FANT4STIC
原題:Fantastic Four
監督:ジョシュ・トランク
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2015年
☆☆★
ファンタスティックフォー3作目にして、前2作とはスタッフ、キャストも一新、物語も最初から仕切り直しのリブート作。
監督は「クロニクル」でスーパーパワー物の新境地を切り開いたジョシュ・トランク。
前と同じような事をやったって仕方ない、やりたくない、という気持ちは十分に分かります。「クロニクル」でスーパーパワーに目覚めた少年をモキュメンタリータッチで、実際に超能力が使えるようになったらこんな感じでは?というのをなかなかに面白く描いた新鋭の監督。こういう人をスカウトしてくるというのはケヴィン・ファイギ的なMCUのロジックにも近いと思う。
で、今回はどうなったかというと・・・ダークでシリアスな作風のファンタスティック・フォー。
う~ん、ベタすぎるしそれ2015年の時点でDCで上手く行って無かった路線じゃないすか?
MCUだと2015年は「エイジオブウルトロン」「アントマン」をやってた時期。それでこの作品はなかなか厳しい。
ファンタスティック・フォーって陰と陽で言えば陽側のヒーロー。同じく陽のヒーローで明るい作風のスーパーマンを眉間に皺寄せさせて、ひたすらしかめっツラだけにして、ダークナイトとかと同じダークでシリアスなヒーロー風でこれがリアルでしょ?みたいな事をやったのと同じような事を今回もやってる。
う~ん、それを全否定するわけでは無いんですよ。いくつもあるアレンジバージョンの中の一つとかなら、それはそれでね、今回は新しいアプローチで来たな、とか楽しかったりするし、私も今回はこういう作風と割り切って楽しむには、これはこれでとそれなりに面白がれる部分はある。
前の映画の時にも少し書きましたが、ファンタスティック・フォーってマーベルの最初の顔、最初にヒットした看板ヒーローでマーベルを代表するタイトルでもあるわけです。
前の映画でも宇宙線を浴びて後天的なミュータント能力を身に付けたっていう設定はかろうじて生きてましたが、流石に時代は今になってました。
初登場は1960年代で、宇宙開発が人類の夢だった時代にそれらのバックボーンを持つヒーローになってましたし、スパイダーマンは放射能を浴びた蜘蛛に噛まれた化学少年、ハルクはガンマ線の実験の被験者、とマーベルは科学とかそういうバックボーンを持つヒーローが多いのが特徴で、それは時代を反映していたから。
日本で言えば鉄腕アトムが「科学の子」と言われて、兄弟がウランにコバルトですから。科学技術が明るい未来を作るんだと思われていた時代のヒーローだたわけです。
そこを踏まえると今回の映画のFFは、ロケットで月に向かうとかじゃない。量子ゲートを開いて、異世界とのトンネルを作って資源問題を解決する、という設定になってる。
量子(クォンタム)ゲートとか言うと、あれ?今のMCUにも通じるじゃん!みたいなオタク的な設定は置いといて、もう宇宙旅行やロケットが未来の象徴とは今の時代はそんなふうに思われてませんよね。ニューフロンティア政策とかの時代も遥か昔。
現実的には今だとメタバースとかが新しい開拓地みたいなものかと思うんですけど、この作品では、実験で異世界転生を試みたらミュータントになってしまった件、みたいな作品になってるのが、ある意味今風と言えば今風。
ただそんな日本の異世界転生みたいなロジックや文化背景(現実世界にもう希望は無いっていう日本の閉塞感)も無いので、シリアスでダークなリアル路線、という何年前の文脈でやってんだよそれ、な状態。
まだ学生を上がったばかりの血気盛んな若い時代というのも、それはそれで過去とは違う新しさだけど、そういう若さは過去作だとヒューマントーチが担ってたわけで、それと同じ性格付けを全員にしてしまったら、それはちょっと個性の差別化とは言えないと思うし、公開当時一番言われたのは、白人のスーザン・ストームを養子設定にして、黒人のジョニー・ストームとは戸籍上兄弟だけど血は繋がって無いという、物凄く無理矢理な設定。
原作ファンからしたら兄弟設定まで改変して人種変えるなよと思うし、ポリコレ警察はほらみたことかポリコレは百害あって一利も無しなんだ。差別主義者万歳。みたいな人達を喜ばせる結果になって、一体何なのよと。
発想は面白いと思うし、アレンジとして今までの定番とはちょっと違うキャラ付けにしてあって、ある意味新鮮に楽しめる部分はある。
でもさぁ、で?そもそも何がしたいの?っていう印象なんですよね。
リード・リチャーズが仲間を置いて逃げて1年。ドクタードゥームも向こうの何も無い世界で1年とか、いやその時間の飛ばし方雑じゃね?しかも基本はラボと異世界の二つの場所だけで話が展開するので、世界が物凄く狭く感じる。
そして前作と同じで、ドゥームの扱いがあまりにも酷い。
「X-MEN」でマグニートーにカリスマ性を持たせてたのと正反対なのが悲しい。
ドゥームはともかく、FF側のルックやビジュアルはそんなに悪くは無いだけに、何とも残念というか、また勿体無い感じの作品になってしまいました。やっぱり1作目が以外と上手く作ってあったんだなと思わされます。
果たしてこれがMCU版はどうなる事やら。
そして20世紀FOXのマーベル映画、何気にX-MENシリーズ以外は、このFFが3作、デアデビル系が2作とそれだけだったんですね。
「ブレイド」はニューライン、「ハルク」「パニッシャー」「ゴーストライダー」もまた別のとこでした。その辺もまたいずれ何かの機会に見返してこうやって感想を上げていくつもりでは居るので、お暇な方はブックマークなり読者登録して待ってて下さい。
今回まとめて見てたのは「デッドプール&ウルヴァリン」でFOX映画終了的な流れでの小ネタとかあるかなと思って見返してたので、これで心おきなく新作に望めます。
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