僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ガールズ&パンツァー 劇場版

ガールズ&パンツァー 劇場版 (特装限定版) [Blu-ray]

GIRLS und PANZER der FILM
監督:水島努
脚本:吉田玲子
日本映画 2015年
☆☆☆☆☆

 

ガルパン劇場版。
OVAとか総集編、最終章も劇場公開されてたりはするものの、きとんとした「映画」という枠で作られてるのは今の所これ一つ。TVシリーズのその後を描いたオリジナル作品で、これのさらに後が現在進行形の「最終章」という形になります。

 

私がガルパンにハマるきっかけになった思い出の1本。
ガルパンの映画が間もなく公開されるくらいの時期に、へぇ~映画やるんだ。何か人気があるらしいってのは聞いた事あるし、プリキュア声優がやたら沢山出てるというのでも一部有名。せっかくだから映画見てみようかなと。

 

最初はね、映画だけ単体で見てみようかなと思ったんですけど、公開まであと少しだけあるし、序盤くらいはTVシリーズも見てみようかなとちょっとだけのつもりで見始めたのですが、これが想像以上に面白くって1週間くらいで結局全話見ちゃって、その勢いのまま劇場版に脚を運んだ、的な感じだった気がします。

 

最終章は新作が出る時に前の話見返したりしてましたし、TVシリーズはその後、ニコニコだかで一挙放送やった時にも2週目見てたりするんですけど、今回劇場版は、最初に劇場で見て以来。

 

甥っこがたまたまソフト持ってて、特典で入ってる短編OVAの「愛里寿・ウォー」を見た事無かったのでちょいと借りました。

 

で、メチャメチャ久し振りに観ましたが、う~ん、基本的には変な映画。サービスシーン的なお風呂のシーンなんてあったっけか?全く記憶に残って無かった。TVシリーズかソフトについてる短編の方ではそんなのあった気はするけど。
それはともかく、2時間の内、110分くらいは戦闘シーンじゃないかってくらいにほぼ全編戦闘シーンと言う、いかにもガルパンらしい映画です。

 

私は映画オタクでもあるんですけど、基本的には映画ってテーマ性やドラマの部分の方を軸に見てるタイプ。文芸あってこそ映画みたいな考え方だからアクションとかエンタメ的な部分はあまり興味が無い部分で、映画は映画館で見ると迫力が違うとか言うありがちな言葉には賛成しない方。

 

でも「トップガンマーヴェリック」とかもそうでしたが、これは大画面で見る価値があるなって感じさせてくれる作品も中にはやっぱりあって、「ガルパン」もそんな作品の中の一つ。画的な部分もそうですが、ガルパンは最初に映画館で見た時、やっぱりその音響に感動したのを覚えてます。「最終章」を観に行く度に、ああ、この音響がガルパンだな~って凄く感じます。爆発とかより、弾丸が掠める音とか、鉄板に響く音が毎回らしさを感じて興奮してたりする。

 

今回、BDに付属のブックレットを読んでいて、初めて知ったのですが、脚本の吉田玲子によると、ガルパンは話よりも、まずどの戦車を出したいかっていうのが先にあって、そこから話を作るらしい。今回の劇場版で言えば、日本の戦車とフィンランドの戦車を出したいっていう状況ありきで知波単と継続のキャラを作ったという話でした。

 

ああ~、やっぱりそういう事だよね。さほど話に絡まない新キャラを何でわざわざ劇場版と言う集大成で出してくるのか?倒すべき的、映画用のラスボスポジションとしての愛里寿ってのはわかるんですよ。そこはお話の都合上、こいつを倒すのが目的っていうのを設定しないと話が進まないから。みほ達がチームで戦うなら、単騎で鬼のように強いって言うのも対比としてわかりやすいですし。

 

でも知波単と継続って何の為に出したの?実は私は初見の時は、まだレギュラーキャラも覚え切れていない状況で、あれこの人達TVシリーズに出てたっけ?外伝とかもいっぱいあるからそういうののキャラなのかな?と思ってました。今ならね、最終章でその2校が掘り下げられてるので、逆に楽しく見れたんですが、当時はよくわからないキャラでした。

 

さほど話に絡まない新キャラに尺を使ったら、見てる人の混乱を招くだけだし、その分既存キャラの出番が減る、それってどうなのかな?と思うけど、まあ好きな戦車を出したい。キャラクターはただのおまけ的なのはある意味とてもガルパンンらしいし、「艦娘」とか「ストライクウィッチーズ」とかああいう感じで何かの直接の擬人化では無いにせよ、そういう系譜の上で作られてる作品なんだなぁというのはよくわかる話でした。

 

ああ、あと同じインタビュー中で言ってたんですが、みほのお母さんはもうあれ、わだかまり解けてるんですね。今回、お姉ちゃんが色々助けてくれたりと、そこの変化が強く描かれてる分、次の段階でお母さんの話になるのかと思ってましたが、もうみほの事は許してるんだけど、家元と言う事情があるから表層的には厳しい態度をとっているという事らしいです。う~ん、そこはちょっと誤解してたかもしれません。


お姉ちゃんはねぇ、TVシリーズでの最後を受けて、今回の流れで、ラストバトルの本当の最後の最後。まほがみほの背中を押す、というのを戦車でやるという展開が私は本当に好きでね、ガンダムとかのロボットアニメでもメカがメカとしての役割以上のキャラクターの心情を表現するっていうシーンが本当に好きなんです。

 

古くは「ザンボット3」で最後に涙を流してるように見えるザンボエースとか、「ガンダムNT」でも設定上無かったコアファイターをわざわざ作ってもらって、重装甲の鎧を纏った姿から、段々と心をさらけ出して行く形で軽装備になり、最後は「コア」ファイターという形でキャラクターの心情を表現する。みたいなメカのリアリティとかより、こういう演出としてのメカ描写が昔から好きで、今回もラスト、まほがみほの背中を押してあげるっていうのが凄く良かった。そっと押すんんじゃなく、どかーんと押してるので実際なら危険な話ですが。

 

成長という意味ではうさぎさんチームとかも凄く頑張ってて、こっちも初見の時は正直キャラ覚えられて無かったけど、それこそラジオCDとかドラマCDとかを積み重ねた上で見るとね、非常に味わい深い感動がありました。

 

アンツィオとかもそう、劇場版新キャラの聖グロリアーナのローズヒップとかも、ドラマCDとかでキャラの掘り下げを見て(聞いて)きたおかげで、いちいち細部まで楽しい。

 

戦闘シーンは、遊園地という立地もあって、どちらかと言えばリアルよりじゃなくトンデモ系で映画は押してきたなっていう感じはあって、そこはちょっと残念なんだけど(私はミリタリー派じゃないくせに、戦車が飛んだりとかはそれどうなのってちょっと気になってしまう)逆にその分、派手で飽きさせない工夫かと思うし、今までのライバルが今度は全員味方に的な男塾じゃないけど、王道展開はやっぱり嬉しいし、ガルパンらしい特異な部分ありき、王道の燃える部分ありき、計算して作ってる部分ありきと、何か色々なものが積み重なって特殊な化学反応が起こったのがガルパンなんだなぁと改めて思わせられます。

 

美少女とミリタリーとか、本来なら私が忌み嫌う部分なのに、何でこんなに面白いんだってなるのがガルパンで、その不可思議さがまた面白いと言う。


OVA「愛里寿・ウォー」は初めて観ましたが、まあ正直ドラマCDに画面をつけたくらいの話でした。面白かったけど。

 

実はそこより、特典で入ってた劇場挨拶集。これがなかなか凄くてね。東京での前夜祭イベントで20数人、大洗女子学園の声優がみんなパンツァージャケットで集合みたいなのがね、アイドル並のルックスの人は、雑誌の表紙とかでよく見かけるようなコスプレイヤー写真的な感じに見えますが、残念ながら全員がそうはいかない。

 

誤解してほしくないのですが、声優は一部の人以外ルックスがいけてないとかそういうルッキズムの話をしたいわけじゃないのです、声やキャラクターとイメージが一致する人ばかりじゃないよ、という話。ただそんな中でも当たり前かもしれませんが、自分の役にちゃんと愛着を持ってくれて、こういう仕事もしてくれるって言うのが嬉しいし、この時期はまだコロナ前だったというのもあってか、前夜祭の後、各チームに分かれて全国各地の劇場に舞台挨拶に行くっていうのがね、メチャメチャ良いなぁと。OVAよりもそっちに感動してしまった。

 

コロナ後の今だと、オンラインで舞台あいさつ中継つきのものとか結構やってたりしますし、それはある意味地方でも見れるので有難い部分ではあるんですけど、このガルパン劇場版のね、大人数のキャストが居るなら、それを生かして地方回りをしよう的なアナログな発想がね、逆に良いなと思ってしまいました。メインキャストだけでなく、サブの人までみんなでガルパンを盛り上げようと頑張ってるみたいな感じがしてね、とても良かった。

 

私は声優方面にアンテナ張ってたりはしないので、今回の映像で初めて見た人とかも沢山居たのですが、へぇ~中の人はこんな感じなのか、アイドルみたいな可愛いルックスの人も中には居ますけど、基本的にはまあ普通の容姿の人の方が多い。でも、だからこそアイドル気どりじゃなく、自分が関わった作品のチケットを一枚一枚必死に売ってるようなドサ回り公演(ではないんですが)みたいに思えて、なんかやたら好感が持てました。

 

どちらかと言えばね、ガルパンってライバル校の方が有名売れっ子声優多いし、グッズとかもね、そちらが優先される印象。作品としてもスポットライトが当たるのはむしろそっちの気がしますし、華がある。そういう人達にも舞台挨拶とか出てもらいたいけど、なかなかそうはいかない。けど、大洗女子は大洗女子で、ライバル校のキャラ程は人気無いかもしれないけど、みんなで宣伝も一生懸命やるんだっていう感じが凄く良いし、感動してしまった。


うさぎさんチームはラジオでもこの編の北海道まで行った舞台挨拶とかにも触れてたので、ああ~これかと感慨深かったですし、そこは映画本編もそうなのですが、初見時は、この子誰だっけ?みたいな感じだったのが今だとほぼわかるので、ますます楽しく見る事が出来ました。しかもねぇ、大洗には私も実際に2度くらい足を運びましたし、流石に街並みはわかりませんが、駅とかギャラリーがあった建物とかは、おお!ここ行ったとこ!みたいな感動もありました。

 

相変わらず戦車とかはほとんど区別つきませんが。それでも面白いんだから大したもんだと思います。戦車知識あれば、今より更に面白く見れるって事ですから。

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