シリーズディレクター:暮田公平、貝澤幸男
シリーズ構成:田中仁
プロデュサー:神木優
TVアニメ 2017~2018年 全49話
☆☆☆☆
「ひろプリ」ロスもまだまだ癒えない昨今。
プリキュアでロスなら他のプリキュアを食べればいいじゃない?
とばかりに、丁度配信やってる「キラキラ☆プリキュアアラモード」をついつい。
プリキュアは全部見てるので初見じゃ無いですし、最初は配信を追いかける予定は無かったんですけど、私のBDコレクション中「プリアラ」は持ってるの1と4だけ。最初と最後はあるけど、真中が抜けて持ってない。じゃあせっかく無料で見れるし、特別に思い入れがあるシリーズかと言えば、劇場版は歴代映画の中でもトップクラスに好きな作品ながら、TVシリーズはこういう機会でも無いと見返さないかも?とか思って、完走できるかは不明ですが見ておこうかと。
世間一般的にもそんなに話題になる方の作品ではないですし、逆にそれなら私なりに違う意見とか出せるかもね?みたいなのもちょっとあって、見返してみるとこれが予想以上に楽しい。
シリーズ14作目で、前が「まほプリ」で後ろが「HUGプリ」です。
プリアラはベテランの貝澤幸男監督と若手の暮田公平監督の二人ディレクター制。個々の作業量の軽減と、スキルの引き継ぎみたいな目的もありつつ、ベテランの貝澤さんの方は過去のシリーズでも演出で参加してますし、シリーズ構成の田中仁さんも「ゴープリ」に続いて2度目なので、これまでプリキュアとはあまり深くは関わって無い暮田さんに新しい風を吹き込む役割をお願いしたという感じのようです。
貝澤監督は80年代から東映に居る人で、「ビックリマン」とかの監督もやってるんですね。そりゃあベテランですわ。
そんなこんなでまずは
■第1話 大好きたっぷり!キュアホイップできあがり!
大切な1話目。演出暮田監督に脚本が田中仁。
オープニング前のアバン、いちかちゃんの「ぐえっ」じゃないのが新鮮。
て言うか最初はちゃんと「伝説のプリキュア」として説明されてたのか。
モチーフアニマルのウサギから来てるんだけど、1話目からいちかをただの明るく元気な女の子としてだけでなく「寂しさ」を抱えてる子なんだよっていうのを描いてくる辺りは作り手の意思を感じます。
1話目からキャラソン、実写パートにスイーツコーナーと、色々やってやろう感が微笑ましいです。
■第2話 小さな天才キュアカスタード!
3番手のイメージの強い黄色がプリアラでは二人目。ホイップの美山加恋も子役出身で本業は俳優ですが、カスタード役も女優として今もメチャメチャ売れてる福原遥。オタク的には勿論「クッキングアイドルまいんちゃん」です。
1話に続いて脚本は田中仁ですが、演出は後にスタプリ監督を務める宮元宏彰。
宮本さんもこれ以降は沢山プリキュアに関わっていきますが、ここより前はプリキュアやって無い。その辺りからも、新しい事をやろうという意気込みで作られてたんだなというのがわかりますね。
そしてひまりん、当時はもうコミュ障って言葉、一般化してましたっけ?でも私が子供の頃にも、一部の人以外にはほぼ喋れないタイプの人居ました。そういうタイプの子供もちゃんと肯定してあげたいという考えが見てとれる。
割と明るいイメージの強いプリアラですが、テーマは「個性」なので、そこでこういう話を最初から持ってくる辺り、凄い攻めてますよね。
■第3話 叫べライオン!キュアジェラート!
男児物だったらライオンなんてドセンターですよ。っていうかメスライオンじゃなくたてがみありのオスラインですし。その上まさかの寒色系の青。なんとなくそういうものでスルーしそうになりますが、そこだけでも十分すぎるくらいにロックです。
と同時に、結果的には効果無しの演出ではあるものの、肉弾戦無しというルールを作ったプリアラですが、3話目でもうギブアップなのか?拳にクリームエネルギーを纏わせればOKってそれ結構厳しい言い訳っぽくない?とも。
そして岬あやねさん役でMachicoさんが遂にプリキュアに関わる事に。
■第4話 3人そろってレッツ・ラ・まぜまぜ!
ここで4人目に行かずに中学生チームの3人の絆を描く。
マカロンショコラの高校生チームは、実験的なキャラとして入れたので、あくまでサブチームみたいな感じで、子供達には中学生チームを好きになってもらえたら、という当初の予定でした。大人の視聴者は高校生組を、子供達には中学生組を、という感覚だった様子。ここで貝澤監督自ら演出担当に入ってる所からもそこは見てとれる。
それがまさか子供達にマカロンが一番人気になってしまうという予想外の展開に。
ゲストのまりこさんのCVがハートキャッチのなみなみ役・藤井ゆきよさん。東映の他作品だと結構良い役はやってるはずですが、プリキュアになれそうで縁が無い印象。
■第5話 きまぐれお姉さまはキュアマカロン!
という流れでマカロン変身回。脚本は後にHUGでシリーズ構成を務める坪田文。
プリキュアシリーズでは非常に珍しく、基本的にマカロン回は坪田さんが担当という、特定のキャラを専属で脚本を任せるという形に。(戦隊なんかではキャラごとに脚本家を振り分けた「ダイレンジャー」とかたまにある)
おかげで監督二人でさえ、マカロンが何を考えてるのかわからないというミステリアスにも程があるキャラに成長していく。
■第6話 これってラブ!?華麗なるキュアショコラ!
続いてのショコラ変身回。いちかはあきらの事を男性と勘違いしてしまい・・・という「ハートキャッチ」のいつき登場回を思い出させてくれます。
ただあきらさん、中の人が宝塚出身で、変身もそれを意識した物ですが、見た目がボーイッシュなだけで、メンタルは普通に女性。
後のキュアグレース役・悠木碧がショコラにハマったのは有名ですが、彼女が言う所のショコラの魅力は「男装の麗人」とかじゃなく、中はいたって普通の女の子だから見たいな事を言ってたような。
制服とかなら仕方なくスカート履きますが、私服はスカートを好まずパンツ(ズボン)スタイルが基本って言う人は普通に居ますしね。
そしてプリアラと言えば真っ先にジェラートの変身バンクが取り上げられるのですが、何気にショコラも凄くないですか?バンクに関してはこの二人が凄すぎてカスタードとマカロンが比較して薄く見えちゃって割食ってる気が。
■第7話 ペコリン、ドーナツ作るペコ〜!
ルミエルさんが消えてOPぐえっ!がここから。初回なのもあってか思ってた「ぐえっ!」ともちょっと違って楽しい。いやいちかちゃん毎週これで不憫だけれども。
ペコリン回 キュアエールの前世のヤパパもここで登場(前の話でも引き坂さんモブ生徒やってましたが)妖精たちの住む世界とは言え、異世界とかじゃなく地続きのいちご山というのもちょっと独特(前例はハトとハピチャくらい?)
■第8話 キラパティオープン…できません!
キラパティ回。キラパティの制服とかもここで披露(確か商品としても売ってたはず)
お店屋さんごっこというのもプリアラのコンセプトの一つで、前作の「まほプリ」がキュアップラパパと魔法ごっこをして子供達に楽しんでもらうというコンセプト(プリキュアに「戦い以外のごっこ遊び」要素を持ち込んだわけです)が上手く行って、じゃあ次は?という所から生まれたのが子供達が昔からやってるお店屋さんごっこが良いんじゃないかと取り入れた流れでした。
ゆかりさん回じゃないけど坪田脚本回で、キラパティ初めてのお客様がえみるちゃんっていう所で「おっ!?」と思っちゃいますよね(坪田さんはHUGのメインライターなので)声優さんとかは勿論違うのですが。
もっと前の話からですが、食材を買いに行く描写があるので、お金の問題とかどうするんだろうって私は当時から凄く気になる部分でしたが、まあそういうのは基本的に触れない形で話は進行します。そこら辺は子供向け番組だからこそのバランス感覚なんだろうなと。でもお店の家具とかそういうのはキラキラルで作れるっていうクリエイティビティ?想像する面白さみたいなのは入れてある辺りが面白さなのかなとも。
■第9話 キラパティがあなたの恋、叶えます!
プリキュア名物、青山さん一人原画回(近年だと流石に一人はキツイのか3人くらいになってますね)
そしてわりと珍しめ?なハートキャッチ風なゲストのお悩み解決回。
その容姿からポケモントレーナーとか当時言われてました。特にイケメンでもなく小太りのオタク風で、見てるこっちは意外と親近感が湧くタイプでちょっとこそばゆい感じがまた楽しい。
たった一言ですがまりこさん再登場で藤井ゆきよさんがちゃんと声あててますね。
キラパティの移動が最後に生かされるとか、意外とテクニカルな要素も多い1話。
■第10話 ゆかりVSあきら!嵐を呼ぶおつかい!
あきゆか回ながらシュールギャグの土田豊演出回なのが初回としてはとても良い。
狙って大人向けのカップリングみたいな事をやろうとすると、際限無くこういうのはやってしまいがち。実際これ以降はそっちの流れになっちゃいますし、それはそれで楽しいし、高校生組はそういう配置なのは確かなんですが、個人的には百合とかカップリングでプリキュアを語るのは私は好きじゃ無い方です。
土田さん、この後も絵コンテ回はあるけど、以降は劇場版を担当するのでTVのローテーションからは抜けます。プリアラの劇場版は大大大大大傑作で私はプリキュア映画の中でも大好きな作品の一つ。
そしてここに来てようやく「最後まで許されない男」敵幹部らしき存在が顔見せ。
■第11話 決戦!プリキュアVSガミー集団!
1クール目のクライマックス回。田中仁脚本・宮元宏彰演出。
ここまでのゲストキャラと敵妖精が大集合ながら、お話の軸はいちかパパ。世の中のお父さん泣いちゃう奴ですこれ。私はお父さんじゃないのに泣いちゃうけど。中の人がツダケンさんだけあって、何気に強いいちかパパ。
「スイーツは食べたら消えちゃうけど、受け取った気持ちは思い出になってずっと残る!」
うんうんそうだねって未来でデパプリ勢もきっと頷いてくれるぞきっと。
そしてやっぱり追加課金アイテム、今回はロッド系でその名もキャンディロッド。合体技のワンダフルアラモードも初披露。そう、プリアラはここまで必殺技(浄化技)が無い。
技名を叫ばないのが不評で路線変更かな?とも当時少し思ったけど、アイテム自体は最初から登場ありきで作ってるわけで、そこは路線変更じゃ無く溜めの演出っていう奴なのでしょう。敵幹部に関しても、子供はそこ興味無いから、登場は後半にさせて前半は少しでも主人公チームに尺を割くという方法を選んだ的な事は言ってましたし。
リアルタイムで見てた時は、その辺が割と私は不満で、プリアラはイマイチだな~とか思ってたんですけど、それを知ってる前提で見てる分にはちゃんとプリアラ面白いです。
プリアラに限った話じゃないけど、他の作品・他のシリーズはこうなのに何でこの作品は違うんだ!同じじゃないのは物足りない!っていう不満とかついつい出ちゃうじゃないですか。
でも、それもまた個性じゃない?っていうのがプリキュアですよね。
ウチはウチ、他は他ですっていう割り切り。
人はねみんな違う 愛し方や痛みも違う
その違いが素敵だって 今なら言える
あと何気に次回予告のゆかりさんが面白い。
そういや初代だと予告がコメディちっくになってる回が多くて何気にそこも楽しみ所だったんだけど、最近あんまりないね?
■第12話 敵は…モテモテ転校生!?
リオ君本格参戦。
坪田脚本に過去も未来もプリキュアを数多く手掛ける座古さんがプリアラでは唯一の演出話。
所謂イケメン枠で、かつ過去にスイーツに纏わる何かトラウマ的な物がありそうなバックグラウンドもこの時点で匂わせてくるという、ドラマ的にも面白そうなキャラ。先の話なので一応ここでは伏せておくけど後のシリーズにも繋がる系譜的にも色々重要な役どころです。
そして素直なメンツの中でゆかりさんだけは早速何かひっかかるものがある様子。
前回に引き続き、個人技もここからようやくで、アクションも今回は激しくプリキュアらしさにエンジンがようやくかかってきたかなという印象の1話でした。
という辺りで2クール目に続く。BDの収録も丁度ここ区切りです。
だいたい各話2週間くらいの限定公開のようですが、さて私はどこまで追えるのか。
2~3行の一口感想のつもりが、何だかんだと各話色々思う事はあるものですね。
短いツイッターとか私苦手ですもの。
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