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デッドプール

デッドプール [AmazonDVDコレクション]

原題:DEADPOOL
監督:ティム・ミラー
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2016年
☆☆☆


X-MENシリーズ8作目。
みんな大好きデッドプールが遂にの単独作。
ウルヴァリン:X-MEN ZREO」にも登場しながら、大不評だったものを、演じたライアン・レイノルズ自身がプロデュースして、原作により近い形で、みんなが見たかったのはこれでしょ?と執念でヒット作に導くと言うある種のサクセスストーリー?的な制作背景も見所。

 

続編の2を隔て、待望の「3」も正式発表。一度は役を卒業宣言したヒュー・ジャックマンウルヴァリンを再度演じるというサプライズもありつつ、それがMCUの一部に組み込まれるのか、どうかも現在の所不明。第4の壁を破れる「デッドプール」というキャラならどんな展開でもアリという辺りが面白い所です。

 

それはさておきこちらの1作目。
まず最初にお断りしておくと、私はそもそもデッドプールというキャラがあんまり好きでは無い。

日本で人気が出たのってどこからだろう?「マーベルVSカプコン3」からなのかな?邦訳版コミックも沢山出て、これがこれまでの邦訳本以上に売れたとかで、デッドプール関連だけ異常に刊行数が増えました。ある種のバブルをもたらした事は業界的には喜ぶべきことですが、1冊2冊だけ出て後はストップという作品も多い中、デップーばっかり優遇されてるなぁと、多少疎ましく思ったりする部分もあったのでした。

 

映画としての作りは、意外とシンプル。かなりの低予算とされてますが、言われてみると場所的に大きく3か所くらいの場面しかないなと思うけど、そんなに低予算感は感じさせない作り。

 

R指定のレーティングでグロ描写を多めに入れる事で他作品との差別化を図ったのが大きいでしょうか。個人的にはグロ要素って特に求めてはいないので、そこがこの作品の面白さだ、とは言わないものの、元々のキャラクターがもっている魅力の部分。デッドープールの場合、グロさというよりハチャメチャさかなと思いますが、そこを最大限に引き出したいという判断。

 

これはね、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」と正反対のアプローチですよね。あっちは、うるさいから口を縫い付けてしまえなっちゃってたってわけですから。それじゃあやっぱりキャラクターの魅力を殺してしまうわけです。「おしゃべりな傭兵」的なあだ名もあるキャラですので、スパイダーマンなんかと同じく、しゃべりが売りのキャラです。

 

で、そんなスパイダーマン。実はサム・ライミ版映画の1作目って、戦闘中に独り言ペラペラしゃべったりってあんまりしてませんよね。アメイジングを経てMCU版で原作通りのおしゃべりなスパイダーマンに近付いて行く。そこに重点を置かないで成立させたライミ版ってよくよく考えると凄いのですが、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」でのデッドプールも、もしかしたらそれらと同じように、原作の全部の要素を入れなくとも映画アレンジで十分いけるのでは?と考えたのかなと。

 

まあ実際の所、そこで大ブーイングだったわけですし、それがあったからこそ、俺達が見たいデッドプールはこういうのでしょ?と提示してそれがヒットに繋がったんだと思うし、そこはキャラクターを大事に思ってくれてるんだと感じてファンも支持したんだと思う。

 

でもって、それに加えて面白いのが、冒頭に自分で語るように、愛の物語だっていう、出会いから病気と言う悲しい別れ、容姿が変わって醜くなってしまったけど、それでも愛を貫く的な、根っこの部分はシンプルな話にしてあるし、個人的にここは評価したいなと思う所は、X-MEN要素。

 

コロッサスとデップーって原作でこんなに接点ありましたっけ?少なくとも私はその辺の話は読んだ事無いんですけど、真面目を絵にかいたような性格のコロッサスを対比キャラとして置くことで、デッドプールは位置付け的には「アンチヒーロー」的なキャラなんですよ、っていうのをちゃんと説明する為の配置にしてある。

「ヒーローなら敵であっても最終的には許すはずだ」
「うるせえ俺はヒーローじゃないから殺す!」ズドン!
的なやつです。

 

本当にデップー単体主役のみだったら、比較がいないのでアンチヒーローと言っても、やや伝わりにくいんですよね。「パニッシャー」の単独映画なんかがそうでした。そういえば他の作品のヒーローならこうだよねと、観客に頭の中で考えてもらって初めて成立する部分なので、それだったら今回はオリジンやキャラクター紹介編みたいなものなんだから、あえて一人では無く、正しいヒーローみたいな脇役も置く事で、単純に見てわかってもらうことにしよう、という作りになってる辺りが上手いなと感心します。

 

とまあ、ただのグロ描写や派手さだけでなく、キャラクターの魅力を伝えるにはどうしたらいいか?普遍的な感情を揺さぶる部分とは何か?みたいなものをきちんと考えて作ってある。

 

しかも過去にブーイングを受けるほどに一度は失敗して、それだけでなくDCの「グリーンランタン」も芳しくない結果に終わった(劇場で一度見たきりですが、そんなに悪くは無かった気が)ライアン・レイノルズが再挑戦したいとやったわけですからね。
特にコミック物に思い入れもない俳優さんなら、この手の奴はもうこりごりってなってもおかしくないはずなのに、再チャレンジして、良い結果を出したというのは立派な事です。そこは素直に褒めてあげたい。

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