シリーズディレクター:暮田公平、貝澤幸男
シリーズ構成:田中仁
プロデュサー:神木優
TVアニメ 2017~2018年 全49話
☆☆☆☆☆
バタバタしてる間に配信もとっくに終わってしまいましたが、BDの4巻は持ってるので一安心。ソフトがあればいつでも見れる!ネットが繋がらなくても大丈夫です。(結局ネット繋がらなくなったの設定どうのじゃなく物理だったという・・・)
とは言え、逆に持ってるといつでもいいやとつい後回しの魔女になってしまいます。
ようやく完走したのでせっかくなので感想も。
■第37話 サリュー!シエル、フランスへ去るぅー!?
村山功脚本、宮元宏彰演出
秋映画連動回。映画と同じく村山さんが脚本で、パリのコンテストとか設定回りだけでなく、シエルのスイーツとの向き合い方とか、テーマ的にもきちんと映画に重ねてある。
■劇場版 パリッと!想い出のミルフィーユ!
土田豊監督 村山功脚本
久々に見ると、シエルが主人公かと思ってたけど、他のキャラの方がギャグ的には目立ってるので、あくまでシエルの話を軸にした感じか。
前に書いた感想記事はこちら
■第38話 ペコリン 人間になっちゃったペコ〜!
ペコリン回。今回はルミエルさんの力を借りた(?)ものの長老もキラピカも人間体になれるんだから、この世界観的には修行を積めばそういう事が出来るようになるという設定のはず。
プリキュアシリーズとしても、1話だけ妖精が人間体になる話みたいなの定番イベントですしね。
おんなのこペコリンの「ススメ!スイーツウェイ」といちかとのデュエット曲「はらぺこ☆ハピデコ♡ドーナツ」と2曲も新旧ボーカルアルバムから両方の曲を使用と言う結構な待遇の良さ。
ディアブルを改造?するグレイブと、眠っている間もずっとキラリンが話しかけてくれたおかげでピカリオが最後に反応し・・・。
■第39話 しょんな〜!プリキュアの敵はいちご坂!?
田中仁脚本
妖精会議が開催され、そこにはガミーらの姿も。眠り続けるピカリオを前に、唆されて悪の道に足を踏み入れた事は別に恨んではいないと。こいつもワケアリだったんだと。そんな中、自らを100%の悪人だと嘯くグレイブが町を支配してしまう。
アニマルゴーランドも破られ、町の人にも手を出せない状態でピンチに陥るプリキュア達だったが・・・思いがけない人物が現れる。
一緒に登場したエリシオが今後も色々あるのに対して、ぶっちゃけ影の薄い敵キャラだったグレイブ。あ~そういや居たなこんなやつ。グレイブと言えばこれっていうエピソード何かあったっけ?と思ってましたが、ここが最大の見せ場だったか。
■第40話 レッツ・ラ・おきがえ!スイーツキャッスルできあがり!
田中仁脚本
町を巻き込み、最終決戦感のある前後編。
ルミエルの力を借りたピカリオだったが、グレイブを倒す決定打にはならず、一時撤退を余儀なくされる。キラキラルを再び作れば良いと、ピカリオとビブリーが時間を稼ぐも・・・。
まさかの三ツ星にゃんこ再登場。動物も妖精も、町の人もみんなの力を合わせてスイーツキャッスル出現。プリキュアはアラモードスタイルにパワーアップしてグレイブを退ける。
やんちゃが過ぎた過去のグレイブ。赤スーツ姿が「止まるんじゃねえぇぞ」の人をなんとなく彷彿とさせてくれます。中の人はカッパードに転生してたけど。
「闇」そのものというよりは「一つの個性」(外見もネンドモンスター固定ですし)に染めてしまう事を拒否するホイップ。そしてプリキュアそのものやルミエルが持つ特別な力と言うよりは、町のみんなの全体の力がプリキュアに力を貸すと言う描写。この辺はシリーズ構成の田中仁さんがここ2話の脚本を担当してるだけに、全体としてのテーマもここで見え隠れしてくる辺りが興味深い。ある意味、最初の最終回みたいな感じでした。
■第41話 夢はキラ☆ピカ無限大!
香村純子脚本
キラピカ回。上ケンさんの作画なのもあって、こっちはこっちで劇場版っぽい感覚があって面白い。全員揃ってじゃなく、中学生チームと高校生チームが別行動というのもちょっと特別感がある。
映画はシエルの話ながら、ピカリオ絡みの部分はさほどシリアスに掘り下げたわけでは無かったので、自分のおかした罪に苛まれるピカリオと、そんなピカリオを放置してしまったキラリンの反省を改めて描く。
プリアラにおける妖精の設定とかよくわからんので、親とかから生まれるのか、そういうの無しにぽいっと単体で誕生するのかとか不明だけど、姉弟という特別な絆、唯一の本物の家族みたいな感じとかシエルのお姉さん感が面白い。
■第42話 歌えWOW!あおいラストソング!
あおいのお当番回の最終章。あこがれのミサキさんに見放されて、というのは前のプロットと大差は無いんだけど、今回はメンバーが受験の為のバンド解散と、割と常識的な所に囚われてしまう。
ロックと言う自由を求めて常識外れが必要そうなジャンルで、その逆の常識さというのを対比として描く形なんだろうけど、そもそも私の時代でさえロックなんてもうただの音楽ジャンルに成り下がってましたし、そこに意味性を求めるとか、今の人には通じない気がしないでも無い。
水島さんに財閥を継がせようとか言い出すお父さんの方がロックな気がする。いやまあ半分は親族みたいなもんだし、お話として唐突なだけで現実では別に無い話でもないのかも。
因みに今回の新曲「エール」2枚出たボーカルアルバムどちらにも入って無い。最後に出たベストアルバムにしか入って無いレア曲。つまり、既存の曲を使ったのじゃなく、終盤のここに来て、この話の為に新曲を作ったという事になる。あおちゃん恵まれてるし愛されてるな。
■第43話 かくし味は勇気です!ひまりの未来レシピ!
ひまりんお当番回ラスト。前のイベントのアシスタントから、今度は本当にクッキングアイドルになろうかという中の人込みのメタ回。
TV局では同じくオーディションを受けにきたOP&EDの歌手二人も登場。(つってもゲストというよりあくまで目立つモブでしたが)
今の自分を受け入れられるかという何気に重たいお話。メイン6人の中では多分、こだわりという面ではひまりんが一番強い。「その話、いるか?」と、心の奥底には未だにトラウマを抱えていて、どこが自分に自信が持てない。
いやでもさぁ「もし」を考えた時、自分の好きな物を捨ててまで周りに合わせてたらそれで幸せになるのかなっていう話ですよね。他愛もない話題のテレビの話して、みんなに合わせて、みたいなのって多分多くの人が経験してたりすると思う。自分を貫いて孤独になるのが怖いから、孤立してしまうのを避けたいから。で、そっちの道はそっちの道で、気を使うし逆に自分が持てない自分って何なのかな?とか悩んじゃうんですよねきっと。
私もどっちかと言えばひまりんタイプでしたし、孤独な子供時代でしたが、まあ大人になって見れば自分を貫く個性を武器にしてきたりと、それなりに世間と戦う術は身につけましたが、孤独なのは相変わらずかも。
いや正直寂しい気持ちはあるんですよ。でもねぇ、以前何かの時に書いたけど、20も過ぎて付き合った経験も無いのは情けないなと思って、その時は自分を曲げていくらかは世の中に迎合してはみたんですけど、同時にわずらわしさや狭苦しさも感じて、何年かはそっちの道も歩いてみたけど、やっぱり孤独でも自分を貫く道の方が面白いやと思っちゃったんですよね。誰にも真似できない個性は持ってるぞと言う自負はありつつ、それはそれで問題はあるというか、難しいとこです。
ひまりんは仲間に恵まれててホントに良かったねと。で、そこ考えると実は個性としては違いすぎるあおちゃんとのコンビがなんだかやっぱり特別に思えます。
シアタールームで思い出がフィルムで映し出される演出とかも面白く、内容的にも力の入った話でした
■第44話 雪に秘めた想い!愛をさけべ、あきら!
田中仁脚本
あきらさん回ラスト。青山さん回なので絵柄がみくちゃんにマッチしてて良いです。
というかここでショコラを直接攻めるんじゃなく、みくちゃん狙いと言うのがエリシオ凶悪というかエグい。ジュリオ編もそうだったけど、プリアラは要所要所がいやこれリアルにキツイなっていう回が入ってるのが何気に特徴かもしれない。
そして、あきらさん自身が寂しかったのでは?というこれまでとは少し違う目の付けどころと、そこを含めた弱さの根源こそが「愛」なんだと気付くあきらさんの強さ。この辺の描き方が抜群に面白い。
何だろう?プリアラって基本ベタな考え方は踏襲しつつ、こんな考え方も出来るよねっていうちょっとした+αの部分が新しい気がする。
■第45話 さよならゆかり!トキメキ☆スイーツクリスマス!
ゆかりさん回最終章 坪田文脚本
が!他のキャラと違って闇落ちする事もなく、自分の進路を決めて留学を決意。もうすこしでお別れしちゃうけど、離れていても気持ちは一つだよ、というのが描かれる。
ゆかりさん役の藤田咲さんも言ってたけど、他のキャラの最終章と違って、これまでは逆に一人で変身する事の多かったゆかりが、最後はあえて一人じゃ無くみんなと変身してる所が逆にマカロンの最終章として気に入ってるみたいな事を言ってたと思います。
リアルタイムの放送的にも年内ラストでクリスマス回、年明けからラストスパート入りますよっていう前のクリスマス回というのもあってか、みんなの気持ちのまとめをあえてゆかりさん回でやる意味、みたいなのが脚本の意図なのでしょうきっと。
■第46話 ノワール大決戦!笑顔の消えたバースデー!
田中仁脚本
アバンが新年のあいさつで、開幕グエッが無いと思ったらプリキュア名物妖精激突がここでっていう。
いちかの誕生日回と思わせておいてのノワール襲来。そしてそこからルミエルとの因縁。愛憎が入り乱れる中、どちらも笑顔にして見せると立ちあがるいちかと仲間達。そんな中、作られたいつわりの人格であったエリシオが、愛も憎しみも全て無くしてしまえば良いと、感情の無い世界を作り出してしまう。
いやぁ、ここのエリシオの発想が現代的で面白いなと。ノワールが戦場で闇に染まってしまったが故に、自分だけの為の愛のみが傷を癒せると思うのと、個人への愛ではなく皆への愛こそがプリキュアの使命とそれを拒否してしまうルミエル。
そういうのに対してね、愛も憎しみも全部もう要らない。感情なんか捨てちゃった方がもう争い事もなくなるしそれが正解なんじゃね?っていう発想が面白い。
■第47話 大好きをとりもどせ!キュアペコリンできあがり!
キュアペコリン回
プリアラは最後は7人になるんだよねとは言われても正規プリキュアにはカウントされず番外扱いなのは販促無しというのが何気に大きい気がする。
プリキュアはクリスマス商戦が山場でその後のお年玉需要みたいなのは見込んで無い。(ガシャポンとかもそこまで月2ペースで新作出るけど1月は何も出ないのです)未就学児がメインなので、お年玉の自分の金でおもちゃを買うとかもまだ無いというのもきっとある。
ただ、ドラマとしては自分より弱い存在でずっと守るべき立ち場だったペコリンがプリキュアになるっていう展開は、いつか自分もプリキュアになれるかもしれない的な気持ちにさせてくれて、それはそれで面白い気がします。
放送的には1月なので、実はもう次のプリキュアの予告が毎回入ってる頃。子供達は新しいシリーズに目移りしちゃってて、その辺の状況はなかなか難しいとこです。
そして何気にただの駒としてながらグレイブも復活。
で、最後に登場するエリシオに、「空っぽなあなたに伝えたい」っていういちかの言葉が本当に素晴らしい。最初に「絶対こんなの間違ってる!」とか言うんじゃないんですよ。大切な事を教えてあげたい、伝えたいって言うの。
■第48回 さいごの戦い!世界まるごとレッツ・ラ・まぜまぜ!
ラス前ながら実質の最終回 田中仁脚本 暮田公平監督演出
ルミエルとノワール両方の力を身に付けたエリシオ最終形態がプリキュアラスボス史上最もカッコいいビジュアル。光と闇なので白と黒の左右ツートンなんだけど、ルミエルさんというかプリキュアだからか、白のとこがピンクなのが凄くツボです。
そして前半の圧倒的なアクション。肉弾戦封印とかここまで来たら最後だしもう解禁!っていうのが良くも悪くもだけど、アクションシーンとしては力入っててやっぱりカッコいいです
一度は倒したかに見えたものの、エリシオの体内に全てを吸いこみ封印。こだわりがあるから争いが生まれるんだ。一度全てを無にしてしまわなければ、と異空間の見た目も含め、なんかこれ「イデオン」じゃねーかとか思ってしまった。特に公言はされてないけど、実際オマージュだったリしないのかなこれ?
実際に難しいと感じる事もある。でも色んな好きがあるなら、一つ衝突しても別の好きで繋がれたりもするよ、私はそれを信じたいなっていう等身大のいちかの気持ちでぶつかっていく様が本当に良いですね。
いやぁ、主人公補正なんでしょうけど、このピンクキュアやっぱり好きになっちゃうよね感がまたね、ああプリキュア見てきて良かったなって本当に思います。
■第49回 大好きの先へ!ホイップ・ステップ・ジャーンプ!
エピローグでもあり引き継ぎ回でもある最終回 田中仁脚本 演出
いきなり1年後。ゆかりさん不在でやってきたけど、更に皆それぞれの道へ進む事になったらしい。みんなが居なくても自分一人でキラパティを続けたいというと、ペコリンが自分がまだ小さいからいちかの道を閉ざしてしまっているのでは?と感じてしまう。この辺はあきらさんとみくちゃんの話にもちょっと似てるかも。
と、同時にプリアラとお別れしたくないな、まだここに留まっていたい、という気持ちも重ねて描いてるんですよね。いちご坂はペコリン達が仲間達と上手くやっていくから大丈夫。番組的にも次のキュアエール達が頑張っていくから大丈夫だよ、という感じのエピローグです。
そして最後はやや唐突な更に「数年後」の大人になった姿を披露。ここはゴープリから始まって(ゴープリはストレートには見せてませんでしたが)まほプリ・プリアラ・HUGプリ・スタプリと最終回で大人の姿を見せる流れが5年ほど続きます。将来は無限大だよ、あとはあなたたちで自由に想像してみてね、っていう所から、ある程度具体的な姿を見せる形にしたのは、時代の変化なのかなと思います。
今やプリキュアは20年。プリキュアはこうあってほしい、こうあるべきとか思う部分もあれど、じゃあ20年前の価値感を引きずってたら、それはそれで嫌というか、色々と問題はありそうじゃないですか。
違う事をやりたいならプリキュアじゃ無い新しいタイトルでやればいい、というのもある意味正論かもしれないけど、そうじゃなくて変わりながらも同じタイトルを引き継ぐ事を選んだのがプリキュアと言うシリーズなんだ、と言う事なのでしょう。
好きがあるなら、嫌いもある。それは仕方ないよね、とプリアラは言ったんです。でも、違う好きで繋がる事も出来るよ。個性は決して一つじゃ無い。好きも嫌いも、色んな個性もレッツラまぜまぜ。キラキラプリキュアアラモード、出来あがりっ!って事ですよね。
私、何度もプリアラは微妙な所もあるけどキャラは嫌いじゃ無い的な事を言って来ましたが、こうして見返して見るとこれが全然話もテーマも他のシリーズに比べて引けを取るとか全然無いじゃないかと再確認出来ました。
ってあれ?BDには最後のあれが入って無い。配信だとありました?シリーズによってはBDにも入ってたのあった気がするんだけど違ったっけかな?
そうこれこれ。私も今なら「大好きだよ」って伝えたいです。
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