原題:THE MATRIX
監督・脚本・製作総指揮:ウォシャウスキー兄弟
アメリカ映画 1999年
☆☆☆☆
マトリックス3部作から20年、まさかの続編「マトリックス レザレクションズ」が公開間近。せっかくなので伝説の1作目を再見。
<ストーリー>
プログラマとしてソフト会社に勤務するトーマス・アンダーソンは、ネオという名で知られた凄腕ハッカーでもあった。ある日、トリニティと名乗る美女から接触を受けたネオは、彼を探していたという男、モーフィアスと会う。モーフィアスは、人類が現実だと思っている世界が実はコンピュータにより作り出された「マトリックス」と呼ばれる仮想世界であり、本当の現実世界でネオをはじめとした人間たちはコンピュータに支配され、眠らされているという驚きの真実を明かす。モーフィアスの誘いに乗り、本当の現実世界で目を覚ましたネオは、ネオこそが世界を救う救世主だと信じるモーフィアスやトリニティとともに、コンピュータが支配する世界から人類を救うため戦いに乗り出すが……。
いやキアヌが若い!20年前だから当たり前だけどマジでキアヌも他のキャストも若い!
今だとキアヌ・リーブスと言えば「ジョン・ウィック」シリーズですけど、それは映画好きな人の認識だと思うんですよね。ジョン・ウィックも人気シリーズですけど、それが霞むくらいに「マトリックス」は当時凄い人気でした。普段はあまり映画を見ないような人まで知ってるくらい話題性がありました。
確かPS2の全盛期だったと思います。DVDが再生出来て、ゲームソフトと同じような感覚でDVDを買って観る、みたいな文化が大きくなってきた時期で、「マトリックス」と映画版「バイオハザード」とか「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ辺りが売れてた印象。確か私も映画館では観て無くて、話題になってたから後でDVDで観た(勿論PS2で)ような気がする。
続編の方は映画館で観ましたが、マトリックスが好きだったというより、話題作だから観た感じだったかな?ぶっちゃけ2と3はそんなに面白いとは思わなかった気がします。
でも今回改めて観ても、1はやっぱり面白いなと。実はこの世界は作られた世界だった!っていうSF要素。当時急激に発展して行ってた最新のCGに斬新なカメラワーク。そしてアジア系じゃないのにカンフーで戦ったり、スタイリッシュなアクションと、斬新な部分が凄く多い。
「攻殻機動隊」のパクリじゃんか?って一蹴してしまうには勿体無いよね、と思わせてくれるだけのものは十分にあるんだよなと思います。斬新なビジュアルが次々と見れるので、もう単純に、おお~これすげぇ~ってついつい見入ってしまう。
2作目3作目は世界観の掘り下げとかそっち方向に行ってた作品で、それは続編の作り方としてはよくあるパターンですが、この作品にハマった!っていう人には深堀りされて行ってそれはそれで面白いんでしょうけど、もし自分が今生きている世界が仮想現実の世界だったら?みたいに想像したりするのも面白味なわけで、そこはどうしても「1」のみの面白さ。
この作品の後に、マトリックスを真似したようなアクションやカメラワークとか、影響を受けた作品が大量に出てきましたし、そういうのに見慣れると、今でも斬新と言うにはちょっと厳しい感じもしますが、それでもね、今回見返してても思ってた以上に面白かった。
キアヌって割と童顔な部類かと思いますし、今でもまだ若いイメージはありますけど、それでも今回はまず「若い!」っていうのが一番の印象。マトリックスなんてまだ最近の作品じゃん!とは流石に言いませんが、それでも特撮VFXとかの時代より後で、バリバリにCGを生かしてる作品なので、そこまで極端に古いイメージでも無かったんですけど、実際20年前ですからね。20年もあればそりゃウォシャウスキー兄弟が二人とも性転換してウォシャウスキー姉妹にもなるわな。しかも新作の方には片方しか絡んで無いっぽいですし。
昨今、旧作のリメイクやリブート企画は山ほどあるので、何でまたマトリックスなの?とは特には思いませんけれど、新作の予告を見ると、その予告のほとんどのシーンが今回の1作目と同じシーンばっか。リブートではなく、あくまで続編だそうで、作中でデジャヴが起きる時には干渉が起きている証拠、みたいな設定がこの1作目で語られてましたし、あえてその辺は狙って作ってるんでしょうけど、予告だけを観た感じでは、なんだかただのリメイクにしか見えなくて、物凄く微妙。
過去の名作をリメイクして、あのシーンはそのまま再現しました!みたいな、ただのコピーでこんなの観るなら素直に旧作を観ておけ!的な駄目リメイクの匂いがプンプンしてきますが、おそらくそこは上記の設定も含めた、あえてやってる部分なのでしょう。
う~ん、どうしようか?公開時期に他に観たいものが重なったらスルーだし、特に無かったら観る、という感じかなぁ?今回も、新作が楽しみだから今から見返しておくぜ!というより、そういやこれ続編やるんだな。せっかくだし1でも観ておくかな、ぐらいの気持ちでしか無かったり。ジョン・ウィックの方は早く次観たいんですけれども。
まあそれでも、この1に関しては伝説的な作品と言われるだけのものは十分にあると思いますし、素直に楽しめました。
なんか今見ると陰謀論をあっさり信じちゃうようなヤバい人達にも重なって、当時は素直にSFとして楽しめたアイデアも、時代が変わればちょっと負の部分にも思えたりする辺りがちょっとした面白味。
この世界は、実は影の支配者に操られているんだ!目覚めて下さ~~~い!
とか言っちゃダメですよ。そんなのは映画の中だけの話にしてね。
空想と現実を取り違えないように。