僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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X-メン

X-MEN <特別編> 初回生産限定スペシャル・パッケージ [DVD]

原題:X-MEN
監督:ブライアン・シンガー
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2000年
☆☆☆☆☆


シリーズ全部見て行って感想を書くシリーズ。
今回からはX-MENシリーズに行こうかと思います。
勿論、劇場で全て1度は鑑賞済みなので初見とかではありません。
1作目だけ「X-MEN」じゃなく「X-メン」なんですよね、邦題が。

 

まず私とX-MENの出会いから語らせて下さい。
90年代にカプコン格闘ゲームが出て、そのプロモーションとしてカプコンがスポンサーになってTVアニメなんかも放送されてました。それに伴って原作の邦訳版が出たり、アニメベースで日本の漫画スタイルでコミカライズ的なものや日本独自のノベライズまで出たりしてました。

 

私がアメコミにハマる切っ掛けになったのがまさにそこです。格ゲーは好きで、ゲームセンターに足を運んで対戦やってました。いやまだこの頃はCPU戦メインかな?1作目で対戦やった記憶は無くて、対戦をガンガンやってたのは2作目の「マーヴルスーパーヒーローズ」からの気がする。まあとにかく、ゲームから入って、たまたま邦訳版の原作を見つけて、X-MENの話ってどんなのなんだろうな?と気になって手にしたのがアメコミにハマるきっかけです。そこからずっとリアルタイムで追い続けてる感じ。

 

映画に関しても、そこまでは特に映画ファンという程では無かった。多分、ここの前までは映画館になんか行くタイプじゃなく、記憶は曖昧ですが、これの前に映画館に行ったのって91年の「ガンダムF91」とかになるかも?あいも変わらず昔からオタクやってたので、アニメやゲーム、漫画とかそっちばっかでした。

 

でも、X-MENの実写映画やるのか、これはどうしても見たいぞと映画館に足を運び、この後はスパイダーマンやらハルクやらデアデビルやらFFやらパニッシャーやら、1年に2~3本とマーベルの映画が立て続けにあったので、毎回楽しみに映画館に通うようになりました。「映画館に足を運んで映画を見る事」を当たり前にしてくれたのはマーベルのおかげと言っても良いです。

 

あ、この前にあった「ブレイド」は後追い。映画館で観たのは「3」だけだったかな?ブレイドはゲームにも出てないし、邦訳でも出た事がなかったキャラなので当時はまだマーベルキャラクターというのも知らずに後追いで見た気がする。

 

で、そんな感じで見た「X-MEN」が物凄く面白かったわけですよ。ゲームや邦訳で見てたキャラが実写だとこんな感じになるのか!って物凄く楽しめました。

 

でもそこで思ったんです。私にとっては最高の映画なんだけど、これは他の人が見ても面白い映画なの?って。

 

そりゃあ私は原作読んでますから、そことの比較で、原作を読んでる人も「これは違うな」とはならずに、素直に楽しめる映画になっていたのはわかる。

 

けれど「映画としての出来はどうなの?」という客観的な評価が気になったのでした。普段、映画を見てる人にも、これは出来が良い映画だったね、って言ってもらえるような作品だったんだろうか?もしかして私が「好き」なだけで、映画としてはひょっとしたらクソ映画とかの烙印を押される可能性だって十分にある。

 

例えば私が「この映画面白いよ」と言った所でね、それはあなたが「好き」なだけで、それを「面白い」と言ってるだけなのでは?「好き」と「面白い」あるいは「良い」はイコールじゃないよ、と思ったんです。

 

この映画の客観的な評価が知りたい。だって映画1本しか見てない人が面白言っていう映画なんて、何の説得力も無ければ、そりゃそれしか知らないんだったら面白いだろうさ、って当たり前の話で、これが映画100本見てる人なら、その中でも上位に入るねって言われたら納得もいくし、1000本見てる中でこれはベスト3だって言われたら説得力ありますよね。

 

私はそういう考えの人です。今もそこは変わってません。自分の「好き」は信じない・・・とは違うか、「好き」だけで評価しないというか、それはそれで一度横に置いておいて、良い悪いは客観性も加味した上で考えるという発想。縦軸と横軸で、それぞれ別の評価軸を立てて、物事を立体的・多角的に捉える、というのは常に意識するようにしています。

 

「映画としては駄作だけど自分は最高に好き」であったり「自分の好みでは無いけど、出来は本当に素晴らしい」とかそういう視点も生まれて来ます。

自分の好きなものが「良い作品」なんだって言ってしまうのも、それはそれで決して間違ってるとかではないのですが(それがその人の評価軸なわけですし)そこには説得力も無ければ客観性もない、本当のその人の中だけの狭い感覚でしかないというのは憶えておいてほしいと思う部分です。そういう人は沢山居ますし、大概の人はそんなものじゃないの?って思いますが、私は所謂オタクなので、そこに満足はしたくないな、って思ったという話。

 

はい、私は「X-MEN」の本当の評価みたいなものを知りたくて、だったらここから他の映画100本観ねば!1000本観ねば!と実行に移して、有名な作品から見始めて、過去の名作や、ハリウッド以外の国の映画、興味は無いけど評価されてるものや、ドキュメンタリーやらジャンル的な壁も作らず山ほど観て来ました。例えばそこで「アクション映画」を100本観て、その中で自分の好きな「X-MEN」はどれくらいの位置につけるのか?ではそれはそれで狭い価値観だと思ったんですよね。「映画」全体の価値基準が知りたかったので。

 

うん、でもそのおかげで「映画」っていうジャンルそのものが好きになりました。私が漫画・アニメ・ゲームオタクだった所から、映画オタクにシフトしたのはそんな経緯があったりします。

 

昔やってたブログだと確か映画900本くらい感想書いてたはずなので(最初の目標で立てた1000本までは行かなかったのでなんとなく憶えてます)今だと合わせて1500とか2000に満たないくらいなのかな?ただこれ、映画見ない人には割と大きい数字に見えると思いますが、映画オタクは1年間だけでも300とか余裕で超える人が山ほど居ますので、どう?自分はそこそこ観てるでしょ?とは言えないくらいの本数。結構中途半端だと思います。


なので基本的にはそこそこくらいの映画知識や経験がある人が書いてる感想、と思っていただいても大丈夫なはず。素人よりは毛の生えた感覚だけど、プロとか通なマニアレベルには程遠いという中途半端さ!

 

アメコミにハマるきっかけを作ってくれたのが邦訳版のX-MEN原作なら、映画にハマるきっかけを作ってくれたのも映画X-MENだったりするのです。そういう意味じゃ、私にとっては思い出深い特別な1本。

 

で、今回見返しましたが、いやぁ~やっぱり良いですね。X-MEN好きだわ。

 

設定とかは原作から結構変わってる部分はあるんだけど、そこは映画のアレンジなんだなと思ったし、原作とは違うけどこれはこれで面白いと思わせてくれたのはやっぱり今のマーベル映画の基礎的な感覚なんだなと思う。

 

日本だとどうしても漫画原作、アニメ原作とかの実写映画化って、まず最初に「それって大丈夫なの?」って心配しがちだけど、アメコミヒーロー物は比較的安心度は高い。日本の物の中にもちゃんと面白い作品もあれば、アメコミでもこれはちょっとっていうもの、どっちも実際はあるんですけどね。

 

X-MENの何が良いかって、やっぱりこのシリアスさなんですよ。超能力を駆使したバトルとかが一番の見所とかじゃなく、テーマ性とかそういう所をちゃんと重視して作ってくれてるんだなっていうのが伝わるので、そこに対しては信じられる作品だって思えた。そこが良かった。

 

いきなり強制収容所連行の暗~~~いシーンから始まって、マグニートにはそこでつけられた番号が体に刻まれてるというのがわかる。そこをね、カットで見せるだけで、セリフで「この番号を見ろ!これが何か分かるか!」とか言わせないような所が、ちゃんと映画として作ろうとしてるんだなって伝わりますよね。

 

そこから議会のシーンがあって、そうそう、アメコミはこういう政治的な部分もちゃんと描いてくれる所が面白味であって、そこで「この国に寛容は無かった」とか、グッと深みのある会話がなされる。

 

勿論、そこからのキャラクターの紹介とかドラマの展開、能力の見せ方とか、ガジェットも面白いし、ああこういう世界観なんだっていうのを結構丁寧にやってるんだなと改めて作りの丁寧さに唸らされました。ちょこちょこギャグも挟むのが後のマーベル映画にも繋がってて良いですし。

 

そして何より、プロフェッサーとマグニートーの関係性がX-MENの大事な部分なんだって、そこを大切に描いてるのがまた嬉しい。この時点では、単純に映画の中だけだと断片的な情報ですし、そこはいずれ続きが出来れば掘り下げるし(ウルヴァリンの過去も)、原作知ってる人はわかるよね?的な感覚だったんだと思うんだけど、そのおかげでマグニートーを単純な悪役にせずに済んだっていうのは物凄く大きいポイント。

 

これを単純な集団ヒーローSFアクション映画とかにしちゃってたら、私はこの映画を好きになれずに評価もしてなかったはず。実際、続編でテーマ性よりアクション物として作ってる奴は評価してないし。

 

ミスティークとかセイバートゥースとか、続編の設定を踏まえると、色々と違うってなってしまいますが、まあそこは仕方ない。それは強引な後付け設定した方が悪い。

 

2作目が特に顕著だけど、監督のブライアン・シンガー本人がゲイなので、マイノリティの苦悩みたいなものをX-MENに重ねて描いた事がやっぱり大きくて、そこは資質なんだなと思う。2作目の後に離脱して、その後に戻ってきた後の作品だと、そこよりはビッグバジェットのシリーズコンテンツ(ドラマもやってたし)という面だけが大きくなってしまって、作家性とかは正直薄まってしまった感は否めませんが、やっぱりね、1作目2作目の頃は本当に良い仕事をしてくれたなと思う。

 

ここで作家性やテーマ性を打ち出して、続くサム・ライミスパイダーマンがコミック映画はコミックの面白さを再現出来ればちゃんと面白くなるよ、っていうオタク魂を炸裂させてくれたのは大きい。

 

かつてのDCの「スーパーマン」と「バットマン」でコミックヒーロー映画の基礎を作って、「X-MEN」「スパイダーマン」で次の段階に進めた事で、ようやくマーベルも日の目を見る事になり、それが後のMCUに繋がり、映画界を牽引するほどまでに大きい流れを生むって、そこだけでも面白いですよね。

 

アメコミ読んでて良かったなぁと思わせてくれた思い出の1本です。

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