原題:PREDATOR 2
監督:スティーブン・ホプキンス
アメリカ映画 1990
☆☆
プレデターシリーズ2作目。1作目はあくまで当時圧倒的な人気スターだったアーノルド・シュワルツェネッガーの映画っていう感じでしたが、2作目はシュワちゃん降板。俳優の引き継ぎでは無く、クリーチャー側のプレデターの方が看板を掲げるという意味では、ジェイソンとかチャッキー、フレディとかそういうホラーアイコンみたいな所を目指した作品と言える。
主演はダニー・グローバー。「リーサルウェポン」のメルギブじゃ無い方。それなりに知名度や人気はあったのかもしれませんけど、個人的にはやっぱりシュワちゃんよりは格下の印象でしたし、なんか続編でランクが下がってしまった映画と言う感覚は当時からあったかな?子供の頃から好きでTV放送の度に何度も見た1と違って、2はそんなに何度もは見た記憶が無い。
来月かな?劇場公開無しのディズニープラス映画で「ザ・プレイ」というプレデターシリーズ5作目が公開されます。そっちも楽しみですし、今となっては人気シリーズと言えるのかもしれませんけど、3作目のエイドリアン・ブロディ主演「プレデターズ」は2010年とだいぶ後ですし、その前の「AVP」も2000年代。映画のシリーズとしては一度ここで途絶えた。
ただし、キャラクターとしての人気はそこそこあった為に、コミックなどでは継続的に描かれ続けて、映画界にも再度復帰してきた、という感じでしょうか。日本語版も出た「バットマンVSプレデター」とか意外と面白かったりするので機会があれば取り上げたい。
「ベイブ都会へ行く」とか「グレムリン2」とか、続編のアイデアに困ったらとりあえず都会に行ってみろパターンの典型の一つ。「今度の舞台はコンクリート・ジャングルだぜ!」とオヤジギャグ的なのをドヤ顔で言われてるような気がしますが、そこは目を瞑ろう。
前作はやっぱりシュワちゃんという圧倒的なスターが居て、たった一人でもモンスターと何とか渡りあえてしまう所に面白さがあって、プレデターに狩られる側だった人間が、逆にプレデターを狩るという逆転の発想が意図的に生かされた面白い映画でした。
そこいくと、今回のダニー・グローバー(ハリガン警部)も結構頑張ってるというか、遂には最後何とか倒してしまうものの、いわゆる続編の作り方としては世界観を広げる方向にベクトルが向いてる映画なので、一応の便宜上の主人公はハリガンなんだけど、あくまでこれはクリーチャー映画。みんなはプレデターの方を見に来てるんですよ、という感じになってて、1作目では明確にはされずに謎の存在で、そのミステリアスさも魅力だったプレデターの文化みたいな所がクライマックスで明かされる。
正直前作よりも派手になってると思うし予算も使ってると思うんだけど、映画としては前作ほどのインパクトは無い。ただここで、プレデター側はプレデター側なりの文化や思想を持ってる、こういう独特の種族なんだっていうのがより描かれているので、そこに対する想像力、イマジネーションが広がったからこそ、コミックとかそちらでは描き甲斐があったという感じなのかなと。一般層はそんなに食いつかなかったけど、一部のマニア層にはやたら人気が出た感じなのはよくわかる話です。
プレデターという一つの種族でありながら、各々の個体にパーソナルな個性がありそうな感じに見えるのが面白いんですよね。
やっぱり映画としては1と比べると魅力としては薄く感じますが、これはこれで決して意味の無いものでは無かったようには思います。
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