DAREDEVIL DIRECTOR'S CUT
原題:DAREDEVIL
監督・脚本:マーク・スティーヴン・ジョンソン
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2003年
☆☆☆
2003年の劇場公開版に30分くらいの追加シーンを加えたディレクターズカット版。
「X-MEN」「スパイダーマン」のヒットもあり、次々とアメコミヒーロー映画が公開されるようになった時期の、ユニバース化される前のマーベル映画。近い時期に「ファンタスティックフォー」「ハルク」「ゴーストライダー」「パニッシャー」とか、次々と映画化され、元からアメコミファンだった身としては。そうやって新しい扉が開かれて行く状況に、ヒャッホー!アメコミヒーロー映画が次々見れるぜ!とワクワクしたものです。
ヒーロー映画疲れとか散々言われてますが、2000年代頭から10年。そしてMCUに突入して10年。20年も続いてるんだからそりゃあ飽きるに決まってるし、と言うか20年も続くブームって他に何かあります?ゴシップ記事の悪口なんて、頭悪い人向けのメディアなので、私はそんなの一切気にして無いし、ちゃんと自分の価値感で判断します。渦中なので仕方ないとは思うけど、本質的なものが見えて無い人が多いように感じてます。
MCUに限らず、同時代の映画は2時間半くらいが割と多くて、どんどん長くなっていった印象(最近はまた短くする風潮になってますが)ですが、アメコミ映画初期はサム・ライミ版スパイダーマンこそ2時間映画でしたが、「X-MEN」は100分くらい。大衆向けの大作とかじゃなく、一部の嗜好家向けのジャンル映画なんだから、90分尺ぐらいに纏めろって言われた、みたいなのは当時は各作品でよく耳にした話でした。なので今回の「デアデビル」は劇場公開版が103分、本来やりたかった形のディレクターズカット版が133分になってます。
ぶっちゃけ私、コンパクトにまとまってる劇場公開版の方が好きなのですが、今回合わせて見たVチューバーの同時視聴がディレクターズカットだったのでそこに合わせてのチョイス。(どっちのバージョンもDVDは持ってるので)
アクションシーンが増えた、というのがリリース時の売りだったのですが、そこだけじゃなく、マットの弁護士パートも増えてます。昼の顔と夜の顔両面を描くことが、「弁護士」というヒーロー物でも異色なデアデビルのキャラクター性を立たせるという判断だったんだと思います。
ただ、当時はまだヒーロー映画の黎明期だったというのもあり、観客はこれをアクション映画として見に来るはずだから、ドラマパートは減らそう、みたいな判断になってしまったのかなと。
あともう一つ、大きな変更点があって、エレクトラとのラブシーンみたいなのが逆にこっちのディレクターズカット版ではカットされてるんですよね。ダメ邦画ロジックと同じで、大衆向けなら恋愛要素が必要だ!そういうシーンを追加しろ!みたいな判断だったんでしょうか。
こちらだと、スパイダーマンと同じく肝心な場面でヒーロー活動に戻らないといけなくなり、せっかく仲良くなったエレクトラを残して消えてしまう、という展開になっている。
ここはDC版の評価ポイントでありつつも、いやその前の初対面でナンパするマットの次点で結構軽薄じゃない?お話的にそういうのを過去を繰り返してるっていう部分が元から描かれてるし、ヒーロー業より女性を選んでしまう事はロマンス要素というより未熟さの象徴と捉えるならオリジナル版にせよDC版にせよ、映画全体的なテーマとしては、未熟なヒーローが真のヒーローになるまで、みたいな所を描いてるので、そこまでの差じゃ無くなるようにも思う。
あとこれ、私の勘違いじゃなければですけど、原作者のフランク・ミラーのカメオ出演部分がDCではカットされてませんでした?懺悔室で、私はヒーローじゃ無かったよ、みたいに告白するとこ好きだったのに。そこに至るまでの、子供に怖がられるシーンは残ってるんですけど。
そこはテーマに直結してる部分で、昼の弁護士業で裁けなかった悪を、夜な夜なデアデビルに変身して直接の制裁を加える。一見、ヒーローのように思えるけど、暴力で物事を解決するする姿は、ギャングやマフィアやヴィランと何が違うの?私刑執行人とかカッコつけてるだけで本質は同じじゃん?というのが映画としてのテーマ。
前半で電車に引き殺させてるのに、キングピンは殺さずに膝壊して終わりって何なの?という感想をいくつか見たのですが、いやそこの変化を描いたのがこの映画の話だしテーマじゃん!と思うのですが、まあアメコミヒーローがまだ定着してなかった時代ですし、ガンダムとかでも不殺うんぬんはその人の作品の解像度が割と出る部分なので、難しい所はあるのかもしれない。
一応、この映画としては、前半はまだ未熟な考えを持っていて、法で裁けぬ悪に制裁を加える自分はヒーローなんだと信じていたけど、実はそれは盲目的な考え方だったんじゃないかと気付かされた。その間違いに気付いた時に、心の目が開かれ真のヒーローがここに誕生したのだ!デアデビルの物語はここから始まる!という映画です。
当時の感想でとにかく多かったのが、スパイダーマンの2番煎じみたいな印象でつまらなかった、と酷評の嵐でした。同じ世界観を共有していて、ヒーローも沢山居る世界の中で色々なアプローチを試みているというのが多分世間には伝わっておらず、スパイダーマンがヒットしたからパクリヒーロー作ったんだろう程度の認識だったんじゃないかなぁ?
レーダーセンスの映像なんかも斬新で綺麗だと思うし、確かにスパイダーマンやX-MENと比べると地味だけど、これはこれで良い映画じゃないかと私は当時から思ってました。少なくとも、最初に挙げたような他のマーベル映画よりはテーマ性の部分が上手く作ってあると感じた。(他のも決してダメとは思わなかったけれども)
こちらも続編というかスピンオフ扱いの「エレクトラ」だけ後に作られましたけど、まあシリーズフランチャイズ化した「スパイダーマン」「X-MEN」程には受けなかったのが実情。
後にライバルのDCコミックスの方で「バットマン」をやる事になるベン・アフレックももデアデビルは失敗扱いしてましたし、ここで会って結婚したジェニファー・ガーナーともその後離婚しちゃいましたしね。まさしく黒歴史と言った所でしょうか。
デアデビルそのものはその後のネットフリックス版ドラマが好調、そのままMCUにも合流と、キャラクター的にはもう心配する必要もないですし。
噂話程度ですが今度の「デッドプールVSウルヴァリン」にエレクトラが出るとか出ないとか?FOX映画関係が大量にカメオ出演するんじゃないかとか言われてますし、そんな流れもあって今回見返してるのですが、ベンアフデアデビルは流石に出ないだろうなぁ。MCUハッピー役のジョン・ファブローがこれだとフォギー・ネルソン役をやってるので、その辺りはネタとして拾ってほしい所ではある。
という所で次の「エレクトラ」も見ます。
デアデビルは複数回見てると思うけど、エレクトラは劇場で1回、ソフトで1回しか見て無いと思うし、内容はほぼ憶えて無いです。
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