DEADPOOL VS. WOLVERINE
著:ダニエル・ウェイ 他(作)
スティーブ・ディロン 他(画)
訳:吉川悠
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2024年
収録:WOLVERINE(1988) #88
WOLVERINE:ORIGINS(2006) #20-25
WOLVERINE/DEADPOOL:The Decoy(2010) #1
☆☆☆★
前代未聞の死闘を選りすぐった短編集が、
日本オリジナル編集で登場!!
常軌を逸した戦闘能力とユーモアセンスを持つデッドプール。
ただならぬ頑強な肉体と精神を持つウルヴァリン。
時に友情を育み、時に憎しみ合ってきたこの二人が、命懸けの戦いを繰り広げる。
情け無用。残酷無比。ユーモアとアイロニーは盛りだくさん!?
荒らぶる二つの魂がここに激突!!!
映画の原作ストーリー・・・とかではなく、歴史の長い原作コミックの中で
ウルヴァリンとデッドプールの数ある絡みの中から3編を収録。
■ウルヴァリン #88(1994年)
ライター:ラリー・ハマ
アーティスト:アダム・キューバート
「ベスト・オブ・デッドプール」の時も書いたけど、私のアメコミへの入り口だったのもあって、90年代アートは非常に馴染み深くて嬉しくなってくる。
記念すべきウルヴァリンとデッドプールの初対決エピソード。小プロX-MENで描かれたフェイタルアトラクション編で、マグニートーにアダマンチウムを引きはがされた後の話。通称・骨ヴァリン時代。
X-MENを離れ、自身を見つめ直す旅に出た後に傭兵デッドプールに命を狙われるウルヴァリン。デップーを若造扱いするのが時代を感じられて楽しい。ベスト~に続いてヴァネッサも登場。
ヒーリングファクター能力が弱まっていた時期なので、そんな若造扱いのデップーに一度は翻弄されてしまうも、都合良く?ヒーリングファクターも復活して第2ラウンド。という、ある意味プロレス展開。
骨ヴァリン、確かその後野獣化してましたが、その前の時期でしょうか?
■ウルヴァリン・オリジンズ #20-25
ライター:ダニエル・ウェイ
アーティスト:スティーブ・ディロン
こちらは全6話の中編。
「ハウスオブM」編で全ての記憶を取り戻したウルヴァリンが自身のルーツと向き合うオリジンズシリーズのデッドプールエピソード。
アートが結構微妙で、う~んちょっとこれはと思ったものの、ストーリーはなかなか面白い。デップーの変な脳内ビジョンとかでコメディーっぽさを出しつつ、この時代になるともうデップー人気も十分にあったので、若造扱いせずに十分な大物扱い。
が!コメディーキャラのデップーですので、調子こいた末に痛い目を見るみたいな役割もきっと定番なのでしょう。また一度は勝利したと思いきや、みたいな展開になる。
そしてこの「オリジンズ」シリーズですので、ウルヴァリンの息子のダケン(駄犬)君が登場。邦訳の中でちゃんと活躍するのこれが初めてでは?(間違ってたらスミマセン)大勢のモブの中にたまに居たりはしましたし、ウルヴァリンの関係者と言うバックボーンもあって、キャラとしては知ってるけど、これといったエピソードの邦訳も無かったので意外なキャラが出てきた面白味がありました。
あとバッキーことウィンターソルジャーもチョイ役で登場。
■ウルヴァリン/デッドプール:デコイ(2011)
ライター:スチュアート・ムーア
アーティスト:ショーン・クリスタル
こちらは完全なギャグ物短編。
他の2本もそうでしたし、きっと映画でも生かされると思うけど、二人ともヒーリングファクター持ちなので(というかデップーのヒーリングファクターってウルヴァリン経由の物って設定でしたっけ?)互いに限界を超えてボロボロになるまで戦うっていうのがギャグと言うかキャラクターの特性。どうせ後で治せるし、みたいな所で度を超えたバイオレンス描写が出来るというのはきっと映画でもあるでしょう。
映画は7月公開でしたっけ?
だいぶ金欠なので映画館からは足が遠のいてますが、アメコミ映画、ましてやマーベルをスルーするはずもなく、「デッドプール&ウルヴァリン」楽しみにしてます。
そんな映画に合わせて刊行された「ベストオブデッドプール」と「デッドプール VS.ウルヴァリン」の2冊の短編集。超絶面白かったとか言うほどではないものの、個人的に好きな90年代の作品も収録されてたのと、小粒ながらそれなりに面白いエピソードもあって楽しませてもらいました。
関連記事