僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

悠木碧のつくりかた

悠木碧のつくりかた

How to create Aoi Yuki
著:悠木碧
刊:中央公論新社
2023年
☆☆☆☆

お仕事も
推しごとも
全力の30年間、
まるごと
振り返りました。

 


3月27日が悠木碧さんのお誕生日なんですね。私と1日違いだ。歳は一回り以上違うけど、ちょっと親近感が湧きました。前年の4月生まれの人と同じ学年になるから、1年の差が子供の頃はやっぱり大きくてね、そこは理不尽だなぁと子供ながらに感じてました。まあ学校なんか出てしまえばもうどうでもよいですけど。

 

悠木碧、子供の頃はイマジナリーフレンドというのが居たそうで、その様子を見たお祖母さんがこの子はユニークな所があるからと芸能界の道を教えてくれたそうです。子役出身というのは知ってましたが、こういう経緯だったんですね。

 

今の時代だと、人と違う事は才能だみたいな考え方も昔と比べたら多少は浸透してきてる印象もあるけれど、日本人特有の人と違う事は恥ずかしいみたいな感覚もやっぱり大きいですしね、本人ではなく回りが後々にまで影響を与えるというのはあるのかもしれない。

 

と、いきなり幼少期の話から語り出してしまいましたが、まずは私の中の悠木碧さんの位置付け。

 

悠木碧、特別にファンやってる声優さんでは無いのですが、好きな作品で耳にする事も多いですし、私的には「ヒーリングっどプリキュア」花寺のどか/キュアグレースの時に、出してるコメントとかの印象で、ああこの人は頭良い人なんだなっていう印象がありました。

 

そしてそこで見せた覚悟と言うか矜持とでもいうべきものに対してキャラクターの印象とはまた別に、中の人、声優としてのこだわりや哲学みたいなものがカッコいいなと、個人のパーソナルな部分にも興味を惹かれた人でした。

 

たまたまこの本を目にして、へぇこんなのも出してるのかと手にとってパラパラと眺めて見ると、残念ながらプリキュアについては大見出しで何か語ってる感じではありませんが、「ガンダム00」「ソニック」「ソー」とかを1節分語ってたりしました。

 

そんな感じで私も好きな物の話が多かったし、これは面白そうだと思ってそのまま購入。ええ、その辺の作品には出演はしておらず、一ファンとして語ってるのです。むしろ自分の主演作を一つ一つ振り返るとかそういうのは無いので、そこはちょっと残念ポイントかもしれない。

 

ただ、自分の演じたキャラクターについては「昔から、役を通してそのキャラクターの倫理観や哲学を自分の心に吸収する感覚が大好きなんです」と語ってるのが、声優さんならではだなと思うポイントで、「ヒープリ感謝祭」の時に、これまで何度か他の作品でも世界を救ってきたけど、のどかを通して体験できた事は他の作品のどれとも違っていて、これがプリキュアなんだなと新しい発見が出来た的な事を当時言ってました。

 

代表作でもある「まどマギ」が顕著なんですけど、世界を救うために自己犠牲の精神を持つ事がヒーローの根本みたいなのって、昔からあるし日本型ヒーローの特徴の一つとされてきました。その代表が「アンパンマン」で・・・みたいなのはアンパンマンの作者のやなせたかし氏の本も買ったけどまだ読んで無いのが1冊あるのでその時にでも語ろうかと思いますが、「ヒープリ」はそこが違ってたんです。

それって結構凄い事だと思うんですが、プリキュアだけを見てる人、アニメしか見て無い人にはあんまり響かなかったみたいですけど、私はそこって物凄く面白い部分だと思うので、そこはいずれ語りたい部分でもある。

 

あとはやっぱり本人の哲学。
悠木さん「キメラプロジェクト」という自分で原作・プロデュースをやってるコンテンツがあるのですが、そこはクリエイティビティが基本にありつつも、自信の将来的なものを見据えてという面もあるらしい。

 

今の時代は主人公を何本か演じてしまうと、拘束時間なんかの関係で他の作品の主人公のオーディションが来なくなるそう。もし作品がヒットした時は、アフレコだけでなくイベントやその後のプロモーションも含めて、主人公が欠席するわけにはいかなくなるので、もう何本も主人公やってる人は脇役が中心になってくるという事らしい。いやそれ売れてる人の贅沢な悩みでしょ?感はあるけれど、そういうのも踏まえた上で、単純な声優としてだけでない食いぶちみたいなもの確保しておきたいと言う事らしい。

 

いやたまにね、仕事上手く行ってるけど、ぞれが老後まで続くとは限らないからサブで株とか投資をやるみたいな人も居るけど、そんな感じ?或いはハリウッド俳優が売れ過ぎるとギャラが下げられなくなって逆にオファーが来なくなるので、自分の出演作を自分でプロデュースするみたいな感じか?

 

他にも普段の仕事のやり方とか、前世的なもの(スピリチュアルに思えて実はそうじゃない)そして家族の事とか、私はこんな事を考えてるよ、というのが非常に面白い。今はすぐに炎上とかしてしまうので、あまり迂闊な事は書けずに凄く気を使う的な事も言ってますが、本人も言ってるように悠木碧の頭の中を覗いてみませんか?みたいなコンセプトは凄く面白いです。


自分も同じだ、なんて恥ずかしい言い方ですが、基本的に私のブログもタイトル通り「僕はこんな事を考えている」という、自分の頭の中の思考を外部に見えるようにしている的なコンセプトですし、別に友達ではないけれど、この人は合う合わないみたいなので言えば多分理解はしやすいタイプなので、非常に楽しく読めました。

 

ガンダム00」は私はティエリア派でしたので、おのずとロックオンは特別な存在ですし、セガ派としてはソニック押しなのは嬉しい。親がゲーム好きで、子供のころからソニックのぬいぐるみを常に持ってて、親近感があった上でDCの「ソニックアドベンチャー」にドハマリ、そっから2でシャドウ押しになったらしい。この本には書いてませんが、確か以前DCは「ナップルテール」が他のハードに移植されないので、そのおかげでDCも手放せないとか言ってました。そそ、ナップルテール最高ですよね。私もマイフェバリットゲームのベスト3とかに入る思い入れのある作品なので凄く嬉しい。

 

そしてマーベルは「ソー」押しだそうでやはり、MCUから入ったそうですが、もう何周もしてて、ソーの魅力の分析もなかなか他では語られる事の無い部分で非常に面白い。マーベル作品と悠木碧と言えば「スパイダーバース」のグゥエン・ステーシーが大きいですけど、ガーディアンズ3からコスモも担当してますし、果たして将来ソーとコスモが会話する時が来るのでしょうか。乞うご期待といった所。

 

因みに「押し」の話では、自分自身「悠木碧」というのも今やコンテンツの一つで、それを押してる人が居るというのもちゃんと認識してるっぽい。いや流石に人気ある人だし当たり前でしょ?とは思うけど、自分でそう言う事をちゃんと自覚的に発言してるのはちょっと珍しく思ったし、やっぱりそういう所でも頭の良さを感じるなぁ。

 

私は幼くて無垢な物的な方向の魅力も捨てがたいけど、年齢やキャリアに裏打ちされた老獪さとかテクニック、そういうのもまた魅力に思えるようになりましたし、自分がもう結構な年齢だからというのもあるのでしょうけど、30代だろが40だろうがアイドル的な事をやれる声優さんが面白いなと思ってたりします。
10代のピチピチのアイドル見て、可愛いなと思う事はあるでしょうけど、そこに魅力を感じるかと言えば、ぶっちゃけなかなかねぇ。若いけどしっかりした考え方を持ってるんだなとか思える事があれば、それはそれで面白いのかもしれませんが。

 

声優本とか良い歳して読んじゃう自分ってどうよ?とか思う部分もありましたが、昔ね、芸能人本とかどうなのと思いつつ、大槻ケンヂのエッセイを読み漁ってメチャメチャ影響を受けて育ってきた身としては、中身が面白ければ肩書なんかどうでも良いじゃないのという精神もありますし、素直に今回の本も面白かったです。

 

ただの自伝本というわけではなく、当人の発想や考え方とかそういう所がメインなので、ただのファン贔屓ではなく読んだ甲斐は十分にありました。


巻末では寿美菜子早見沙織悠木碧の3人でのトーク。同い年でキャリア初期からプライベートも含めた中の良い友達という事らしい。
へぇ~、知らなかった。プリキュア脳な私的にはキュアダイヤモンドキュアフェリーチェにキュアグレースという組み合わせでそれもまた面白いです。

 

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