僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線

機動戦士ガンダム MSイグルー 2 重力戦線 3 オデッサ、鉄の嵐! [DVD]

MOBILE SUIT GUNDAM MS IGLOO2 THE GRAVITY FRONT
監督・脚本:今西隆志
OVA 全3話 2008年
☆☆☆


一年戦争秘録」「黙示録0079」に続いて「重力戦線」の方も。
ストーリー的に接点は無く、前回までがジオン視点の物語だったものを、今回は反対側の連邦視点バージョンとして描く・・・というわけではなく(実際、連邦側の話ではありますが)、従来のガンプラとはちょっと別の路線で展開した「UCハードグラフ」というミリタリーモデルのシリーズと連動した映像作品というのが企画の原点。まあ、言ってしまえば長めのストーリーもある豪華なPVという感じ。

 

CG部門に居た今西監督なので、結果として「MSイグルー」の「2」というタイトルになった。生粋のジオニストである今西監督が、連邦なんて描いても、さほど魂がこもらないんじゃなかろうか?とか思ったけど、連邦軍の視点から見た時に、圧倒的なザクの強さとかが描けるなら、それはそれで気合は入るのかと納得しました。

 

そして今西監督自身が、今回は戦争映画を作る感覚で描いたと言ってるように、元のUCハードグラフという企画も含めて、ミリタリー色を、イグルー1以上に押し出した作り。もしかして「08小隊」前半の神田監督とかもこういう感じを想定してたのかな?という気もしなくもないです。

 

■第1話「あの死神を撃て!」

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対MS用重誘導弾リジー
の話・・・というほどMSイグルーの実験兵器フォーマットではなく、基本的にはザク対歩兵、通称ザクハンター部隊の話。

 

人間対MS!
このコンセプトが個人的には物凄くワクワクします。
いやそんなヒーローぜんとした話ではないのですが、私は「もし現実に本物のMSがあったら」みたいな、現実の延長を考えるのが好き。

RPGでも「ドラクエ」よりリアル路線の「FF」。そのFFより現実の延長感が凄かった「女神転生」派だったのもそういう辺り。フィクションはフィクションと割り切って楽しむんではなく、現実の先にあるフィクションが私は好みなんです。

 

人間対巨人ってワクワクしません?もう10年前とかになりますけど、お台場に初めてガンダムの実物大立像が出来た時、これを見ないと一生後悔すると思って、田舎から深夜バスで東京までわざわざ行きましたもの。実際に18Mのモビルスールがあったら、どう見えるのか?どんな感覚なのか?それを知ってるのと知らないのとでは、ガンダムと言う作品を理解する上での解釈に物凄い差が出ると思ったの。だから観に行った。それ1回こっきりなので、ユニコーンとかνガンダムは見た事無いけど。

 

で、それはともかく、外伝物の小説とか漫画で何度かは言及された事はあるんですけど、MSの膝とか脚を狙って倒してしまえば歩兵でもMSは倒せる。今回の作中でも13機のザクを撃破とか最後に出る。

 

当たり前だけど、ガンダムは基本ロボのプラモを売る為のフィルムなので、あんまり露骨にMSの否定というのはいただけない。ファーストガンダムだって、論理的に見れば実はあの世界コアブースターが最強じゃね?とかついつい思ってしまうが、それを言っちゃあおしめえよ!という世界。いやだってMSを一撃で落とせるビーム持って、空中も宇宙も行ける低コスト機。ぶっちゃけこれMSより強いじゃん!っていう。

 

ガンダムはリアルリアルと言われますが、あくまでそれっぽいだけで、ガチなリアルは本当は考えちゃだめなのよ。前のイグルーの感想に書いたような、え?ジオン軍人類の数を半分にしちゃったとかヤバくね?とか真面目に考えてはいけない。そこは本当はスルー案件。

 

そんな色々と空気を読んだ中でのリアルやミリタリーごっこ感。そこがまた面白味の一つでしょう。歩兵でもMSを倒せる、という話をここでちゃんとやる面白さ。そして同じく「人間対MS」というものを「クロスボーンガンダム」無印で長谷川先生もやっていて、まったく異なるアプローチをしてたりするのが面白味。その辺りの視点について語ってる人を私は今まで見た事無いので、(多分探せばゼロでは無いと思うけど)、これを読んでるあなたはまた新しい視点や視野が広げられてラッキーです。多分。

 


■第2話「陸の王者、前へ!」
61式戦車5型

戦車映画。私はこれ初めて見た時、まだガルパン見て無いので(まだ世に出ても居ませんし)戦車の魅力ってまだわかんなかったです。「ギレンの野望」でも61式戦車は使うし、航空機では拠点占領出来ないのでまあまあ重要なユニットではあるものの、決して強い兵器では無いので特に思い入れとかは持ちにくい。

 

戦争映画とかでも、戦車物はほとんど見て無かったですが、ガルパンおじさんになった今では、宇宙世紀での戦車の面白さが味わえて、なかなかに新鮮で興味深い。

 

61式、意外と射角とれるんですね。上からの射撃が出来るザクがやはり有利とは思うけど、戦術しだいでは戦車でザクを倒すのも分が悪いながら決して不可能ではないと思える。

 

でもってヤンデル中尉。CVが磯辺勉。いや~、私古のアメリカドラマの「V」っていうシリーズが子供の頃メチャメチャ好きでね、大人になってからもDVD-BOXとか買って何度か見返したぐらい好きなんですが、そのドラマの主人公のマイク・ドノバンを演じてるのが磯辺さんなんですよ。ソフト版は曽我部和恭さんでちょっと違うのが残念ですが、イメージ的には近いのでそこまで違和感は無い。磯辺さんの声を久々にきけてドキドキしました。

相棒の操縦手が小西克幸、白いザクホワイトオーガのパイロットが大塚明夫と、声優陣も豪華で素晴らしい。

 

■第3話「オデッサ、鉄の嵐!」

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陸戦強襲型ガンタンク

オデッサという地球最大の激戦区なので、グフやドムのみならず、陸戦型ジムも登場と、これまたワクワクさせられます。監督的には一番描きたかったのはダブデだそうですが。
そしてTVシリーズではオデッサと言えばエルラン中将の裏切りとかがあったので、こちらも同じテーマの裏切りをドラマの軸にしてあるそう。

 

で、ガンタンクですが、前話の61式と同じく戦車としての面白さですよねこれ。イグルー2は歩兵・戦車・戦車という作り。ヒルドルブ以上に戦車してて、戦闘シーンはすげぇ楽しい

子供の頃はガンタンクだせぇと思ってたけど、大人になるとガンタンクも、ボールでさえも愛おしく思えるようになるものです。

 

シリーズを通して出る「死神」と今回のアリーヌ・レイズンの両方をきっこさん(井上喜久子)が演じる等、意味ありげな感じはしますが、結局はよくわからず。どうせならコレマッタさんもつれてってあげてもよかったですよ。

 


と、やはり3話通してのドラマとしては弱く、イグルー1が各話のオムニバスっぽい感じでありつつ、1年戦争初期から終戦まで通して描く事でストーリーラインが形成されていったのに対して、そこは弱くなった感は否めませんが、今までのガンダムでは見た事のない視点という意味ではこれはこれで面白かったです。

機動戦士ガンダム MSイグルー 2 重力戦線 2 [DVD]

機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線 1 あの死神を撃て! [Blu-ray]

 

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