プロデューサー:日笠淳
脚本:會川昇
監督:諸田敏
原作:八手三郎
特撮TVドラマ 2006-07年 全49話
☆☆☆☆
プレシャス探すぜボウケンジャー
スーパー戦隊シリーズ30作品記念作品「轟轟戦隊ボウケンジャー」
ニチアサ同期は「仮面ライダーカブト」「ふたりはプリキュアスプラッシュスター」
脚本は「機動戦艦ナデシコ」「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」「仮面ライダーディケイド」「コンクリート・レボルティオ」の會川昇。こうして並べると露骨にメタ路線が得意の作家な事がわかるものの、その得意な分野はボウケンジャーに関しては大きく生かされては居ないのがちょっと残念かも。
ただ、作品単体として、戦隊シリーズの一つとしては好きな作品の一つです。全話履修済み。「戦隊大投票」ではボウケンレッドに私は1票入れてます。
他のシリーズとの違い、差別化と言う部分で一番大きいのは敵組織が複数存在。ゴードム文明、ジャリュウ一族、ダークシャドウと3派の他、途中から追加戦士と共に敵側にもクエスターというあらたな種族が追加。各々の個別の組織がプレシャスを確保する為に暗躍するという面白い設定。一つ倒したら次が出てくるとかじゃなく、毎回どこの組織が出てくるかはお楽しみだったり、ボウケンジャーを含めみんなお宝を探して奪い合いなので、敵側の組織同士でも争っていたりするのが面白味。
タイトル通り冒険者がモチーフで、スコップとかツルハシのガジェットがあったりするのがユニーク。「轟轟戦隊」の方は車もそうだけど、ビーグル系を沢山出すというコンセプトだったようで、ダンプとかショベルカーとか所謂「はたらくくるま」系は子供にも人気なのでその辺りも狙って組み込んだものと思われる。GoGo的な語感に絡めつつ。
キャラクター的には
レッド・明石暁 いかにも頼れるチームリーダー
ブラック・伊能真墨 赤にライバル心を燃やす野心家
ブルー・最上蒼太 飄々と任務をこなす爽やか系
イエロー・間宮菜月 天真爛漫な妹系
ピンク・西堀さくら 真面目な学級委員長タイプのサブリーダー
と、レッドが割とゴレンジャー的な昔ながらの強いリーダー像を発揮する、逆にここの近年では少なくなっていたタイプ。例えば「アバ」だと真面目で優しいレッド、「デカ」だと猪突猛進火の玉小僧「マジ」だと最年少の少年が成長して行く様を描いている等、昭和時代の男ならこうあるべしみたいな価値感が薄まっていた時期だからこそ、その時ならではの今風な感じを毎回出していたように思えるのがまた面白味。
その中で30周年記念作品で原点回帰みたいな部分も多少あったのでしょうか?チーフは若干の古い感じもしたけど、頼れる感じが心強かったし、勿論、イケメンではあると思うけど、細身のシュッとしたイケメン像ではないのも好感が持てて見ていて憧れを感じるようなカッコいいヒーロー像で凄く好きでした。
ただ、視聴者からも作ってる内部の方からも、やや面白味に欠けるのでは?という声が上がってきたらしく、逆に真面目で堅物みたいな所を周りからいじられるという個性も出るようになる。割と伝説的に語られる事の多いボウケンレッド開運フォームとかもその辺りの流れから出て、後半は親しみやすさも出てくる。
逆にさくら姉さんは最後まで真面目で丁寧語で話すヒロインを貫いてましたし、そこは常識に囚われず常にフワフワしてた菜月とのコンビが上手くハマってました。ダブルヒロイン続きですがやっぱりそこも大きい魅力なんですよ。
菜月はねぇ、等身大戦やってる中に一人でロボでかけつけて戦闘員を容赦なく蹴飛ばしてたのがメチャメチャ印象に残ってます。ヒーローとしてそんなんアリなんかい!っていう
「変身を敵は待っててくれるんだね、そこ攻撃しちゃえばいいんじゃない?」とか「巨大ロボあるなら正面から戦わずに怪人踏み潰しちゃえばいいのに」とかいわばお約束事に素人はそういう部分を半分バカにしてツッコミ入れようとするけど、そんな素人が思いつくような事は長い歴史で大概の事はちゃんと本編でやってたりするものです。
そんな菜月は出生の秘密みたいなものがストーリーの軸になったり、それとコンビを組む真墨のレッドへのライバル心とかも加入時だけでなく、最後まで展開に生かされる。
じゃあ青の蒼太は影が薄いかと言えばそんな事も無く、女の子に声をかけるタイプなのもあってか、敵の女幹部の風のシズカとライバル的な因縁があたtり、ちゃんとどのキャラも空気にならずに生きてた印象。
牧野先生役の斉木しげるさんも東映不思議コメディーにも出てたので馴染み深かったし、大神官ガジャ様もその喋り方とかやたら癖があって目立ってたし(ドンブラでおでん屋もやってました)、風のシズカは言わずもがなビジュアルの良さもあって好きな女幹部の一人、演技が割と棒なのが気になるけど、あんまりシリアスじゃないそういうキャラでもあったのが幸いした感じ。
逆に本来目立つポジションの追加戦士枠のボウケンシルバーの方がおとなしいんじゃないかってくらい。あ、シルバーは武器が金属探知機なのが好きでした。
こうやって書いてると色々見返したくなる好きな戦隊の一つ。
OP「轟轟戦隊ボウケンジャー」歌:NoB
作詞:岩里祐穂 / 作曲:山田信夫 / 編曲:京田誠一
いやぁ、少し前にNoBさん亡くなられてね。戦隊だとこれと後の「ゴセイジャー」。
近い所では劇場版「アマゾンズ」なんかも私は良く聞いてた曲でした。
世間的に最も有名なのはやっぱり「聖闘士星矢」でしょうか。
「ペガサス幻想(ファンタジー)」は世界的にも有名なアニソンの一つ。
NoBさんね、他の人がヘッドセットや手持ちのマイク使ってる時でもよく一人スタンドマイク持ち込んで歌うんですよね。で、それを蹴りあげて回転させたりというパフォーマンスをする人で、そういうとこが印象に残ってます。
改めて、Nobさんのご冥福をお祈りします。
因みにOPは劇中では1話2話とも戦闘シーンでも使用。
ああ、近年では珍しく1話からロボ戦終了まできっちり入れてる作りでした。
ED「冒険者 ON THE ROAD」歌:サイキックラバー
作詞:岩里祐穂 / 作曲:YOFFY / 編曲:サイキックラバー・大石憲一郎
www.youtube.comデカレンのOPを担当したサイキックラバーが今回はED担当。
疾走感があって好きな曲なんですけど、実はパクリ曲だった事が後から問題になって、それを認めてライブとかでは封印とかなってませんでしたっけ?(番組放送中では無いはずですが)今は流石に解禁されたのでしょうか。
あまりよろしい事では無いけれど、この曲にはこの曲のファンも居るわけで、謝罪してオリジナル原曲誰それみたいなクレジットがを入れてきちんと承諾を取って歌って欲しいと思う。まあ元の人が怒って許さない認めないとかなら仕方ないのでしょうけれど。
アニバーサリーなのでVSは「スーパー戦隊」
www.youtube.comここでアカレッドが初登場
次はシリーズ31作目「獣拳戦隊ゲキレンジャー」です。
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