僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲(PS1版)

悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲 PS one Books

Dracula X: Nocturne in the Moonlight
発売:コナミ
開発:コナミコンピュータエンタテインメント東京
ディレクター:萩原徹
機種:プレイステーション
発売日:1997年3月20日
☆☆☆☆☆

PS版をポリメガでEDまでプレイ。
こちらのPS1、移植されたSS版、PSP版「Xクロニクル」に入ってたバージョンと、当時から何度もやってますが、やっぱり面白い。

 

元々「悪魔城ドラキュラ」シリーズは初代のFCディスク版の頃からずっと好きなフェバリットタイトルで、SFCやGBA、DSもそうですし、メガドラとかPCEもドラキュラがやりたい為にハードを買う、くらいの特別なタイトルです。のおかげで今だと軒並みプレミア価格になってる旧シリーズも当時の価格でほぼ確保したものが今も残ってます。

 

私はPS本体とSS本体では先にサターンの方を購入して、プレステは後から購入。確かこの「月下」と「バイオハザード」が目的で購入した気がします。バイオがマニアの間で少し話題になりかけてた頃だったような。

 

ただこの「月下の夜想曲」今で言うメトロイドヴァニアというジャンルを切り開いたものとされている通り(メトロイドはそのまま任天堂の「メトロイド」で、ドラキュラの海外版の「キャッスルヴァニア」に由来する言葉)探索型のアクションで、これ以前に出ていたドラキュラシリーズの面クリア型とは別ジャンルになってしまっていた事は、プレイ前は不安要素ではありました。

 

今はRPGみたいに何十時間も遊べるゲームが主流で、面クリアクションでは時代にもう合わなくなったという判断なんだろうな、という印象でした。望んでいるものではないけど、時代に合わせるのは仕方ない、みたいな感覚で挑んだのを憶えています。

 

ところがですよ、そんな「仕方ないな」なんていうちょっとネガティブな感覚を見事に吹き飛ばしてくれるくらいの面白さだったんですね。そして今回も改めて感じましたが、作り込みが本当に半端無い。

 

ジャンルを変えた1作目ながら、それは実験作ではなく文句のつけようが無いレベルの完成形をいきなり出してきたこの衝撃たるや。

 

しかもねぇPCエンジンSCD版「血の輪廻」、MD版「バンパイアキラー」は演出も面白くて満足だったんですが、SFC版「XX」にちょっと物足りなさを感じた後でしたから、あれ?ジャンル変わっちゃったけどこっちの方が面白いぞと思ってしまった記憶があります。

 

メトロイドヴァニアなんて言ったって、メトロイドの方の1作目は1986年ですよ?同じくディスクシステムの「ドラキュラII」と同様に、正直まだ探索型としてもまだ洗練されてない中で、GB版「II」を経て完成形になった3作目の「スーパーメトロイド」が1994年。そっちの方が3年も先なのに、メトロイドヴァニアと呼ばれるようになったのはそれだけこの作品の完成度がずば抜けていたかの証明だと思われます。


コナミ的には「大魔司教ガリウス」なんかの方が城探索という意味では原点に近い気もしますし、ジャンル的にとか歴史的にとか系譜は色々あるけれど、「スーパーメトロイド」「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」のこの二つがマスターピースという感じなのでしょう。

 

そこからドラキュラもGBA版3作、DS版3作と探索型が続くし、メトロイドもGBAで「フュージョン」「ゼロミッション」と当時はありました。任天堂嫌いな私でも、メトロイドは特別みたいな気持ちがあって、その辺は私やってます。メトロイドに対しての思い入れはまたいつかの機会に。

 

で、月下ですが、程良い難易度ですし、今回たまたま割と初期の段階でウェバスターというドロップ品の剣が手に入って、必殺技が強くて重宝しましたし、ホーリーロッドとか毎回使ってるものもありつつ、逆さ城に入ってすぐに手に入るムーンロッドとか今まで私ほとんど使った記憶ないけど、これの必殺技がやたら強かったんですね。後半はほぼムーンロッド無双でした。

 

といった感じで、使う武器やドロップで入手出来るかなんかも含めて意外と毎回新鮮な形で遊べるのが面白い。ドロップしだいで戦略が変わるとかはGBA版にも引き継がれてた気がしますので、多分その辺はゲームデザインに含まれてるものなのでしょう。

 

リヒター戦でのEDとかも、普通の人はこうなるだろうって流れを踏まえて作ってますよねこれ。あれってリヒターがラスボスだと思って倒すというより、どうせイベントバトルだろうと思って倒すとEDが流れてしまう。あれ?これで終わりなの?なんかちょっと物足りないなぁと思わせつつ、まだ行って無いマップとかもあるし、その辺もう少しやってみるかとなった辺りでイベントも進むし、大体のマップも埋まって操られたリヒターを今度は解放したらそこから今度は逆さ城!という流れが本当に見事。

 

そこからはこれといったイベントも無く、マップ埋めて各所のボスを倒して行くだけでややダレてしまう感じもありますが、霧やコウモリ、ハイジャンプなんかもあって自由に動けるようになってそれはそれで楽しい。

 

で、武器と言えばですね、PS版・SS版・PSP版と私やってますけど、アイテムコンプリートとかそこまではやりこんで無いんですよね。GBA版かDS版は確かそこまでやったのもあったけど(スカイフィッシュ狩りが大変なのってどれでしたっけ?)

 

なので、何故かスマブラにまで登場した「ヴァルマンウェ」を過去に入手した記憶が無い事に気付く。もうドッペルゲンガーとガラモスくらいしか残って無かった状況でしたが、せっかくなので狩りでもしてみようかと、お化けのキュウちゃんから初めてヴァルマンウェ入手。


いやぁ、これは確かにバランスブレーカーだわ。
2本手に入れて左右に装備すると完全にスキが無くなるとか書いてあるけど、1本だけでも十分です。数値上は最強武器とかでは無いものの、攻撃モーション無しで瞬間的に4連撃。移動中に立ち止まることなく、敵がもうただ溶けていく様子に思わず笑ってしまった。

まあ、レアドロップですから普通に隅々まで探索したら手に入るよ的なものでもないし、たまたま運良く手に入ったら、宝くじに当たったみたいにラッキー。驚いてねぐらいの感じだったんでしょうし、面白いんじゃないでしょうか。

 

何でもかんでもポリゴンにするのが正義っていう時代に、こうして2Dの極みみたいな事をこれももかとやってくるし、ゲームデザインやバランスも秀逸。そして何よりこだわりですよ。城の外壁のとこに小鳥がとまってそれが飛び立ったり、氷系の敵がいるところの近くの水面だけ凍ってたりとか、ゲームを侵攻する上では全く意味の無い部分にまで、無駄に作り込みをするセンス。


それはコスパやタイパでは測れない、無駄なものだからこそ見えてくる意味や価値。こういうものにならお金を出しても損したと思わせないものがあって、私は今回そこが一番の発見だった気がします。

 

何年経とうが色あせない完成された名作。
至高とか究極と言っても差し障りの無い1本じゃないでしょうか。