僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ベスト・オブ・デッドプール

ベスト・オブ・デッドプール

THE BEST OF DEADPOOL
著:ファビアン・ニシーザ 他(作)
  ロブ・ライフェルド 他(作・画)
訳:石川裕人
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2024年
収録:New Mutants #98(1991)
 X-Force #15(1992)
 Deadpool #1(1997)
 Deadpool/Gli-Summer Fun Spectacular #1(2007)
☆☆☆

 

マーベルの常識を覆し続ける“おしゃべりな傭兵”
1991年の衝撃的デビューからマーベルを代表する人気者に
いたるまでの軌跡4つのエピソードで振り返る!

1991年、空前の『X-MEN』関連タイトル人気のなかで、口の減らない一人の悪党が産声を上げた。彼はいつしか唯一無二の個性を発揮し、マーベルの表舞台へと躍り出ることとなる。初登場エピソード『ニューミュータンツ』に加え、独自のカラーを打ち出し始めた分岐点『Xフォース』、初のオンゴーイング・シリーズ『デッドプール』、先輩ギャグヒーローとの競演『デッドプール/GLI – サマー・ファン・スペクタキュラー』など、バラエティ豊かな4作品を収録! 全アメコミファン必携!

 

 

おそらく日本独自編集でやってるキャラクターオムニバス集「ベストオブ」シリーズの
デッドプール編。
最初に日本語版で出た「デッドプール:マーク・ウィズ・マウス」が予想以上に売れたらしく、以降は日本語邦訳版アメコミという枠の中では恐らくバットマンの次くらいにタイトル数が出たであろうデッドプール

でもそれだけありながら、何故か初登場号だけはこれまで1度も収録されてませんでした。アメコミは全てでは無いにせよ、マーベルなりDCのヒーロー物は基本的には一つの世界を共有しているユニバース物なので、日本の漫画みたいに単行本1巻の1話から読み始めれば良いというのものでもない辺りが敷居が高いと言われる原因。

 

だからこそ映画で先に大まかな基礎設定を知るみたいなのも全然アリですし、コミックの方でも要所要所で話の区切りや仕切り直し、そのタイミングで脚本や絵の担当者も変更になるみたいなケースが多い。
デッドプールも日本語版だけでも区切りや単発の読み切り作品も多いので、そこから入れば全然問題無いんだけど、逆に慣れてくると、本当の初登場回とかも見てみたくなるもの。それこそスパイダーマンやアイアンマンの50年も前の初登場号とかも邦訳で読めたりもしますし。


じゃあデッドプールは何故ここまで初登場回が邦訳で出て無かったかと言えば、最初はただの使い捨てヴィランとしての登場だったから、というのも大きい気がします。

 

いわゆる誕生(オリジン)編みたいなのがあって、そこから物語がスタートとかじゃなく、最初はただのチョイ役(3流ヴィラン)だったものが、再登場する度に後付け設定で肉付けされていって、やがては人気が出て、自分のタイトル作が刊行されるようになって行った、という流れなのでその辺りの初期の部分をまとまったストーリーとして出すのが難しい、という感じだったんだなと改めて。

 

今回、4話分と収録数が少ないのですが、完全な初出回(ニューミュータンツ 98号)から2本目に収録されてる(X-フォース 15号)までの間にも何度か登場してるという話ですし、そっから初のオンゴーイングタイトル「デッドプール 1号」があり、最後に収録されてる話はグレートレイクスイニシアティブ(GLアベンジャーズorGLX-MENorGLチャンピオンズ)との特別号。各話ストーリーが繋がっているわけではなく、基本アンソロジー集。

 

映画でデッドプール気に入ったから、原作コミックも読んでみようかな的な入門編という感じでは無いかも。他の話も何本か読んで、より深い原点に触れてみたい、みたいなマニアックな路線かと思います。

 

90年代から3本と古いですけど(他のキャラよりは初登場が90年代って遅い方ですが)いやぁ、私がアメコミに入ったのもこの時期なので、メチャメチャ馴染みがあって、内心そうそうアメコミの絵柄はこの辺が最高だよね、と、ついニンマリしてしまいます。

 

全くリアリズムの無いインチキ筋肉描写に歯を食いしばったいつもの同じ表情。コスチュームにやたらポーチがついてて、バカみたいなデカいマンガ銃を振りまわす、ファンには申し訳ないけど「ロブ・ライフェルド(笑)」と嘲笑されるようなあのライフェルド先生の絵柄ですら懐かしく感じて私はメッチャ嬉しくなってしまいました。

 

しかもジェノーシャとかXティンクション・アジェンダ、フェイタルアトラクション編へ続く、とかまさに小プロX-MENの時代に思いっきりリンクしてるじゃないですか。私のアメコミ原体験です。

 

アメコミに限らずですが、合い所に入った物・所が自分にとってのスタンダードになっちゃったりするじゃないですか。ティム・バートン版でもクリストファー・ノーラン版でもどっちでもいいけど、そこからバットマンに入った人は、それがスタンダードなバットマン像になってしまうみたいな。他のを見ちゃうと、そもそもの原作とか知らないくせに、これちょっと違うくない?とか言ってしまうっていう。

 

そういうのと同じで、90年代アメコミ、特にX-MEN系列は私にってのアメコミスタンダードになってて、そういう意味ではなんかライフェルド先生の絵を見てるだけでも自分でもびっくりするくらいワクワクしてしまい、そういう意味では面白かった。

 

オンゴーイング1話目は、ヴィーゼルとかブラインドアルとか映画で見てたキャラがおおこいつかって感じで見れました(解説書の中だけですが、ヴァネッサは原作だとミュータントだったんですね。知りませんでした)

 

そして最後のグレートレイクスイニシアティブ。ここも時系列やストーリーは「シビルウォー」直結ですし、GLIはそれこそスクイレルガールが居る時期なので、そっち系統でも過去の邦訳と話が繋がる繋がる。
ギャグキャラゆえに大物食いの番狂わせばかり起こしているスクイレルガールの無敗伝説もコンティニュイティに入るのか問題と、シビルウォー戦犯スピードボールとの恋?などスクイレルガールの意外な面が描かれる。

 

対するデップーはギャグヒーローとしては後輩なものの、グレートレイクス本部で先輩相手に調子こきまくりの果てに・・・という感じの話。

 

デッドプールの名エピソード集という感じで読むには厳しい内容ですが、マニアックに楽しむには面白い所を拾ってきた感じの1冊でした。

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