僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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CD DRAMA 遊撃宇宙戦艦ナデシコ

CDドラマ「遊撃宇宙戦艦ナデシコ」第1・2巻

CDドラマ「遊撃宇宙戦艦ナデシコ」第3巻~“木星の大蛇”

Meteor Schlachtschiff NADESICO
原作・エグゼグティブプロデューサー:麻宮騎亜
脚本:渡邊麻実
販売:角川書店 キングレコード 全2巻(第1・2巻セット+第3巻)
1998年
☆☆

TVアニメ「機動戦艦ナデシコ」の漫画版「遊撃宇宙戦艦ナデシコ」をベースにしたCDドラマ。

 

以前に書きましたが、私は「ナデシコ」はスパロボで興味を持って、後追いした作品なので、リアルタイムの状況は知りません。TVアニメ版の方では「キャラクター原案」としてクレジットされてる麻宮騎亜氏で、漫画版の連載もTVアニメに先行してスタート。

 

作品の中身を知るのは完結して数年後ですけど、私はセガユーザーだったので、セガサターンとかドリームキャストナデシコは割と大きいタイトルとして扱われてましたし、「エヴァ」人気の次みたいな感じで、ルリルリ人気が高くて「バカばっか」みたいなセリフと共になんとなくくらいの知識はありました。

でもナデシコのキャラデザと言えば後藤圭二のあの絵の方の印象が強いですし、昔から漫画家がアニメのキャラデザ原案をして、実際にアニメで動かす絵は他の人が再デザインするというのは珍しいケースでは無かったと思います(島本和彦がキャラ原案だった「Gガンダム」とかね)

 

そういう部分が原因なのかどうかは不明なものの、CD3枚目のブックレットのコメントで、麻宮氏はナデシコは結構不快な思いをして2度と関わりたくない、という辛辣な事を書かれている。

 

序盤こそTVアニメに寄せたストーリー展開ながら、ガイが死ぬ辺りからアニメ版とは全くかけ離れた話になり、一部キャラが共通するのみで、設定も展開も全くの別物、漫画の方はTVアニメでは全く触れる事の無いマルチバースの話になっていて、それはTVと漫画では別世界線マルチバースですよ程度では無く、漫画内だけで他のマルチバースからの侵略を受ける、みたいな話になっていて、ドラマCDもそこをそのままやっている。

 

漫画版があって、それをアニメスタッフがドラマCD化したというより、麻宮騎亜先生がドラマCD版も合わせて動かしているような感じのようで、ドラマCD版の完結と漫画版の完結がほぼ同じタイミング。
プロモーションとしてはTV完結後の劇場版辺りの所でやってるらしく、ストーリーは120%別物ながら、漫画&ドラマ版のアキトも戦闘で目をやられて、バイザーを付けた状態になるとか、多少のイメージ合わせは意図的に行ってはいるようだ。

 

色々と人間関係でのトラブルがあった様子ながら、それでも半端な形で終わらせずに、漫画版もきちんと完結させて、一応のメディアミックスとしてこういう仕事もきちんと最後まで形にする、というのは流石と言うか、人が出来ているのでしょう。

 

マルチバース流行りの昨今ですが、ナデシコやってた96~98年辺りはまだマニアックな設定だったはず。「サイレントメビウス」とか考えると元々SFとかお好きなのもあるんでしょうけど、それ以上に麻宮先生はアメコミ好きで実際にそっちの仕事も多くされているので、アメコミ感覚で言えばマルチバースは通常営業みたいなものなので、じゃあ自分の漫画でも面白く使ってみようかな、という感じなのかもしれない。

 

「宇宙戦艦ナデシコ」って名前は単純に「宇宙戦艦ヤマト」のパロディ以上の意味は無いと思われるが、TV版では踏み込まなかった、クサナギとかの日本(大和)神話の固有名詞とかの要素を、実際にストーリーに組み込む形になっていて、もう完全にTVや映画の話とは180度違う話。

 

ただ、声優さんはアニメと同じ人をそのまま起用してるので、まさしくアニメとは全く違うパラレルなナデシコとして楽しめれば良いけど、こんなのアニメと別物じゃん!自分はアニメのナデシコが好きだからこれを手に取ったのに裏切られた!という人も居てもおかしくないレベルで別物。

 

ああ因みに私は漫画版の方は読んだ事ありません。昔はよく古本屋でも見かけたけど、今はもう探しても全然ありませんね。こっちのドラマCDをたまたまセットで安く売ってるのを見かけて、ナデシコアニメは履修済みだからせっかくだからと確保。で、実際に聞いてみて、こんな風になってたのかと今更知りました。

 

CDの方にはブックレットにキャラ紹介とかは絵がついてるものの、メカ設定とかは載って無い。アニメには無いエステバリスの後継機のエグザバイトというのにアキトが乗り換えるのですが、漫画だと多分普通に絵があったはずで、そこだけちょっと気になります。きっとブラックサレナとは別物ですよね?
G3ガンダムとかHi-ν、果てはカットグラ(オーラバトラー戦記)みたいに、別媒体でだけ登場するレア機体みたいな扱いで今後ピックアップされる機会は来るでしょうか?う~ん、無さそう。

 

割と説明に頼りがちな脚本で、サウンドドラマ慣れしてない感じの脚本でやや古さを感じる部分はありましたが、話そのものは割と新鮮でした。

 

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