僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

T-34 レジェンド・オブ・ウォー ダイナミック完全版


800万人が熱狂した胸アツ戦車アクション/映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』予告編

原題:T-34
監督・脚本:アレクセイ・シドロフ
ロシア映画 2018年
☆☆☆☆

<ストーリー>
第二次大戦下、ソ連の新米士官イヴシュキンは初めて出撃した前線で惜しくも戦いに敗れ、ナチス・ドイツ軍の捕虜となってしまう。戦車の指揮官であることがわかると、収容所で行われているナチスの戦車戦演習のため、ソ連の最強戦車T-34を操縦することを命令される。イヴシュキンは、同じく捕虜になった仲間たちと隊を組み、T-34の整備と演習への準備期間が与えられた。しかし、その演習では弾を装備することは許されず、ひたすらナチスの戦車軍から逃げ惑うことしかできない。命令に背いても、演習に出撃しても必ず死が待っているのだ。しかし、男は仲間のため、そして収容所で出会った愛する人のため、あまりにも無謀な脱出計画を実行に移す。たった4人の捕虜が、ナチスの軍勢に立ち向かう。果たして、決死の作戦は成功するのか―!?

 

普通ならスルーしちゃう感じもしましたが、メチャメチャ評判が良いのと、「ガルパン」を見て、戦争映画で戦車がメインになってるような映画、これまで観た事無かったのもあって、じゃあ一度くらいこういうのも見ておくか、という事に。

 

2度見て来ました。というか、1度目寝てしまって、多分2割くらいしか見てない。つまんないとかじゃなく、普通に疲れてる中で見に行ってしまって、力尽きた。なので2度目もまた寝ちゃうかなと心配だったのですが、前日は頑張って夜更かしせずに体調を整えて挑み、2度目はちゃんと見れました。

 

戦車物の映画、これが初体験です。なので物凄く新鮮。この手の映画を何本も見慣れている人とは違う感想になると思われるので、その辺りはまず前提としてご理解願います。

 

砲塔の回転一つでここまでサスペンスが演出出来るのが戦車というものなんだなと思ったし、スコープの視点も面白かった。なるほど、ガルパンとかはこういう映画とか好きな人が作ってて、この手の映画の面白味を美少女アニメに落とし込むっていう手法だったんだなと改めて知りました。勿論、それだけでなくガルパンならではの面白さって言うのはちゃんとあるんだけど、「ガルパンはいいぞ」っていうのがね、ネタとしてはわかるんだけど、もっと面白さや特色を言葉や理論で語ればいいのになと思います。

 

当ブログの他の記事にも目を通していただければわかると思うのですが、私はいくらでも言葉で語りたいタイプの人なので、多くを語らずみたいなのはあまり好きなスタンスではありません。ガルパンも語りたいですが、今回は「T34」の話なのでそれは次の劇場版の時にでも。

 

あとはミリタリー物全般について。個人的にはそういうのの興味が全く無くて、むしろ「人殺しの道具」をカッコいいみたいに言うのはやはりどこか抵抗があって(これがガンダムなら所詮マンガでしょ?で済ませられるのですが)ミリタリー好きな人はその辺りの葛藤ってどう処理してるものなの?みたいな疑問も昔からあるのですが、とりあえずは「この悲惨な戦争を繰り返してはならないのだ」的なことを最後にポーズでいいから入れておくのが昔からの定番みたいな事を少し前に知って、そうか一応ポーズでしかないのだとしても、そういうの気にしてないわけではないんですよ、みたいなのを割と最近知りました。

 

そこ考えれば、なるほどガルパンも兵器のロジックとかそういう部分だけを生かして、人も死なないし、これは戦車道っていうスポーツの一環なんですよ、というのもバカバカしさ半面、良く考えてある設定なんだなと改めて思います。面白い部分だけを抽出して、倫理的にどうなのって部分を描く必要のない形にしてあるんですね。って結局ガルパンの話してるし。

 

でもって、ロシア映画というと、それこそタルコフスキーとかチェブラーシカとかそんなイメージくらいしか無い私は、こういう大作みたいなのがちゃんと作られてて、しかもそれ必要か?っていうベタなラブロマンス要素まで入れてある辺りは、日本でも無理矢理ラブロマンス要素を入れ込む作風とかと同じで、色々と気を使うのは共通なんだなと、そこは面白かった。この話と作風で、やっぱ色恋沙汰とかいらねーよ、としか思えませんけれども。

 

ライバルとの一騎打ちとか、いかにも漫画っぽい話の作りとかそういうのもリアルさとは逆のベクトルで面白かったし、例えば普段韓国映画を見てない人が話題作として「パラサイト」を観た時って結構新鮮に感じると思うのですが、そういうのと同じような感覚で単純に映画としての良し悪しとかだけじゃなく、私が触れてきてない世界でしたので、もの凄~く新鮮に感じられる一本でした。

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