PRECURE MIRACLE UNIVERSE
監督:貝澤幸男
日本映画 2019年
☆☆★
「スタートゥインクルプリキュア」残り1話となってしまいました。
最終話はエピローグ+引き継ぎ回のはずですので実質のクライマックスは終了。
前作の「HUG」より派手な話題性には劣る感じでしたが、地味に色々と挑戦してる作品でした。子供達の為の作品故に、時代に合わせたアップデートが垣間見えるプリキュアはやっぱり素敵だし面白いし、今後も応援していきます。
スタプリ本編の話は終了後にまた書きます。
その「スタプリ」の映画デビュー作がこちら。
多分4回目かな?まず映画館で見て(ええ、私は映画館までプリキュア観に行くプリキュアおじさんですとも)その後はソフトを買って、確か2回くらいは見てるはず。
私が愛してやまないプリキュアシリーズ最初の記事なので
せっかくですからここでプリキュア初心者講座。
プリキュアは毎年3月と10月の年に2本ほど映画をやります。
3月にやる方が通称「春映画」と呼ばれるもので、毎年2月に新しいTVシリーズが始まって、スタートしてすぐに映画がある。新しいシリーズと過去シリーズの言わばクロスオーバー作品。
最初はオールスターズとして過去のプリキュア全員が出るやつから始まったのですが、毎年3~6人くらいづつプリキュアが増えていくので、もう増えすぎて(2020年1月時点で公式的には63人です)流石にもう全員は出せないので、近年は3世代(現行+前年+前々年)に絞るという形になっています。
春映画の基本は、新しくプリキュアになったばかりの子達が、先輩プリキュアと出会い、立派な先輩の背中を見て、これから私達が1年間プリキュアの看板を背負って頑張ります、と決意を新たにして引き継ぎをするというのが毎回のお約束になります。
いわば春映画はプリキュア新人研修映画なのです。
オールスター物、オールスター映画って基本的にはお話は二の次でいわゆる「お祭り」映画的なものなので、毎年やってる恒例事業を見るという感覚です。
プリキュアはシリーズ毎に世界観を一新して、ストーリーは直接的には繋がっていないので、実際にアフレコ現場などでは前シリーズから現行シリーズへの声優さんへのバトンタッチの現場にもなっていたりします。(声優さんのブログやツイッターでこの時の写真が上がったりするのを見るのもまた楽しみの一つ)
対する10月にやる「秋映画」は現行シリーズのみの、いわゆる普通の劇場版。
春映画みたいにお約束事や、キャラの飽和状態が無いので、ストーリーもじっくり練られてしっかりしたものが作られ、キャラクターもTVシリーズである程度掘り下げられた状態として作られますので、一つの作品として、映画として面白い物が多い。
プリキュアの映画はそんな形の二つの路線が交互に作られています。
以上、初心者のためのプリキュア映画講座でした。
そんな所で「プリキュアミラクルユニバース」
プリキュア映画としては26作目にあたる作品で、前述の流れで言えば春映画の方で、オールスター物としては12作品目。
面白いかと言えば、正直言って微妙な部類なのですが、新しいプリキュアの初々しいデビューと、頼もしくなった前年のシリーズの先輩プリキュアの姿、そしてそのひとつ前のシリーズの久しぶりまた会えたね感だけでもそれはそれで嬉しいのでやっぱり春映画は春映画でたまに見たくなります。
キュアエールこと、はな先輩の頼もしさが半端ない。
はなちゃんも色々苦労が多かったからね。
あとはプリアラ組のマカロンショコラペアの余裕が素敵です。
そして今回から映画デビューとなるキュアスターことひかるちゃん。ストーリー的に「うそっこのプリキュア」とか言われちゃうのですが、そこがね、演じる成瀬瑛美とすっごくかぶって見えてしまう。
いや、私はでんぱ組もその成瀬さんも全然知らなかったですし、勝手にそう思ったという話ですよ。
へぇ~、今回はアイドルの人がプリキュア声優やるのか。何々、調べてみると昔からプリキュア好きで、実際にプリキュアになりたいって役が決まるずっと前から言ってた人らしい。役が決まってからのインタビュー読むと、これはガチのプリキュアファンなんだな~ってのがすぐにわかりました。
プリキュアにあこがれているアイドルが実際にプリキュア役をやる。
プリキュア役のオーディションがガチな事はファンなら十分に承知している。
声優や俳優など経歴は問わず、なのがプリキュアのオーディションで、有名人気声優も何度もオーディション落ちたりしている。(守秘義務があるのでその時は言わないけど、後にプリキュアに関わった時に前の「○○プリキュア」のオーディション受けたけど通らなかったという話が結構な頻度で出てきます。)
成瀬瑛美本人も、ファンの気持ちでなくこれからはプロの声優としてやるっていう決意も最初に言ってる。
・・・でも、心のどこかで、コスプレ気分でアイドルが「私プリキュアやってま~す」的な事にはならないだろうかと、ほんの少し、ほんのちょっぴりだけ思ったりもしました。
それこそ調子に乗ってるだけの「うそっこのプリキュア」にはならないだろうかと。そんなキュアスター=成瀬瑛美がね、先輩からエールを受けて、あなたも立派なプリキュアだよ、これからよろしくね、って言われるの。
映画館で最初見た時は、もうそれだけで号泣。
ミラクルライトをもらえないプリキュアおじさん、鼻水出てますよ。
流石にもう何度も見てると慣れはしたし、やっぱり春映画は脚本がな~なんて言ったりもできますが、そんな初見の思い出が頭をよぎります。
TVシリーズラス前まで来てこうやって見返して思うのは、スタプリでここまで描いてきた「私たちは星 姿、形何もかも違うけど 命みんな持つ」出自も外見も思いもそれぞれ違う、でもそんな違う星々を繋ぎ合わせて大きな星座を描く。
ああ、それこそスタプリで描きたかった事じゃないか。
アイドルだろうが声優でなかろうが、空に輝くキラキラ星、それがキュアスター=成瀬瑛美だよねって改めて思うわけです。
彼女には、彼女だけの輝きがあって、それが周りの星々と繋がりあってスタートゥインクルプリキュアがそこにある。成瀬瑛美で良かった。成瀬瑛美だからこそ良かったんだなって、それはとっても素敵な事だと思う。
あとはミラクルユニバースって脚本がTV本編のシリーズ構成もやってる村山さんが映画の脚本もやってるので、キャラクターにそんなにブレがないのが良い所。
TV本編が2月スタート、映画が3月公開なので春映画は新シリーズのキャラを違和感無く描くのがとても大変。同じく村山さんが昔に映画の方だけ脚本書いた春映画「DX2」の新人ハートキャッチ組が、なんかキャラ違うくね?と散々言われてましたので、その時のリベンジは果たせたと思われます。
プリアラのシリーズディレクターの貝澤幸男さんが今回の映画の監督もやってますので、プリアラ組の描き方、活かし方もバッチリ。一応プリアラは今回が見納め。
ああ、そうそう見納めと言えば本当は前年の「プリキュアスーパースターズ」で例年であれば最後の出演になってたキュアミラクルがプリアラ秋映画、オールスターズメモリーズと例外的に出続けて映画連続出演記録を伸ばしてた所に、今回もちょい役ながら声付きで出てくれたのは、最初見た時はとっても嬉しかった。
さて、そんな感じで泣いても笑ってもスタプリ最終回。
スーパー戦隊もそうだけど、やっぱり1年間見続けてきての最後って特別な気持ちです。毎年、ドキドキ、ソワソワしながらその時を待つ特別な時間で、ああ~これを味わうために見てるんだなって不思議な気持ちになります。