僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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X-MEN Vol.2:戦雲

X-MEN Vol.2:戦雲

X-MEN Vol.2
著:ジョナサン・ヒックマン(作)
  レイニル・フランシス・ユー 他(画)
訳:高木亮
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2023年
収録:X-MEN Vol.5 #7-11(2020)
☆☆★

 

ミュータント”であるための試練の儀は彼らに何をもたらすのか?

世界に独立国家クラコアを認めさせたミュータントたち。
人類の憎悪と恐怖は、もはやミュータントの命を奪うことはできない。
だが、新たな試練が彼らの生活を一変させる。
ミュータントの魂にとって、試練の儀は何を意味するのか?
一方、宇宙規模のトラブルを引き連れて、ニューミュータンツが地球に戻ってくる……。
さらに加速する『X-MEN』の物語、第二巻。

 

X-MENクラコア編2巻目。
1巻と同じく、基本的には今後の話のための前振り、種まきみたいな事をひたすらやってたりする感じで、話に派手な動きみたいなものが無いのがやや物足りなくもあるかも。

 

特に後半は宇宙系のクロスオーバーイベント「エンパイア」のタイインでもあるので、そっちも邦訳予定には入ってますがもうしばらく作ですし、X-MENが中心に居るイベントでも無いので、今回の話はそんなに重要な話でも無いのかなとも。「エンパイア」の方は解説書を読む限り、長年抗争を繰り広げてきたクリーとスクラルが、より強大な敵を相手に遂に手を組むという話の様子。

 

アベンジャーズファンタスティック・フォーの方のストーリーラインのようで、そりゃあクリースクラル戦争の延長ならそうだわな、と思いつつ、X-MENでコズミック系と繋がりが強いのは、シーア(シャイア)帝国なので、今回もその辺と絡めての話。


あと、マーベル版「エイリアン」のブルード。そういや昔からブルードってX-MENにはちょこちょこ出てましたけど、初出がX-MENなので、基本的にはX-MEN系のアークヴィランって形になるのでしょうか。

 

コズミック系の話もそれこそ「ダークフェニックスサーガ」みたいにX-MENらしい部分ではあるものの、地球で独立国家を宣言した現状の流れの上では、ちょっとノイズにも思えると言うか、わき道進んでないでもっと確信に迫る話をやってよ、と思わなくも無い。

 

そこ考えると、話は戻るけどやっぱり前半の描写が面白くってね。「M-デイ」でミュータント能力を失ってしまった人達も、クラコアの再生で復活すれば、能力を取り戻せると。ただ、復活と言うからには、当然一度死ななければならない。


復活したのはそれただのコピーというんじゃないのか?でも実際に魂がこもった存在であるから、それは本人とも言える。みたいな、もはや人間の生死さえも超越した新しいミュータントの倫理観や価値観への揺さぶりがとてつもなく面白い。

 

その上、今回の話はそこに対してナイトクローラーが、これは何なのかつい思い悩んでしまう。これは正しいのか倫理観を超えたものなのか、神への信仰心が強かったカートだからこそ思い悩む部分もあって、そんなカートがどういう答えを導き出すのか知りたがるサイク、という図式も非常に面白いです。ここはね、長年積み重ねてきたキャラクターだからこその面白さ。

 

プロフェッサーやマグニートーだけでなく、サイクとウルヴァリンもそうだし、それこそナイトクローラーやコロッサスやストーム、アポカリプスもシニスターも、マジックだって、それぞれの倫理観や価値観、行動理念が長年描かれてきたわけですから、各々がこの状況でどう考えてどう動くんだろう?みたいなのはホント面白い部分です。

 

さて次は3巻の前に「X OF SWORDS」というイベントタイトルのようですのでそちらに期待。

 

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