原題:Aliens vs. Predator: Requiem
監督:コリン・ストラウス、グレッグ・ストラウス
アメリカ映画 2007年
☆☆★
「AVP」続編。原題だとレクイエムって副題がついてるんですね。リアルタイムで映画館鑑賞してるはずですが、何と今回見返して1ミリも憶えてるシーンが無かった。
ほとんど覚えていない映画って勿論あるんですけど、それでも一つや二つ、インパクトあるシーンなんかは、そういや忘れてたけどこんなんだった的なものが見返すとあるものですけど、いやほんと何も記憶になかった。
前作の最後で生まれたプレデリアンがそのまま騒動を巻き起こすっていう直系の続編だった様子。「エイリアン4」のニューボーンもそうですが、プレデリアン自体は前回の最後で出たので憶えてるのですが、映画の内容に関してはホントに何も記憶が無い。見てはいるはずですが、そもそも本当は見てなかったんじゃないかっていうくらい。
キャラクター的にはプレデリアンってエイリアンとプレデターの両方の能力を備えているから、もう手に負えないっていうのが誰でもわかるコンセプトかと思うんですけど、実際の所、顔がプレデターっぽいというだけで、そもそもプレデターの能力って、消えるにしても多彩な武器にしてもそもそも本体の能力じゃ無いですよね?あえて言えば蛍光色の血なんですけど、エイリアンと違ってそこも見た目だけの話でしかない。
プレデリアンの能力としては、クイーンを介さずに直接の繁殖が可能っぽい描写がありましたが、そもそもそれがプレデター由来の能力なのかどうかもわからん。もしかしたらコミックとかではプレデターの繁殖方法とかが判明してるのかもしれませんが、少なくとも過去の映画でそういう描写は無かったはず。
前作が、プレデターとエイリアンの両方の面白い部分をきちんと見せて行くというプロレス的なスタイルで、見世物としては悪くない作りなんじゃないかと思わせてくれましたが、そういう点では今回は面白くないわけじゃないけどイマイチ。前作のドリームマッチは、ネームバリューだけで客を読んだだけでなく、試合としても噛み合って、思いの他好試合となったっていう印象でしたが、今回はやや噛み合わず。
かといってただの駄作に成り下がったのかと言えば、また別の視点では意外と面白い部分がありました。
エイリアン1~4でリプリーが再三言ってたのって、絶対に地球にエイリアンを連れて行ってはいけないと。間違い無くエイリアンに人間が滅ぼされてしまうからと。時系列手にはエイリアン1の何百年も前の話になるのかもしれませんが、基本的にはパラレルに近いものだとは言え、実際に地球にエイリアンが襲来してしまった時のシミュレーション的な面白さがありました。
どちらかといえばエイリアンの繁殖が災害や疫病的なバイオハザード的なものとして描かれ、ゾンビパニック映画みたいなノリになっていくのが、これはこれで今までのシリーズでは描いていなかった新しい側面という感じがして、実は結構楽しめました。ただ、その面ではありきたりなB旧映画と大差無く、ビッグネームを使った割にはショボイな感は否めませんが。画面は暗くて何やってるかわかりませんし。
あ、ビッグネームと言うのはエイリアンさんとプレデターさんであって、主演の俳優さんとかではありません。基本、見た事無い人ばっかでしたが、それ故に誰が生き残るのかとかもわからなくなって、スター俳優とかの起用が無いのに不満は無いのですが。
監督のストラウス兄弟、後に「スカイライン -征服-」とかもやってる人なんですね。スカイラインも映画館に観に行ったなぁ。続編は見て無いけれど。この辺から宇宙船の光が青っていうの、凄く増えてった気がします。
ああそういえば今回の青。プレデターさんが証拠隠滅?の為に使ってた、少しかけると全部が消えてなくなるあの謎の液体、あれは結構チートアイテムくさくて、ちょっと便利すぎない?という反面、新しいガジェットで面白かった。あれを弾丸に籠めたら即死刑の弾になりそうだけど、プレデターさんはそれじゃ勝負にならんからと、あえて武器としては使って無いのかも。
これが良い作品とは言いませんが、これはこれで目玉のプレデリアン以上にまた別の部分での面白さはあった気がします。
10年後にはそんな記憶も綺麗さっぱりまた消えてなくなってるかもしれませんが。それはきっとプレデターのテクノロジーの成せる技なのだとでも思っておきます。
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