベンディスがさらなる続編をやる確率はほぼなくなってしまった。この作品を利用して他者が上手いアイデアでフォローを入れる、くらいの事をやってくれないと結構困っちゃって黒歴史扱いになりそう。

 

が!何気に映画版「スパイダーバース」の方が、前作のネタを使ってましたが、こっちの続編の方のネタも実は使ってたのか、と今回読んで初めて知りました。映画スパイダーバースの元ネタ作品という価値は確保されてしまった。

 

映画版スパイダーバースはキングピンが奥さんのヴァネッサを亡くしてしまった悲しみを埋める為に、多次元のヴァネッサでもいいから再会したい、という思いから多次元への扉を開いてしまうという動機でした。

 

今回の「スパイダーメンII」だと、同じくキングピンがそういった気持にも芽生えつつ、そこをグッとおさえる。が、別のキャラが同じ理由で多次元への扉を開いてしまう、というストーリーになっている。そのままではないにせよ、明らかに元ネタと言えるくらいのものだったんですねこれ。

 

ピーターとマイルズの師弟関係と、各々が抱える葛藤。
探偵と言えばのジェシカ・ジョーンズ登場。
単純なバトルではほぼ勝ち目のない圧倒的強キャラっぷりのタスクマスター、
ヴィランでありながら義理を重んじるキングピンの矜持。
見所、面白い所はいっぱいあって、私も読んでる途中までは普通に楽しめてたのですが、やっぱりこの投げっぱなしで回収する事も無いであろうオチがひどくて正直ガッカリしてしまいました。

 

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