僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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X-MEN:ザ・トライアル・オブ・マグニートー

X-MEN:ザ・トライアル・オブ・マグニートー

X-MEN: THE TRIAL OF MAGNETO
著:リア・ウィリアムズ(作)
  ルーカス・ヴェルネック、デイビッド・メッシーナ(画)
訳:高木亮
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2024年
収録:X-MEN: The Trial of Magneto #1-5(2021-22)
☆☆☆★

マグニートー
人生最大の試練
磁界王にかけられた疑惑、その裏にある真相とは……?

ミュータント史上最大の祭典であるへルファイア・ガラの翌朝、
スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフが死体となって発見される……。
事件の全貌を解き明かすべく、ミュータントによる捜査チームが動き出し、
状況証拠からマグニートーにワンダ殺害の嫌疑がかけられた!
仲間を失った喪失感で悲嘆に暮れる者や義憤に燃える者、そして真相を追う者、
様々な想いが交錯する中、裁きのふるいにかけられたマグニートー
思いがけない行動に出る。はたして、不可解な殺人事件の真相は……?

 

ヘルファイア・ガラ」に続くシリーズ7冊目。
と言っても今回はヒックマン脚本では無い。
本来はXファクター探偵事務所用のミステリー風シナリオだったものを出来が良いという事で、イベント枠として本筋採用。確かにこれはクラコアX-MENらしい状況や設定を生かした、まさにこの時期だからこその展開で、なかなかに面白かった。

 

ワンダの状況としては、長年親子と思われてきたマグニートーマキシモ姉弟に実は血のつながりは無く、ワンダも先天的なミュータントでは無かったとされた。
ここは当然MCU絡みでの設定変更になるんでしょうけど、10年も20年も続けてきた関係性と、かつての「ハウスオブM」のストーリーラインがX-MEN関係ではメチャメチャ爪痕を残してきたわけですし、実は血のつながった親子ではありませんでした、ここで関係性も終了です、とはならない辺りが面白味。

 

アベンジャーズ:チルドレンズクルセイド」とか読んでもやっぱりマグニートーは娘の事を物凄く気にかけているのは確か。

 

ただ、印象論としてはやっぱり気にかけているのはワンダの方で、これが弟のピエトロとなると、またちょっと関係性が違ってくるイメージ。

 

クイックシルバーことピエトロ君、姉さんを守るのは親父じゃ無く俺の方だっていう露骨にシスコン気味ですからね。今回、すっごい良いセリフがあって
「お前は姉さんを壊れた物として見てた!姉さんは…弱いだけだ」
「姉さんは…ただの病気だ、助けが必要だったんだ。ほんの少しの思いやりが」

ぶっちゃけワンダって、アベンジャーズを壊滅させ、ミュータントを根絶やし、自分に都合の良い形に世界そのものを作り替えてしまうと、相当なやらかし具合で、割とどのキャラからも心のどこかでは腫れ物扱いされてた感はある。

 

そこに対してピエトロは、確かに色々と問題は起こしてきたけど、悪人とかでは無いし、そこは精神の脆さとか病気なんだから攻めないで欲しい、っていう、ある種盲目的ではあるけれど、最後まで血のつながった姉弟としてどこまでも味方であり続ける、みたいなスタンスは、それはそれで大きい。

 

家族や血のつながりはあっても、縁は切れるのも事実だし、どっちかというと私もそちらのスタンスだけれど、例えば家族なり、逆に自分がでも良いけれど、何か犯罪とか事件を起こしてしまった時、最後まで味方で居てくれる家族が居るって言うのは結構大事な事なんじゃないかとは思う。
逆にMCUでは弟君が先に退場しちゃったのはキツイわな。

 

そしてそんなマキシモフさん、今は人間扱いなものの、かつてはミュータントの仲間とされていた為、多少は古いデータになるが当時の状態での再生は可能。評議会で賛否を確認するも、復活に賛成なのはカート、キティ、オロロの3人のみというのが何とも悲しい。過半数はミュータントの敵を蘇らせる必要は無いという判断なのが、まさしくクラコアで変わってしまったミュータント達、という感じ。

 

一応ネタバレを避けてこの場ではオチは伏せておくものの、そこら辺のクラコアの倫理観や設定と、ワンダのケイオスマジックの合わせ技みたいな所で、ミステリーとして意外な落とし所に持って行くのは上手い。

 

そしてここからクラコア編ストーリーのクライマックス「インフェルノ」に続く。

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